麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

Die Männer_18~大団円

2021年03月31日 | 俳優座

劇団俳優座第345回公演

『雪の中の三人』

作/エーリッヒ・ケストナー

上演台本・演出/小山ゆうな

時/2021年3月16日~30日

於/俳優座5階稽古場 18ステージ

 

 

出演は上記の12人。

上段右から、平田朝音、森一、加藤頼、坪井木の実、

中段右から、青山眉子、田中孝宗、佐藤礼菜、山田定世、

下段右から、安藤みどり、瑞木和加子、川井康弘、松本潤子

 

 

本作の重要な登場人物(?)カシミヤ。

三人がこしらえる雪だるま。

そうそう、今回はこしらえたものがほかにもあって、

Tシャツや石鹸など、物販も充実しておりました。

 

 

そして今日、小道具や衣裳の返却を終えて、

まるで雪だるまが溶けるように、

ケストナーの描いた大人の「童話」は大団円。

 

また、本作が終幕したこともさることながら、

2020年度……COVID-19禍で春の公演は延期となり、

9月、11月、1月と骨太の作品が続いたあとの、

明るい舞台で、シーズンを終えることができました。

「このような時期に大いに笑えて幸せな気持ちに!」

という声が沢山聞かれました。

 

 

我々制作部は、おもにこの受付でお客様をお出迎え。

 

最後に、おまけ。

カシミヤに扮しているのは・・・舞台で演じた俳優とは

別の人物・・・さて、誰かしら?

 

 

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Die Männer_17~満員御礼

2021年03月28日 | 俳優座

 

 

日曜日。東京はあいにくの雨模様

(春、草木に恵の雨でもあるけれど…)

満開の桜は多くが散るだろうか。

そう、今日は風も強かった。

 

ドイツの雪山にある高級リゾートホテルに

バラ科の淡紅色の花は咲かないけれど、

タイトルにも掲げたように、

お蔭様でチケットは完売!!

『雪の中の三人』は、芝居としての満開だ。

 

 

と、ここで少し私的な話になる。

今日の来場者のなかに、旧知のIさんの姿。

私が下北沢を拠点とした別の劇団にいた時に、

世田谷区在住在勤の方々を募った企画(※)の、

彼は常連だった。本職はミュージシャンで、

現役を退いたあと趣味で演劇をはじめたのだが、

ステージに立つことに慣れていた上に

独特の存在感というか匂いがあって、

やがてプロの舞台にも出演するようになった。

それはともかく。

今日の観劇は私からの誘いではなく、

出演者の一人とIさんのお孫さんが繋がっていて、

六本木にやってきた奇遇。

 

※「下北沢演劇祭・世田谷区民演劇上演グループ」

が正式名称で、公募ののちオーディションを行い、

半年~数か月の週末の稽古を経て公演を打つ企画。

演出はじめスタッフはプロ。

 

 

さて。何度も書いてきたけれど

『雪の中~』は年齢も職業も異なる三人が

ホテルで出会い、友情を育む物語。

前段の「世の中は狭い」的な話であるとともに、

本公演と連なる不思議を思わないでもない。

 

当時、三十歳になったばかりのハナタレは

Iさん以外にも大手金融機関の現役行員、

元特別国家公務員、看護師等々、

通常の演劇生活の中では出会わない先輩たちに、

ただ芝居においてのみ少々先達というだけで

今思えば随分ナマイキだったわけである。

実は完全に私がお世話になっていたと今は判る。

そして全員ではないけれど、

あの頃の面々とは今も関係が続いていたりする。

 

私的な話が長くなった。

恐らくは世界中のこのような「えにし」が

俳優座公演第345回公演、満員御礼に繋がっている。

・・・おっと。完売に上気して、やや大袈裟か?

 

「ケストナーの魔法」ともいわれる

『雪の中の三人』、残すは2ステージ。

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Die Männer_16~ゲブアツターク 

2021年03月25日 | 俳優座

前回、『雪の中の三人』のタイトルロール

三人を紹介したけれど、その中のひとり

森一が本日、誕生日であった

 

ドイツ語のお誕生日おめでとうは、

 Alles Gute zum Geburtstag

(アレス グーテ ツム ゲブアツターク

が片仮名表記)

 

 

森は億万長者のトブラー役。

そして娘役のヒルデを演じる佐藤礼菜から

プレゼント

出演者一同に囲まれて。

 

 

 

さらには女優陣に囲まれて・・・

本作品の座組の雰囲気が伝わる一枚

 

明日26日は最後のアフタートーク。

前述の佐藤と、華麗なる二人の夫人

瑞木和加子(マレブレ)と

安藤みどり(カスパリウス)が

演出の小山ゆうなさんを囲んで。

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Die Männer_15~折り返し

2021年03月23日 | 俳優座

 

 

 

劇団俳優座『雪の中の三人』は、

原題が『Drei Männer Im Schnee』。

直訳すれば「雪の中の三人男」なので

1969年、小松太郎訳で発表された際、

その邦題で出版されています。

というわけで、冒頭の「三人」が

タイトルロールになります。

トブラー(演:森一/①・②ともに左)

ヨハン(演:加藤頼/①右、③左)

フリッツ(演:田中孝宗/②・③ともに右)

 

16日に幕を開けて、昨日がちょうど折り返し。

そして、アフタートークを前述三人と、

小山ゆうなさん(上演台本と演出)で。

 

本格的に稽古を始める前に読み合せをし、

それが上演台本のヒントになったこと、

勿論、ケストナーと、その時代のこと、

また客席からは舞台美術の盆への質問等、

多岐にわたる20分強でした。

というわけで残り9ステージ。

お蔭様で、完売と残席僅のステージのみ。

興味のある方はお早目に・・・

 

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ジュノとサンタマリア

2021年03月21日 | 鑑賞

(序)

2PMのジュノが昨日除隊したと、

ネットニュースで知った。

今日は3月21日、アッ! 緊急事態宣言解除の日。

とはいえ油断することなく暮らさねば。

 

話をもどします。韓流には明るくないけれど、

2PMがアイドルグループってことは知っている。

ただ、男臭く野性的なイメージが売りで

「猛獣アイドル、野獣アイドル」

ってことまでは存じ上げませんでした。

 

*この先ドラマ『自白』のネタバレを含みます。

 

(破)

あれ? ちょっと待てよ

隣国の芸能に疎い私なのだけれど、

同居人はハマっているので、

連続ドラマに付き合わされているこの頃。

今オンエアー中の『自白』という作品の

主演がジュノではなかったかしらん。

 

ユースケ・サンタマリアに似ているよな~

と、個人的には思いながら見ていて。

でも「俺様」「皇帝」という異名のある

韓国のアーティストに対して、

前段の感想は強いブーイングを浴びそうだ。

ε=ε=┏(・_・)┛

 

さて『自白』において、ジュノは弁護士役。

切れ者で、凶悪犯の弁護も請け負う。

その凶悪犯を演じたリュ・ギョンスが

良い俳優なのだが、彼は秋山翔吾に見える。

現在は大リーグのレッズの背番号4。

 

主人公の前に現れる敵の「強さ」が

次々に凌駕されていくのは創作の常だが、

リュ演じる殺人鬼は、収監中に殺される。

チョ・ギテクというかなりヤバい奴に!

 

さておき。

このドラマで私が一番注目しているのは、

敏腕弁護士の事務所に突然あらわれる

女優のナム・ギエ(南基愛)である

(役名はチン女史)。

 

日本発で、世界各国でリメイクされている

『マザー』で、主人公の「実の母」を演じた

1961年生まれの女優は、なんと36歳で

舞台女優として本格活動をはじめ、

またたくまに名優の名を得、

映像の世界には2014年から進出したのだと、

調べてわかった。便利な世の中で……

その『マザー』の演出・キム・チョルギュが

『自白』でもメガホンなのだという。

 

(急)

1月25日に31歳になったジュノ目線で

話を展開してしまったけれど……

3月12日に50歳を迎えた大分出身の

日本の誇る多彩なタレントにも

たくさんのファンがいるから、

「本名中山裕介のほうが素敵」という方から

ブーイングも出るわけなのである。

 

2PMのジュノが昨日除隊した、という話から

本当にしたかったのは

観る方向について、だったのだ。

けれども、ついナム・ギエのことなど

綴っているうちに紙数が尽きた。

 

春の嵐が吹き荒れた東京で

続きは後日。

 

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Die Männer_14~アフタートーク

2021年03月18日 | 俳優座

劇団俳優座第345回公演

『雪の中の三人』は16日、無事開幕!

 

OGPイメージ

【公演レポート】劇団俳優座×小山ゆうなが立ち上げるシニカルコメディ、「雪の中の三人」開幕(コメントあり)

劇団俳優座「雪の中の三人」が、3月16日に東京・俳優座 5F稽古場で開幕した。

ステージナタリー

 

早速、ステージナタリーにて紹介されました。

本日18日は完売御礼

そして明日はアフタートークあり。

演出の小山ゆうなさんと

ドラマトゥルクの天沼春樹さん。

日本のドイツ文学における一人者で、

多数の翻訳のほか、著作も幅広く、

第21回日本児童文学文芸家協会賞を

『水に棲む猫』で受賞。

また飛行船の歴史・文化史にも精通。

 

 

さて、どんな話が飛び出すでしょう?

ちなみにアフタートークは23日と26日にも。

23火=森一、加藤頼、田中孝宗

(上の三人/左から森、田中、加藤)

26金=瑞木和加子、安藤みどり、佐藤礼菜

(下の写真/左が瑞木、一人はさんで安藤。

さらに下の写真/佐藤)

 

 

上記弊団演技部の、『雪~』出演者と

演出の小山ゆうなさんのクロストーク。

苦労話に裏話、ちょっといい話(?)等々、

繰り広げる予定です・・・。

ただ両日とも、チケットは完売しております。

 

 

チケット現況はこちら。

https://haiyuza.net/performance-2-2/yuki2021-3/

 

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Die Männer_13~GP

2021年03月15日 | 俳優座

ケストナーがドイツの作家であり、

演出の小山ゆうな氏もドイツで生まれ育ち、

かくいう俳優座もドイツとは縁がある(*)

・・・というようなことで、

『雪の中の三人』に関するブログの

題名に独語を使ってきたのだけれど、

前回のイチゴなどは無理矢理感が

なきにしもあらず。

 

その意味で、GPと表示することの多い

「ゲネプロ」は「総合的稽古」を指す

ドイツ語「generalprobe」の略なので

ジャストフィットだ!

ちなみに読みは「ゲネラールプローベ」。

 

そして「総合的稽古」は噛み砕くと

照明、音響、衣装にメイクなどなど

本番と同じ条件で行う総仕上げの意味。

我々は「ゲネ」ということが多い。

 

 

13日に照明の仕込み、14日場当たりをして

(ここでは説明を省きます)、本日GP。

明日はいよいよ初日である。

 

・・・ここで脱線。

上の写真は照明機材。アズライトと書いてある。

今回の照明はプランナーが阪口美和氏ゆえ、

照明機材や人員は株式会社SLSが担当となる。

SLSの関連会社がアズライトで、今はもうない。

久しぶりに「As  Light」の灯体を見て、

個人的には懐かしかった。

 

 

 

 

なんといっても「総合的稽古」。

今日はスタッフも総結集。

美術の乘峯さん、音響プランの尾崎さん、

音響オペの若林さんに振付の弊団・荒木。

 

衣裳プランの大島さん率いるチームは、

補佐のヤマムラさん、ヘアメイク高村さん、

特殊小道具の篠川さん。

 

ドラマトゥルクの天沼さんは

宮澤賢治のようなコート姿で登場!!

 

 

まもなくゲネが始まるので、人物紹介で

字数を稼いだのがバレバレだが・・・

とにかく投稿しちゃいます。

最後の写真は、この舞台のキーになる

雪だるまにちなんだ……かまぼこ。

富山では有名な一品だそうだが、

それはまたの機会に。5階に下ります。

 

 

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じゅうねん

2021年03月11日 | 

あの日僕は友人の出演する舞台を

妻と一緒に観るため下北沢にいた。

向かう電車では知人と会った。

「夜、東演観るんだけど、せっかくだから

シモキタで買物したり食事も楽しんで」と。

彼女たちは北九州からはるばる。

 

バッチョの出る芝居は開演間際に揺れ、

一度劇場から待避、暫くして再入場。

しかし、また大きく軋んで中止になった。

 

その駅前劇場をあとにして

歩いて数分の本多劇場に移動した。

『ハムレット』のキャスト・スタッフが

呆然と非常口やロビーにいた。

特に、演出のベリャコーヴッチはじめ

地震に慣れていないロシア人達は蒼白。

そんな中。

制作部長は「誰も来なくても幕は開ける」と。

夜に初日を迎える舞台の、

事務所番のバイトを約束していたので、

駅から15分ほどある劇団事務所まで歩いた。

途中。

ゲームセンターとクレープ屋のあるビルの

モニターに信じられない光景を見た。

 

冒頭の知人を含め、昼には下北沢にいた者等、

二十人ほどの観客で『ハムレット』は上演。

事務所の電話は基本鳴らなかったが、

時折繋がったりして、都度対応。

「電車停まったのでキャンセル」

「明日は公演ありますか」

思えばまだ震災の全貌を皆が知らなかった。

 

2011年3月11日。

 

「重」い時間が流れている。

いまだ仮設「住」宅で暮らす人々。

苦「渋」の選択で故郷を離れた人々。

遅々たる政策に「従」わずをえない、

まるで「充」たされない「十」年。

 

事務所番を終えて、妻と徒歩で

数時間かけて帰宅した。

東北はもちろん多くの街が大変だった

あの日・・・

 

2021年3月11日。

祈りの一日、忘れない一日、考える一日。

 

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Die Männer_12~エーアトベーレン

2021年03月10日 | 俳優座

 

いきなり、イチゴ。

稽古場に届きました。

マッチ箱と並べていないので、

大きさがわかりにくけれど、かなりの大粒。

後援会の方からの差し入れが

『雪の中の三人』班に。

 

で、もちろん題名はドイツ語のイチゴ。

スペルは「Erdbeeren」。

下は、おいしそうな果実に驚く

出演者の田中孝宗と山田定世。

 

 

 

千葉市には観光いちご園「エーアトレーベ」が。

ンがつくのかつかないのか、僕には判らない。

 

さて、ケストナーの作品は題名からも明確。

舞台は白(淡いグレーともいえる)。

 

物語は一見とてもストレート、にみえて、

その裏に隠れた苦みを出せたら、と演出は言う。

最近の果物は、農家の方々の苦労のすえ、

とても糖度が増したけれど、おじさんは

昔ながらの酸味だったりエグ味だったりが懐かしい。

いや。

とっても甘~いフルーツも大好きだ

けれでも、なんでもかんでもは……。

 

『雪~』に登場する億万長者も、

何不自由ない暮らしの中で、芽生えた気持ち

・・・そこから出た「いたずら心」が

高級リゾートホテルのドタバタ劇を生んだ。

 

初日迄一週間を切りました。

3月16日~30日、俳優座5階稽古場。

原作/エーリッヒ・ケストナー

上演台本・演出/小山ゆうな

劇団俳優座No.345『雪の中の三人』

 

 

今夜10時~FM世田谷「劇ナビ」にて、

上のメンバーが出演いたします!

(右から川井康弘、坪井木の実、平田朝音

=以上俳優座。演出=小山ゆうな、

左端は進行役・植本純米さん)

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Die Männer_11~ブルーメ

2021年03月07日 | 俳優座

土曜日、今回のスタッフについて少々書いた。

『雪の中の三人』に〈チーム小山〉が多数参加と。

 

その流れでいうと『雪~』演出助手に

外部から迎えた田口花子さんもそうだ。

座内で、その任につく予定だった若手女優が

COVID-19禍、決まっていた外部出演が

当初の予定から上演がズレて合流が遅くなり、

小山氏主宰の「雷ストレンジャーズ」の

現場を過去に踏んでいる花ちゃんとの

二人体制を敷くことになった。

あ、今更だが……本作タイトル『雪~』と

「雷」の字面が似ているのぞ!

それはさておいて。

 

小山-田口の息のあった仕事が

芝居の立ち上がりに有効に働き、大変助かった。

 

 

さて、そんな『雪~』の稽古。

演出からの要求が、きわめて繊細になっている。

美術の乘峯氏、衣裳の大島氏の両プランナーに

振付を担当した弊団・荒木も顔をみせた今日、

音響操作の若林氏は連日「音」を出してくれていて。

という状況下、転換と早着替えにも注視しつつの通し。

 

 

フリッツは最初の驚きと次の驚きの違いを明確に!

ポルタ―の置く小道具の位置はどうだろう?

台詞のきっかけは、音楽で取るか役者の動きで取るか

……等々、これ以上はネタバレになるので書かないが

そういう段階に達しています。

 

話が前後するけれど。

上演台本・演出を担う小山氏が、

第25回読売演劇大賞優秀演出家賞と

第10回小田島雄志・翻訳戯曲賞を得た

『チック』の美術は乘峯氏、音響は尾崎氏、

音響操作は若林氏で、乘峯氏はこの舞台で

「読売」の優秀スタッフ賞を受賞している。

つまり。

昨日書いた〈チーム小山〉の頼もしいの面々が

座としてはチャレンジの「シニカルコメディ」に

強靭な力添えをくれているのである(*)。

 

 

新しい出会いにより、これまでなかった花が

俳優座に咲くことが早くも確信できる稽古場である。

 

 

弊ブログ。ドイツ語をタイトルにすることが

ここ数回、定着しつつあるけれど、

今回のブルーメは「Blume」=花。

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