ひとつ仕事を終えて、非シス人(ナルシスト)の
稽古場に向かう途中、高層マンションの
長く突き出した庇の下で、
しゃぼん玉を飛ばす小さな子供を見た。
少し離れた場所に若いお母さん。
彼は二歳になるかならないかだろう。
強い風にも負けずに舞う球体を
澄んだまなこで追うのだろうと、
四十後半の僕は勝手に思ったが、
彼はしゃぼん玉を吹く方に熱心で、
目線は黄緑色のストローに注がれていた。
吹き終わるとピンクの壺の液体に
棒先をつけて、また勢いよく吹く。
どうってことない発見だが、
一つの小さな「リアル」だった。
我々が演劇で表現する「リアリティー」とは
似ているけれど、まるで異なるもの。
ただ、こんな些事を知っているか否かが
創造において、意外と重要だったりする。
『青ひげ公の城』の稽古は、
サンモールスタジオの稽古場に腰を据え、
仮のセットも組んで、詰めの段階。
詳しくは明日以降に譲り、、、
先に片付けた仕事の話をしよう。
神保町の某編集スタジオ。
目抜通りから一本入ったビルで
昭和漂う風情が、良い。
廊下の質感も素敵
建物全体が昭和なテイストなのだ。
ここで、日本新劇製作者協会の
機関誌第113号の作業を三時間。
実は三ヶ月ほど予定より遅れている
本来季刊なのだが、ここ数年
善くて三号、概ね年二号と
体たらくが続いている。
今年こそ四回出す
ここに高らかに宣言し、己に
プレッシャーをかけることにした。
中学時代、川崎市学級新聞コンクールで
入賞した頃を思い出せ 俺
ちょうど今日は高校の頃の友人と会う。
昔に帰る良い機会だ
思春期の頃、僕の目線は
何を見つめていたのだったっけ?