麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

SFM2017最初の会合

2017年05月31日 | 制作公演関連
SFMは略称で、正式には
「新宿フィールドミュージアム」。
あまり浸透していない感もあるが、
なんたって今年五回目と歴史が浅い。

特色としては網羅する範囲の「広さ」。
美術・音楽・演劇・映像はもちろん、
基本なんでもありな感じだ。

これまで広さは「浅さ」に見えた。

参加団体の数はなかなか立派でも
実際の会議に出席する団体は
かなり寂しいものであった。

が。2017年の初回の会議は、
用意した椅子が足らない盛況ぶり。

これまでの地道な努力の賜か、
その辺り、まだ何とも言い切れない。
確実なのは「お堅いところ」の増加。
そんなこんな、おいおい書こう。

我々芝居の世界でいえば、
「下北沢」と「池袋」の演劇祭が
ともに次回が28回目となる老舗で、
その他「北とぴあ」「したまち」など。
順に、世田谷区、豊島区、北区、
そして台東区と「区」もしくは
その流れの「財団」が音頭を取る。

SFMも同様、今日の集まりも
「新宿区地域文化部観光課」の仕切り。

今回は初めてテーマを設けます。
今年生誕150年の《夏目漱石》だそう。

この件も、改めて。

※※※

個人的には第1回から参加していて、
アトリエ・センターフォワード
(2013、14。ともにシアター風姿花伝)
ラヴィニア(15。シアターブラッツ)
そして昨年は近江楽堂でのJ-Theater。

今回も前年と同じ会場でJ-Theater。
・・・まだ予定なのだけれど。

この手のお祭りは好きで縁もある。

明後日は「したまち演劇祭in台東」の
来年開催される第八回の、
キックオフがあったりもする。
こちらは遊戯空間の制作として。

※※※

ただ、どちらも少し先の公演だ。
明日から六月。
演劇集団ア・ラ・プラス『ビザール』
それに本腰を入れないと、
優しい面々もいい加減怒るだろう(^_^;)


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櫂人『ブルスト』終幕。次回は来旦月

2017年05月30日 | 制作公演関連
劇団櫂人第三回公演
『ブルーストッキングの女たち』
作/宮本研、演出・美術/篠本賢一
2017年5月24日(水)~28日(日)
上野ストアハウス(全6回)

無事全公演を滞りなく終えました。
ご来場いただいた皆様、関係者各位
改めまして御礼申し上げます。



一年近い準備を経て辿り着いたゴール。

体調管理は役者に限らず
「仕事」において大切なことは
言うまでもありませんが、
シニア劇団では台詞や段取りを
覚えることともに、健康維持が
とりわけ難しい課題となります。

前回公演ではインフルエンザの
猛威に打ちのめされました。
今回は、比べれば軽度ながら
風邪が次々と役者と演出に感染。
雪だるま式に威力を増した菌を
最後に貰った女優は小屋入り直前
声が出なくなる、という状況に。


そんなこんな、あれやこれや
打ち破っての千秋楽でありました。



そんな中、サッカーでいえば
ダイナモ~ゴール前から前線まで
ピッチ狭しと攻守に汗をかく~
役割を担ったのが黒井暁子。
稽古場でも劇場に入ってからも
こまごまと立ち振る舞って
作品の下支えをしてくれました。

彼女も前回紹介の三人とともに
新人の一人。

旗揚げから五年半。
来る者去る者あって、櫂人は今、
役者のキャラクターは言うに及ばず、
様々な部分で「豊富」な十三名!

慢性的な「男優不足」の問題以外は
とても「あつい」~芝居への想いが熱く、
層も厚く、絆の篤い~劇団になった。

そうそう。
伝統ある演劇誌の七月発売号にも
取り上げて戴けるようだし。
ただ一所懸命なだけでなく、
外部からの評価も高まっています。

昨日は荷下ろし。そして反省会。
今回の経験を糧にさらに一段、
腰を痛めないように気をつけつつ、
高く踏み出しますp(^-^)q

第四回本公演は来年6月予定\(^^)/


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櫂人『ブルスト』山場越ゆ、 ハリル&シノケン

2017年05月27日 | 制作公演関連
W杯最終予選のメンバーが発表され、
初召集は加藤恒平ら四人。
(この件は公演終了後に改めて

昨日の仲日は公演の山場となる
昼夜二回、つまり三時間の芝居を二度。
それを乗り越えた劇団櫂人
『ブルーストッキング~』の新顔達も
サムライブルーの初顔に負けてはいない。

主要な役・・・
本編のヒロインといえる伊藤野枝、
のちに夫となる無政府主義者の大杉栄、
新劇界に咲いた最初の花形女優
松井須磨子・・・を担ったのは、
山口しのぶ、金井賢一、佐藤陽子。
シニア劇団・櫂人の新鋭である。

A代表はこれから合宿に入るが、
U20は今まさに戦いのさなか。
注目は飛び級の久保建英だが、
彼に劣らぬ輝きを放つ新戦力
・・・とは、少し誉めすぎか。

前段の新進気鋭はまた。
シニアと呼ぶには少し早い世代で
その点でも「リアル翼くん」こと
久保と共通する部分はある。

蛇足ながら『キャプテン翼』が
まるで本当になったような久保を
一部が称して「リアル~」と。

重ねて余談になるが。
櫂人の昨日の客席の一隅には、
翼くんの親友・岬くんの声優
山田栄子さんの姿がありました。

話を本題へ戻します。

旗揚げメンバー以下、先輩達も
演技の幅を広げて貫禄を見せ、
客演三人もそれぞれの個性を発揮、
さすが「プロ」という仕事ぶり。

そんな「イレブン」(実際は17人)
を束ねる演出の篠本賢一が、ふと
「ミーの出演は彼の今後に
何か役立っているのかな?」と
稽古場で呟いたことがあった。

前回のブログでも触れたが、
ミーは子役で出演している小学生。
本番中、実は学校を休んでいる。

最近、演劇を学ぶシニアクラスが
とても多いけれど、、、櫂人も
ある養成機関で篠本の教えを受け、
その授業では物足りなくなって
更なる高みを目指し劇団を立ち上げ、
芸術監督に彼を据えた。

その某養成機関は、子役育成で
実は大きくなったところなのだ。
が。
ミーはその「名門」で学んでなく、
タレントを目指してもいない。

お父さんと話す機会がたまたまあり、
「仕事で、毎日は送り迎えできない。
本番は一人で通わせるつもりだが、
稽古にも一人でバスや電車で行き、
奴は貴重な経験ができています」と。

日本以外の多くの国は、授業に
「演劇」がある。当たり前のように。
全員がプロを目指すわけではない。
国語や算数があって、でも皆が
小説家や数学者にならないように、
「演劇」は生きる上で必要な
基礎のひとつを担っているからだ。

長くなったので一度幕を降ろします。
櫂人には四人の新人が入りました。
紹介していない最後の一人も交えて、
明日・・・



『ブルーストッキングの女たち』
残すは今日明日の2ステージ!
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櫂人『ブルスト』二日目終了、とミーハー。

2017年05月25日 | 制作公演関連
前回、浅草近辺の商店街で
「ちり紙」を認めて懐かしいと。
それは目。一方、最近とんと、
耳にしなくなったのは「ミーハー」。

世の中の流行等に浮かれる人を指す。
その語源は幾つかあるようで……。

発生は昭和初期。
当時は「みいはあ」と平仮名表記。

で、その頃の若い女性の名前が、
「み」や「は」で始まるものが
多かったから、という説は有名だ。

昭和2年の映画『稚児の剣法』で
銀幕デビューを飾った二枚目俳優
林長二郎が熱烈な支持を集め、
若い女性の好むみつまめと林長二郎の
「み」と「は」からという、
より具体的な説も。



上野で人気はやっぱりパンダ。
駐車場にもあしらわれています。

さて、上野ストアハウスで
上演中の劇団櫂人は二日目を終え、
明日は仲日、そして唯一の2ステ。

宮本研の本を篠本賢一が演出する
『ブルーストッキングの女たち』で
人気者といえば、子役で出演の
「ミーくん」こと滝沢直純。
なおずみの「み」で「ミーくん」。

そう、冒頭はあくまで前振り(^_^;)

シニア劇団の、今回の出演者の
平均年齢を劇的に下げている(^-^)v
なんたって、ヒトケタ。
ほとんどのキャストがミーの父母より
年上だったりするのである。

「何歳に見える?」と訊く櫂人メンバーに
「20~30歳くらい」と答えるミー。

ミーが世渡り上手なのか、、、

概ねそれは、演じる役の年であり、
ということは、キャストが見事な演技で
純心な子供にそう見せているのか、、、

きっと、後者であろう。



てなわけで、金土日。残すは4回。
写真は劇場のそばに見つけた
これまた懐かしい井戸。

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櫂人『ブルスト』初日前夜。それから河童と合羽橋

2017年05月23日 | 制作公演関連
上野ストアハウスは「浅草近道」と
地面に書かれた通りから折れた
台東区北上野一丁目にある。

「近道」を進めば、かっぱ橋道具街。

漢字表記は「合羽橋」で、
湿地帯だった界隈の堀割を整備した
合羽屋喜八という人物に由来する。
ただ彼の良心に打たれた河童達が
工事を助けたという言い伝えはあり、
振興組合のマークは河童だ。



話が前後するが。
冒頭の「近道」は「かっぱ橋本通り」
と呼ばれる1キロ強の直線二車線。
その間に幾つか商店街がある。
そこにはカッパのオブジェもあって、
上の写真は、その一体「縛られ河童」。



商店街のひとつ「かおう会」のフラッグ。
「かっぱのいる町」というキャッチと
スカイツリーも描かれている。
はためきの向こうには本物の634m。



もう浅草の一角にあたり、木製看板店、
さらには研ぎの専門店などが並ぶ。





蝋燭屋さんの店には懐かしい
「ちり紙」が売っていた。
トイレットペーパーよりも、
こちらが主流だったのは昭和の……
50年あたりまでか?
地域差もあるだろうけれど。
てか、浅草辺りではまだ根強いのだな。

決して広くはない、そんな通りを
こぶりなバスが走り抜ける。



そして。
劇団櫂人『ブルーストッキングの女たち』
いよいよ明日、初日!
日曜日まで全速力で走り抜けます。
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櫂人『ブルスト』仕込日、もしくはおにぎりの具

2017年05月22日 | 制作公演関連
劇団櫂人第三回公演
『ブルーストッキングの女たち』
劇場入りし、ただいま鋭意準備中。
\(^o^)/

小屋に入って幕を開ける迄、三日。
大変、時間的に余裕がある。
劇場に入り、仕込から場当り、ゲネ、
そして本番まで休憩もそこそこに
二日でやり抜くことは珍しくない。

舞台装置を極力簡素化して、
入ったその夜には開幕する、
なんてパターンもあったりする。

そういう訳で。
今回はゆるやかに過ごす制作である。

加えて、劇団櫂人は座員たちで
仕事を分担しあい、制作でいえば
チケット管理、宣伝広報も
きっちりこなしてくれているので
尚のんびりさせて頂いている。



今更だが。追い込み稽古をした
「ココキタ」絡みの話を書こう。

隅田川のほとりの大きな団地内、
廃校になった中学校を文化スポーツの
稽古や練習に使えるようにした施設。

鉄道駅からは少々距離がある。
たまたま僕の住む池袋からは、
西新井行ほか何本かのバス路線があり、
すぐ近くで降りられて便利だ。

ただ、出先から回る時もあり、
地下鉄の王子神谷駅から歩くことも。

その場合、神谷庚申通り商店会
(一枚目の写真)を抜けて行く。



で。商店街にある業務スーパーに
ついつい寄ってしまう(^_^;)

話も寄り道すると。
おにぎりの人気ランキングで
昔ながらの梅やおかか等を抑えて
ツナマヨが人気と何かで知り、
気持ちがざわついたことがあった。

三位あたりに新顔が入るなら、
まぁ許せるけれども……。



ある日の業務スーパーの棚。
大量に余ったツナに対し鮭は一個。
たまさかだろうし、たった一軒のこと。
でも、個人的にはホッとする景色だ。



『ブルーストッキングの女たち』は
新しい思想を押し進める人々のドラマ。
具でいえば「新味」といえる。
それを、シニア劇団が上演する。

じっくりと煮込んだ「こんぶ」と
「タルタルチキン」の競演!
そんな舞台はいよいよ24日より。
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因習と国家/櫂人vol.3の参

2017年05月21日 | 制作公演関連
櫂人の稽古場は相変わらず厳しい。
そこにはシニアもへったくれもない。
寧ろ。
そんじょそこらの若者のそれより
激しくきつい現場と言える。
役者は辛いだろうが、また幸せだ。

ただ厳しければ良いとは思わない。
高い志を持ち、そこに向かう為に、
厳しさは必要な要素となる。

そんな稽古場で演出は吠える。
この芝居は因習や国家に立ち向かい、
挫折し、そこからまた立がる人々の
闘いの物語なんだ!と。

劇団櫂人第三回公演
『ブルーストッキングの女たち』
作/宮本研、演出・美術/篠本賢一
於/上野ストアハウス
時/2017年5月24日~28日



月曜から「ココキタ」に腰を据え、
さらに細かな部分を丁寧かつ
大胆に紡いでき、今日が最終日。
明日にはいよいよ劇場入りとなる。



らいてうが雑誌『青鞜』を
創刊したのは26歳の時だ。
伊藤野枝、大杉栄もほぼ同世代で
甘粕事件に二人が遭遇するのは
時を経た38歳。それでも若い。

さて。
2017年のその世代はどのあたりか。
前田敦子、高畑充希、波瑠……
彼女らが女性開放を唱える志士を
演じるには時期尚早かな、
と思うのは僕だけではあるまい。
当時と現代では「纏っている歳」が
あまりにも違うのである。

そもそも。
演劇では役の年齢より十くらい上の
俳優が演じた方がしっくりいく。
現代を描いたものでもそうだから、
時代物は尚更である。

一方、一度担った役を演じ続け、
再演を重ねるうち実年齢が五十以上
離れちゃってる場合もあるが、
それはまた別の話だ・・・。

櫂人の『ブルスト』は初演ながら
シニア劇団なので、はなっから
役と実際に年齢差が生じてしまう。
が。
役者個々のたゆまぬ努力で
ちゃんと歳相応に見えてきた。

そんなはずはない!とお疑いなら
あとは観て確かめるしか手がない。

残席は僅か。お急ぎください。
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距離と風景/櫂人vol.3の弐

2017年05月20日 | 制作公演関連
空からコーラの瓶が降ってきて、
それを拾ったアフリカの部族の男を
主人公とした1981年公開の映画
『ブッシュマン』(のち改題)。
彼は、めっちゃ視力が良かった。

きっとニカウさん(上記の主人公)と
僕とでは見えている世界が随分違う。



函館の夜景が素晴らしいのはX型の、
あるいはくびれた腰のように
見える陸地の形の魅力とともに、
距離感もあると、僕は思う。

長崎の稲佐山からのそれも
本当に素晴らしいのだけれど、
街までがほんの少し近すぎる。



前回のブログで取り上げた舞台
『梅子とよっちゃん』は、
築地小劇場が生まれる大正前半から
第二次大戦後までを描いていた。

昨日観たのは川崎郷土・市民劇第6弾
『南武線誕生物語~夢みる男たち』
(作/小川信夫、演出/板倉哲)

大正3年の多摩川氾濫を機に
村会議員・秋元喜四郎が川崎を貫く
鉄道敷設の実現に向け奮闘する。
プロローグとエピローグは昭和だが、
舞台本編はすべて大正期。



つまり。
ちょんまげの江戸時代にピリオドを打ち、
足早な近代化をひとまず終えた明治を経、
日本が更なるステップアップする時期。
けれども実際は短い、およそ15年の大正。

その、とてもエネルギッシュだった時が
今の我々から見える風景として
距離的に良いのかもしれない。

それは美しいとかいう意味ではない。
近すぎず遠すぎず、学ぶ点も
反省する点もひっくるめて、
塩梅の良い距離ではないかと。



『ブルーストッキングの女たち』
この作品もまさに大正のドラマだ。

大正デモクラシー、大正モダン。
第一次大戦、関東大震災。
カチューシャの唄、コロッケの唄。
・・・本当に濃い時代。




読み下すと「大いに亨りて以て正しきは天の道なり)から。「大正」は過去に4回候補に上がったが、5回目で採用された。

なお大正天皇実録によれば元号案として「大正」「天興」「興化」「永安」「乾徳」「昭徳」の案があったが、最終案で「大正」「天興」「興化」に絞られ、枢密顧問の審議により「大正」に決定した。
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梅子とよっちゃん

2017年05月18日 | 鑑賞
二歳の時、川崎市の南部に位置する
川崎区藤崎から多摩区王禅寺
(当時。現在は麻生区)に越した。
臨海の工業地帯から北部の丘陵地へ。


社宅、と言っても。
サッカーコート半面位の敷地に
ロードローラー等、重機車数台と
H鋼など膨大な資材が置かれた、
その隅に建った、いわば管理棟。
ぼくら家族のみが暮らしていた。

こどもの足でも五分ほどの距離には
母の両親と弟妹が暮らす家もあった。

そちらの並びには同い年のゆきちゃんと
じっちゃんが住んでいてよく遊んだ。
暫くして、ゆきちゃんは越して行った。

幼稚園に入り、じっちゃんちに行くと
別の子が先に来ていて遊べない日も。
その子は梅澤という姓だったから
「梅ちゃん」「梅」「梅公」が渾名。
因みに、じっちゃんは人見実典。

※※※

小学校五六年の親友は吉田喜寿。
そう「よっちゃん」。

三四年も同じ組で遊んではいた。
よっちゃんは肥満児で、一方僕は
グループについてゆく存在。
格段に仲が良かったわけではない。

そうそう。梅公も同じクラスで
担任から、そのおしゃべりを称して
「ベラベラマシーン」と。

で春休みが終わり、クラス替え。
僅か二週間前まで朝礼順が、
真ん中より少し後ろだった僕が
学年で一番大きくなっていた。
よっちゃんは痩せて、僕の前にいた。
それから、やけに仲良くなった。

※※※

このまま続けると長くなる。

本題は青年劇場第116回公演
『梅子とよっちゃん』
(作/福山啓子、演出/瀬戸山美咲)

青年劇場は〈秋田雨雀・土方与志記念〉
を冠するのが正式名称であり、
その土方与志が「よっちゃん」で、
その妻が「梅子」なのである。

伯爵家に生まれながら演劇に身を投じ、
私財を注いで築地小劇場を建てた
演出家・土方と、子爵令嬢から
「よっちゃん」との結婚を機に
舞台衣裳の先駆者となる「梅子」の
激動の時代を背景とした愛の物語

俳優座を創立した千田是也、
代表作『夕鶴』で知られる山本安英、
移動演劇桜隊の公演地・広島で
原爆により命を失う丸山定夫ら
〈日本演劇史〉に名を刻む人々が
多数登場する〈新劇大河ドラマ〉
という側面も持った作品でした。

※※※

前段の三人のほかにも。
前進座の創立メンバー河原崎長十郎、
夫婦で文学座結成に関わった
友田恭助、田村秋子らも
舞台を賑わすのだが・・・

その文学座とともに、民藝、文化座、
青年座、東演の新劇団が合同で
『その人を知らず』を来月上演する。

「新劇」がある熱を帯びている・・・。

※※※

と同時に、と云うべきか。
そのまた一方で、と云うべきか。

本作の演出が「ミナモザ」瀬戸山で、
また俳優座と銅鑼が揃って起用するのが
「風琴工房」の詩森ろば、という。

今に始まったことではないが
小劇場依存・・・もとい、
小劇場の才能との積極的な共同作業!

新劇はまた悩みつつすすんでゆく。

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ROSE at theaterX vol.40

2017年05月17日 | 制作公演関連
薔薇の色といえば、赤。
それから黄色と白。

青が品種改良の末誕生したのは
いつだったろう? 15年くらい前か。

〈blue-rose〉は「不可能」の意味を
持つほど奇跡的なことだったが、
ミラクルを起こしたのは日本。



2012年の初演は制作として、
月一ロングランとなってからは
制作協力として僕が関わる舞台
『ROSE』。

作者はマーティン・シャーマン。
彼の祖母をはじめ先人たちをモデルに
形成された主人公のローズ。

ウクライナの貧しい家に生まれ、
ポーランドに希望を見いだし、
そこで運命の男性と結ばれるも
第二次大戦に翻弄され、夫と子を喪う。
ローズ姓のユダヤ系米国人海兵と
二度目の結婚をしたことで、
「ローズ・ローズ」となった彼女は、
やがてホテル経営者にまで上り詰める。

そんな彼女の晩年。
ユダヤのコミューンで上演された舞台で
孫達がイディッシュの名前を笑い、
そのことに涙する場面がある。

イディッシュはユダヤ人が作った
言葉や文化なのだけれども……。
同じ「ユダヤ」でありながら、
歴史の中で様々な変化が起き、
世代の間で隔たりが生まれる。

ローズは回想として語ることで
それを「淡々と」観客に伝える。
そして、その静かさがむしろ
観る側に強く刺さるのである。

そんな彼女の80年の人生、
その軌跡こそミラクルだが。



随分前からさまざまな団体や個人が
企画には上らせながら実現せず。
ある養成所の発表会で役を割って、
演じられるのがやっとだった『ROSE』。

その作品に果敢にも女優として、
またプロデューサーとしても
チャレンジし5ステージを成し遂げた
初演はブレヒトの芝居小屋だった。

縁あって、東京二十三区の西端から
真反対のシアターΧに場所を移して、
翌年からロングランがスタート。
5年目に突入している。

昨日、節目の40回目
(初演を含めると45ステージ)を終えた
志賀澤子の『ROSE』。
この公演も、奇跡の連続だ!



初演からかたちを変えてきた
チラシも織りまぜて、、、。
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