三人寄ればかしましいという。
スーパーのパンコーナーの棚の前にべったりと立つ女子大生が三人。
騒いではないが、絶え間なく小声で話している。
手には菓子パンとチルド飲料。
チルド飲料とは、
プラスチックカップに入って、アルミ素材の蓋があり、ストローを刺して飲むもの。
ぐるりと店を回って
その位置に近づいたら、まだそこに三人ともいた。
話が前後するけど、そのスーパーにはメインとサブ、出入口が二つある構造。
サブから入った僕の前に並ぶ特売の山の向こうに、彼女たちの姿は見えた。
僕はレジを横切り、生鮮から鮮魚、精肉、菓子、惣菜と正規の(?)ルートで廻ってパンの売り場へ。
10分は経っていただろう。
相変わらずパンとチルドを持ったまま三人はおしゃべりをしていた。
一人が携帯で話す
これを潮に動くかと思いきや気配がないから、
「あの見たいんですけど」ってオーラ全開で僕は近づいた。
三人は裏側の島へ。
なんと、そこもパンコーナー
娘らは再び停止した。
こうなると俄然興味が湧く。
なぜこの三人はここまでパンに固執するのだろう、と。
やがて赤いスーツケースをガラガラしながら一人が加わった。
この大荷物の友人をパンコーナーで待っていたようだ……。
り、律儀というか、さほど広くない店内を流して待っても巡り会えるのでは???
四人は、再び最初のパン棚に復帰。
ゆ~っくりと四人で、新顔のパンを吟味したのちチルド飲料からお菓子コーナーへと、産卵に向かう海亀のごとき速度でスーパーを練り歩き、籠は使わず手に持てる数の買い物を
終えて、店を出て行った。
夜行バスでどこかに行く、その車内の夜食の購入だったのか。
(時間は21:00~21:30くらい)
僕の観察はスーパーで終わったので答えは解らないが・・・。
ある理由から部屋に戻れない僕は万引きGメンよろしく、ある時はチーズを、はたまた煎餅を物色しながら彼女たちを追跡……
(
これはこれで犯罪?)
いい時間潰しを提供していただいた。
それはそれで感謝するが、長時間パンコーナー前に立つと他の人が買えませんよ、
静かな「かしまし娘」達よ。