麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

夕刻のドゥフト

2024年05月02日 | 身辺雑記

浅野佳織が「蛭ノ尼鬼」に関する

論文をスメ=ルヨルーノ市の学会で

発表してから3年になる。

 

その成果が評価されて、

隣市に小ぶりなキャンパスを構える

国立大学の助教に招かれた。

長く付き合って倦怠期すら越えた彼と

別れる良いキッカケになったし、

正直この国のことは知らなかったが、

気候も食事も合って快適な千余日。

 

正確にいえば1089日で、

まる3年にはまだ少し時間がある。

 

 

「ヒルノニオイ」は、長らく日本の

地方のある小さな村の固有の信仰と

考えられていました。

しかし、朽ちかけた神社の資料から

渡来人による影響ではとの仮説が立ち、

確かに鬼を「オイ」と呼ぶ謎に一石。

……それは私が大学に入った年の冬、

フィールドワークで末席にいた10代の、

確か初めて髪を染めて、その色落ちが

目の前の重要な古文書より気掛かりで。

まさか、その研究に長く携わり、

ついにはこの国との関連に辿りつくとは。

 

佳織はまずそんな入り方で壇上から語った。

地味な研究だから、専門家は両手で足り、

おそらくこの国の教授が集めただろう

学生が大半を占めた階段教室。

この地方特有のこまかな雨が降る午後。

 

 

つい調子に乗ってキーを叩いたが、

先月25〜27日に書いた

あさのかおり、ひるのにをひ、

よるのすめるの三題を使って

短い文章が出来ないかなぁという

出来心でした、ごめんなさい。

 

朝昼夜に対して、夕刻。

ドゥフトはDuftで独語の香り、匂い。

世の中は黄金週間の谷間、

こんな戯れも許されるかしらん。

 

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