新宿酒場ロン 7・11
島、絵美、銀さん、洋子ママがいる。
洞爺湖と大分の取材から帰ってきた島と絵美。
「サミットはどうだった?」
「警官だらけの洞爺湖。全国から集まった警官だけど、3人くらい懲戒免職と諭旨免職になった。強制わいせつ、女風呂盗撮、スカート覗きだとさ」
「全国から集まって、警備じゃなくて、性犯罪サミットだな」
「警官と教師の性犯罪が多すぎるな。根っこが腐っている証拠だな」
「公務員のハレンチ罪と汚職腐敗。ところで肝心のサミットは?」
「何と言ったらいいのか、日本に厳しく言えば失敗かな。1年も前から1千億円かけて準備していたけど・・・」
「何か歯切れが悪いな。問題は何?」
「費用対効果において、日本にとって何の収穫もなかった。福田さんはフランスとイタリアから首脳会談をドタキャンされて、官僚は青くなった。官僚にとって致命的な失敗だ。担当者はアフリカにでも飛ばされるだろうけど」
「最近のサミットは官僚作文になってしまって、当初の国家指導者たちの意見のぶつかり合いがなくなった。議論はあっても狭い意味の国家利害だけだ。国家利害は当然としても、政治家が小さくなった。特に福田さんはちょっと哀れに近かった」
「それは感じたな。質屋の親父が場違いの所に出て、フォークが使えないから箸を持ってきてくれというような感じだ」
「それに平行して、ファーストレデイ6人がランチで小高い草原にあるロッジ風のレストランでフランス料理を食べたけど、あれも雰囲気が良くなかった」
「福田さんの奥さんは目を狐目にして笑いが無いから、場が和まない。日本では威張っているからそういう態度になるのかな。それに欧米スタイルのように自分が一番上座に座っていたけど、あれは感心しなかった。確かに欧米やアジアでは主人が上座に座るけど、日本はもてなしの心だから、欧米と一緒にすることはない。それにフランス料理じゃなく、日本の古い民家とか農家レストランで、囲炉裏を囲んで郷土料理を食べた方が欧米人は10倍感激するだろう」
「福田さんでは日本の限界ということだな」
大分県不正問題。
「根っこは大分大学の教育学部の学閥がある」
「学校は俺達が仕切るということか」
「昔から公然の秘密で、現金のやり取りで教頭、校長、参事などの登用は行われていた。また教員採用試験も同じだ。国会議員・県議・市議、教育委員会、校長関係の採用枠は公然の秘密だ」
「それはどこの県、市でも同じだ。謝礼として平均300万円が動く」
「しかし、試験に合格していた人間を落とすのは許せない」
「逮捕されたのは、二宮政人、江藤勝由、浅利幾美、矢野哲郎、矢野かおる」
「皆、悪い顔をしている」
「もう一人、まだ逮捕されていない県教育委員会・審議監の富松哲博がいる」
「あの富松は悪党だな。彼が逮捕されるかどうかで事件の真相が分かる」
「徹底的に膿を出して、2度とこんなことが起きないように関与した者は逮捕し、懲戒免職だ」
「矢野の娘は今週から小学校に出てきていない。両親が逮捕されて、点数改ざんがはっきりしているから辞職しかない」
「試験制度を透明性のある方式に変えないと、再発の危険性がある」
山本モナ事件。
「サッカーのキングカズとの不倫を追っかけていたけど、そこに巨人の二岡と矢野がはまり込んできたから驚いた」
「ここから目と鼻の先のゲイバーで朝の4時半まで飲んで、タクシーの車内でディープキスして、ホテルでは何もありませんでしたという否定FAXをモナは各社に入れたけど、誰も信じないよね」
「そのままラブホに入ったら、もう止まらない」
「誰にも止められないな」
「モナは不倫が好きだね。男無しでは一晩でも過ごせない。性欲がスカートはいて歩いている女」
「前は民主の細野で、今度は巨人の二岡、カズはパパラッチがマークしていたけど、当分モナは謹慎だからフリーだな」
「今後のモナは?」
「難しいな、もうキャスターは致命的にアウトだし、お笑い系に戻るしかないけど、今度は誰にでもさせる女に見られるから、少し立ち位置が変わってくるね」
「彼女、学習院だよね? そしてフランスとのハーフ、たけしも今後の売り方が難しいな」
「いっそ、たけしの愛人にしたら」(笑)
「山本モナを改名して二岡モアとか」
「二岡は反省として頭を丸刈りにしたらしいけど、それじゃ、ほんとはやりました、という証明だな。来季は矢野と一緒にパリーグへトレードか」
欲望の街・新宿。エアコンの熱気を外に吹き出して、お店の中からはカラオケと嬌声が聞こえてくる。モナと二岡が朝方まで飲んでいたゲイバー「R」。酒に飲まれ、性欲を剥き出しにした男と女はもつれるようにしてタクシーに乗り込んだという。獲物を狙うワンボックスカーがそれを追跡した。そのワンショットで今回は500万円の金が転がった。望遠レンズでタクシーに狙いを定める。来たァー。無我夢中で連続自動シャッターだ。少し興奮気味に彼は顔をほころばせた。新宿の豹。孤独な狩人になって、誰も褒めてはくれぬヤクザな仕事だ。
また今日も新宿は眠らない。
島、絵美、銀さん、洋子ママがいる。
洞爺湖と大分の取材から帰ってきた島と絵美。
「サミットはどうだった?」
「警官だらけの洞爺湖。全国から集まった警官だけど、3人くらい懲戒免職と諭旨免職になった。強制わいせつ、女風呂盗撮、スカート覗きだとさ」
「全国から集まって、警備じゃなくて、性犯罪サミットだな」
「警官と教師の性犯罪が多すぎるな。根っこが腐っている証拠だな」
「公務員のハレンチ罪と汚職腐敗。ところで肝心のサミットは?」
「何と言ったらいいのか、日本に厳しく言えば失敗かな。1年も前から1千億円かけて準備していたけど・・・」
「何か歯切れが悪いな。問題は何?」
「費用対効果において、日本にとって何の収穫もなかった。福田さんはフランスとイタリアから首脳会談をドタキャンされて、官僚は青くなった。官僚にとって致命的な失敗だ。担当者はアフリカにでも飛ばされるだろうけど」
「最近のサミットは官僚作文になってしまって、当初の国家指導者たちの意見のぶつかり合いがなくなった。議論はあっても狭い意味の国家利害だけだ。国家利害は当然としても、政治家が小さくなった。特に福田さんはちょっと哀れに近かった」
「それは感じたな。質屋の親父が場違いの所に出て、フォークが使えないから箸を持ってきてくれというような感じだ」
「それに平行して、ファーストレデイ6人がランチで小高い草原にあるロッジ風のレストランでフランス料理を食べたけど、あれも雰囲気が良くなかった」
「福田さんの奥さんは目を狐目にして笑いが無いから、場が和まない。日本では威張っているからそういう態度になるのかな。それに欧米スタイルのように自分が一番上座に座っていたけど、あれは感心しなかった。確かに欧米やアジアでは主人が上座に座るけど、日本はもてなしの心だから、欧米と一緒にすることはない。それにフランス料理じゃなく、日本の古い民家とか農家レストランで、囲炉裏を囲んで郷土料理を食べた方が欧米人は10倍感激するだろう」
「福田さんでは日本の限界ということだな」
大分県不正問題。
「根っこは大分大学の教育学部の学閥がある」
「学校は俺達が仕切るということか」
「昔から公然の秘密で、現金のやり取りで教頭、校長、参事などの登用は行われていた。また教員採用試験も同じだ。国会議員・県議・市議、教育委員会、校長関係の採用枠は公然の秘密だ」
「それはどこの県、市でも同じだ。謝礼として平均300万円が動く」
「しかし、試験に合格していた人間を落とすのは許せない」
「逮捕されたのは、二宮政人、江藤勝由、浅利幾美、矢野哲郎、矢野かおる」
「皆、悪い顔をしている」
「もう一人、まだ逮捕されていない県教育委員会・審議監の富松哲博がいる」
「あの富松は悪党だな。彼が逮捕されるかどうかで事件の真相が分かる」
「徹底的に膿を出して、2度とこんなことが起きないように関与した者は逮捕し、懲戒免職だ」
「矢野の娘は今週から小学校に出てきていない。両親が逮捕されて、点数改ざんがはっきりしているから辞職しかない」
「試験制度を透明性のある方式に変えないと、再発の危険性がある」
山本モナ事件。
「サッカーのキングカズとの不倫を追っかけていたけど、そこに巨人の二岡と矢野がはまり込んできたから驚いた」
「ここから目と鼻の先のゲイバーで朝の4時半まで飲んで、タクシーの車内でディープキスして、ホテルでは何もありませんでしたという否定FAXをモナは各社に入れたけど、誰も信じないよね」
「そのままラブホに入ったら、もう止まらない」
「誰にも止められないな」
「モナは不倫が好きだね。男無しでは一晩でも過ごせない。性欲がスカートはいて歩いている女」
「前は民主の細野で、今度は巨人の二岡、カズはパパラッチがマークしていたけど、当分モナは謹慎だからフリーだな」
「今後のモナは?」
「難しいな、もうキャスターは致命的にアウトだし、お笑い系に戻るしかないけど、今度は誰にでもさせる女に見られるから、少し立ち位置が変わってくるね」
「彼女、学習院だよね? そしてフランスとのハーフ、たけしも今後の売り方が難しいな」
「いっそ、たけしの愛人にしたら」(笑)
「山本モナを改名して二岡モアとか」
「二岡は反省として頭を丸刈りにしたらしいけど、それじゃ、ほんとはやりました、という証明だな。来季は矢野と一緒にパリーグへトレードか」
欲望の街・新宿。エアコンの熱気を外に吹き出して、お店の中からはカラオケと嬌声が聞こえてくる。モナと二岡が朝方まで飲んでいたゲイバー「R」。酒に飲まれ、性欲を剥き出しにした男と女はもつれるようにしてタクシーに乗り込んだという。獲物を狙うワンボックスカーがそれを追跡した。そのワンショットで今回は500万円の金が転がった。望遠レンズでタクシーに狙いを定める。来たァー。無我夢中で連続自動シャッターだ。少し興奮気味に彼は顔をほころばせた。新宿の豹。孤独な狩人になって、誰も褒めてはくれぬヤクザな仕事だ。
また今日も新宿は眠らない。