武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

新宿酒場 ロン 12・26

2008年12月27日 | 人生の意味
新宿酒場 ロン (12・26)
島、絵美、銀さん、洋子ママが、今年最後の勢ぞろいだ。
「今年は、大変な年だった。来年も凄いことになるぞ」
「リーマンで43兆円の金が一瞬でなくなった。 分かり易くいえば、日本の野村など足元にも及ばない世界の大企業であったリーマンを信用して、日本、中東ドバイ、欧州、中国、韓国その他の国がリーマンにカネを預けて投資していた。それが全部パーになった」
「実体経済を動かしている金が無くなった」
「日本など、その片棒をかついで、本来、日本国民に還元すべき利息をゼロから0.5%の超低金利で巻き上げて、世界中にカネを貸し付けていた。しかも、戦後最大の利益を上げていた日本のメガバンク3行、三井住友、三菱、みずほ銀行などは1銭の税金も払っていない」
「財務省と日銀の失政だ。だから他の国が5%から2%へ下げても、日本はコンマ台の金利しか下げられない」
「アメリカはゼロ金利にした。それほどアメリカはひどい。あのビッグ3が破綻寸前だ。年が明けたら、GMとクライスラーの合併、あるいは破綻もありうる。好き嫌いは言ってられない」
「しかし、今週、トヨタは突然1500億円営業赤字の発表をしたのは驚いた」
「あれはトヨタの大本営発表だ。トヨタの一人勝ちではトヨタも困るから、先手を打って、1500億円の販売赤字見込みを発表した。しかも、それは来年の3月決算の予想であって、確定した訳じゃない。それでも純益は500億円の黒字だ。恐らく、確定決算では数千億円の営業黒字でしたと発表するさ」
「そういうことだな。アメリカのビッグ3が、倒産するかどうかと言っている瀬戸際で、トヨタは6千億円の営業黒字で、笑いが止まりませんとは言えない」
「もし、そうであれば、アメリカも黙っていない。色々な面でトヨタに圧力をかけてくる」
「例えば?」
「ハイブリッドカーのアメリカ生産の本格化。今、トヨタは全米に20の工場を持っているが、それを30,40に増やす。つまりトヨタをアメリカ企業にする。あるいは、GM,フォード、クライスラーと合併をさせる。名称はGMトヨタでどうだ」
「困るのは、日本の雇用だ、トヨタがこれ以上アメリカに行ったら、日本の空洞化は決定的だ。日本の自民党政治家や官僚なんか何もできない」
「つまり、日本は第三の敗戦を迎えることになる」
「日本空洞化の本格化か。恐ろしいな」
「対策案はどうする?」
「少し過激に言えば、自民党政治ではもう駄目だ。また官僚も解体し、根本的に改革しなければ日本の5年後は3流国家になる」
「トヨタは日本の産業の10%に関わっている。トヨタがいなくなれば日本は沈没だ。国家経営を考えるべき自民と官僚は既に死に体だ」
「日本人はお人好しで、利権政治家と腐敗官僚に統治されている羊みたいなものだから、アメリカの喰い物にされる」
「トヨタは今、政治的弱小国の日本にあって、アメリカ、そしてオバマとどのように折り合っていくか頭を悩ましているところだろう。オバマの組閣を見ていると、アメリカの支配階級に気をつかっているのがよく分かる。第二のケネディーにはなりたくない。白人支配階級の意向を尊重するスタンスだ。そういうアメリカのエスタブに食い込める人材とロビイストをトヨタはどう使うかだ。決して日本の政治家や官僚ではない」
「2009年は、激動の年になる」
★飯島愛。
「やっぱり、驚いたな」
「事故?それとも自殺?」
「ほとんど自殺だね。死んでもいいと思って、睡眠剤と精神安定剤を飲んだ。そして結果的に死んだということさ」
「もう生きる気力がなくなった。希望がなければ人間は生きていけない」
「だけど、ネットショップを開くとか言っていたのに」
「それはない。そういう話はあったと思うけど、実際のビジネスにはならなかった。あるいは騙されたということじゃないかな」
「クリスマスに愛ブランドのコンドームとかアダルトグッズをネット通販すると宣言したのに、司法解剖の結果、死後1週間は経っていることが分かった。つまりビジネスパートナーは、飯島愛に何も連絡しないで1週間放置していたということだ。この仕事は飯島愛一人ではできない。誰かに裏切られて生きる希望を失って薬を飲んだということだな」
「病気は?」
「エイズ?」
「もう死んだ人間だから、そこまで暴くのはよそうぜ。彼女は、一人寂しく、最上階のマンションから、渋谷と六本木の華やかなネオン街を見下ろしながら、荒野の孤独感の中、絶望の淵に立たされて、その人生に終止符を打った」
「それで充分だ」
「こういう道、ああいう方法があったと言えるのは、健康な人達だ。肉体も心も病気に侵された人間にとって、死への扉を開けることが、救いの道なのかもしれない」
皆が押し黙った。洋子ママは、静かにマイクを持って歌い始めた。
「明日に架ける橋」
When you're weary
Feeling small
When tears are in your eyes
I will dry them all
I'm on your side
when times get rough
And friends just can't be found
Like a bridge over troubled water
I will lay me down
あなたが弱り果て、寂しく震えているとき
あなたの目に涙があふれるとき
私はあなたを抱きしめ
あなたの涙を乾かしてあげよう
私はいつもあなたの傍にいるよ
時代が荒んで、友が見えなくなったとき
あふれる川に架ける橋のように
私はあなたにこの手を差し伸べよう
(訳詩:じゅうめい)
コメント
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