昨日の田原のサンプロ。
★ 与謝野馨と藤井裕久。
与謝野は前々回の衆院選落選が痛かった。あの時、当選していれば小泉さんではなく、与謝野が総理になっていただろう。そして昨日、番組の中で咳をゴホンゴホンとさせながら喋っていた。半病人の与謝野が日本経済を仕切っている。今の日本と自民党を象徴しているかのようだ。まあ、いずれにしろ8月30日には与謝野も政界引退だ。
さて本題だが、2009年度補正は狂気の予算だと元大蔵大臣の藤井は論破した。本予算が成立直後の4月に14兆円の補正を組むなど自民党と財務省の暴走だ。麻生は麻生企業を助ける為に大借金をこさえ公共事業につぎ込んだ。財務省は定額給付金の倍に当たる4兆円の官僚基金を貰った。これは自民党の焦土作戦ではなかったか。民主党が政権を取っても、秋以降の補正が組めるか、あるいは予算の組み換えが必要だ。昨日、藤井がばらしたように、予算には官庁の豪華建物を作る公共事業費が隠されているのだという。今や、公共事業は景気対策にならないことは、経済学者の定説になっている。それでも、それを無視して自民党が強行した理由は、建設土木会社から平均3%のリベートが政治献金という名目で懐に入るからだ。小沢一郎の政治献金が億単位であることを自民党は囃し立てたが、小沢一郎の政治献金額は政界においては61番目にしか過ぎない。合法的リベートを禁止すれば、日本は10倍よくなる。
さて、戦後の自民党は殖産興業に力を入れた。一例を挙げれば、戦後のプラスチック産業だ。国は地方の有力者に事実上無償で資本融資を行い、機械を購入させ、工場を作らせた。これが産業を発展させ、地方には地元大学、高校新卒の雇用を生み出し、技術発明が生まれ、地方の一企業が世界企業に羽ばたく事例も少なくなかった。ところが今では、そういう殖産興業ではなく、道路工事、ダム工事、役人庁舎のゼネコン利権が目に付く。どこの田舎に行っても、警察署や市町村庁舎、公会堂ホールは豪華箱物になっている。しかし他方、地方は工場が消えて、地元大学、高校生の就職先がない。
★各党の製造派遣の取り組み。
次のコーナーは製造派遣問題。同一労働、同一賃金がキーワードであったが田原は理解に苦しんでいた。しかし、製造派遣の問題の本質は、企業が「仕入れ部品費としての派遣労働者」の首を、企業の都合で随時、切れるかどうかなのだ。それを是とするのか、否定するのか、あるいは安全ネットをどうするのか。その議論が自民党と官僚の間で先送りされてきた。自民党は産業界からの強い要請を受けて、製造派遣を認めたが、安全ネット、つまり失業保険、住居問題の生活保障を全く考えていなかった。だから派遣村が出現する。
その一方、大企業は史上空前の経常利益を上げ、内部留保を1兆円単位で蓄えていながら派遣ワーカーをゴミのように捨てた。
さらに、月6万円以下で年金生活をしている老人からは、介護保険料を天引きで徴収し、その他の税金を、むしり取るように巻き上げていながら、一方、三菱、三井住友、みずほのメガバンクからは、一円の法人税も徴収していないという現実がある。
★財務省が先週の24日に驚くべきことを発表した。
国債の発行残高と負債(借金)は、977兆円になったという。さらに驚くことに、米国の国債と貸付金(不良債権)の損失額が9.6兆円になった。
官僚による米国と国内の株式投資の損失額が10兆円に達することと見事に符号する。財務官僚と自民党は、ガバナンス能力を失った、パンツをはいた猿ではないのか。
(ムラマサ、鋭く斬る)