★原発クライシス。
東大教授の諸葛宗男や東工大教授の鈴木正昭が慌て始めた。
低濃度とはいえ、大量の放射能汚染水を海に廃棄するということは「緊急避難」という言葉で補償されるのか。
太平洋の魚は食えなくなる。そして国際社会から非難されて当然だ。
先日、本ページにおいてマーフィーの法則を取り上げ、その定義を「危機的状況にあって、その危機を脱しようとする試みは、ことごとく失敗する」と、述べた。
それでは、なぜ失敗するのか、その理由は明瞭でなく不可解なところがある故、マーフィーの法則と呼ぶのだが、本ページの見立ては、「危機的トラブル・シュートをするには、思いつきとか奇策を用いてはならない。奇策を用いれば失敗する」。
急がば回れ、あるいは正面からの正攻法だな。
★ノーベル物理学賞の米国エネルギー省のスティーブン・チュー長官(63)。
4月1日、「詳細なモデリングの結果、福島原発のひとつの原子炉(3号機と思われる)の圧力容器は70%損傷しており、別の原子炉の核燃料棒は(4号機と思われる)33%が溶融していることが分かった」。
つまり科学的断定だな。本ページの分析と同じだ。
本ページは水素爆発が3月12日に起こった直後、メルトダウンの開始を告げたが、菅直人、枝野幸男、原子力保安院は、「大丈夫だぁ」、「直ちには健康に被害を及ぼさないアル」、さらには細野豪志に至っては4月3日、「メルトダウンの危機は脱した。今は、落ち着きを取り戻しているニダ」。
こいつらは何を口から出まかせを吐いているのか。まるで口蹄疫の豚のヨダレと同じだな。このままでは東日本は壊滅だぞ。
★米国とフランス。
日本の代わりに知恵とソリューションを考えているという。この種のクライシス対応能力は欧米が強い。
日本人は改善する力は抜きん出ているが、改善以上の独創力と決断力がない。
だから改善は「カイゼン」という英語になっているが、独創とか決断という言葉は英語にはならない。
そういえば「津波」は「ツナミ」という英語になっているほど、津波は日本にとって自然の脅威だが、原子力専門家は想定外という言葉を用い「ツナミ」という言葉を知らないらしい。
★福島原発。
原発容器に水をジャブジャブかければかけるほど、放射能で汚染された水を外部や海に排水している。
本来の水冷却システムを回復させ、再立ち上げを狙っている訳だが、3号機のグニャグニャに溶けたように折れ曲がった建屋鉄骨を写真で見ると、本体容器に接続されている水配管は既に破壊されていると判断するのが正しいジャッジだ。
だから電源回復、配線修理がなされたところで冷却システムは動かない。なぜなら水配管の修理は事実上、不可能だからだ。
高濃度の放射能と放射線、つまり恐怖のプルトニウム、ストロンチウム、中性子線、コバルトのガンマ線などによって被曝すれば、即死か瀕死の重傷に陥ることは、明々白々。
だから空中投下、あるいは生コン注入機(キリン)などを使用して、大量の冷却材を注入散布、同時に鉛、タングステン鋼などの放射線遮蔽材を投下、そしてコンクリートで固める石棺化を、いますぐ、しなければならない。これが緊急避難だ。
但し、あくまでも緊急避難であり、まず放射能の放散を抑えることが先決だ。それから時間をかけて本格的な放射能封じ込めをやる必要がある。
このままでは東北は壊滅するばかりか、放射能は関東平野に襲いかかり、東京も死の灰で覆われる。
その前に、菅直人を官邸から叩き出せ。
こうなったら谷垣しかあるまい。周りを切れ者で固めれば、クライシスを脱する。
★冷却。
原発に水冷却とは、すいぶん考え方が古いな。
水冷、空冷という冷却方法があるが、これ以外にもヒートパイプ式というものが存在する。私の記憶に間違いなければ米国航空宇宙局NASAが開発し、その特許を米国民間企業が商品化したものだ。
元々はヒート(熱)と呼称した通り、熱伝導の金属パイプなのだが、その特徴はヒートパイプを加熱する熱源が少なくて済み、しかもハイスピードで遠い距離まで均一な熱を運ぶという優れもの。
そしてそれは加熱以外に、クーリング(冷却)にも採用されている。
それを独立回路で冷却すれば、冷却回路が全滅するということはない。
★海洋汚染。
これだけ放射能が海に漏れ出して、太平洋の魚は食えないな。
3月30日には原発から30キロ沖合でセシウムが1リットル当たり8.5ベクレルを記録したという。
8.5ベクレルと言われても、チンプンカンプンだが、危険な匂いは肌で分かる。
さて、茨城県沖で採取したイカナゴから1キロあたり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたという。
これからの旬、カツオはアカンな。
★気象庁とSPEEDI(スピーディ)。
日本の気象庁は、福島原発から出た放射性物質の拡散予測を連日行っているのだが、官邸はその情報公開をしていない。(枝野はやると言い始めたが遅い)
ところがドイツとノルウェーの気象機関は日本の気象庁の観測データに基づいて独自に解析し、放射性物質が拡散する動画を連日、日本の為に公開している。
データをスーパーコンピューターに入力し、放射性物質の飛ぶ方向や広がりを予測しているそうな。
一方、日本には原子力事故時に放射性物質の飛散予測を行う「SPEEDI(スピーディ)」というシステムがあるのだが、官邸は、この情報も公開していない。
菅直人、本日も国民に嘘をつき。
(ムラマサ、鋭く斬る)