原発のことを学べば学ぶほど気持ちが暗くなる。
日本全国にある54基の原発のほとんどが、パンク状態に陥っているのだと、広瀬隆は警告する。その悪い意味での集大成が青森・六ヶ所村にある使用済み核燃料の墓場だという。
M7級以上の地震によって真下を走る活断層が動き、冷却装置が破壊されれば、爆発、大量の放射能飛散を引き起こし、青森1県どころか日本全国が壊滅に至るだろうと予測する。日本全国ということは東アジア全般に影響を及ぼす。
何しろ核燃料が4千発も地下に保管され、それは百年単位、千年単位、万年単位で冷却を継続しなければならない。
そしてその使用済み核燃料は毎年、大量に吐き出されるが、六ヶ所村は既に満杯状態であり、各原発は福島原発と同じように、原子炉の上に水プールを作って、冷却している。その対策も長い所で10年、短いところで3年しかもたない。
★飯館村の牛と豚。
福島の飯館村は日本の原風景のような美しい村だった。
しかし日曜日の朝(4・24)、TBSがあるビデオを10秒ほど流した。
あるグループが飯館村に入り、牛が飼われている牛舎を映した映像であった。
生きていたのは約30%、しかも何事が起きたのかという不安げなまなざしをした、やせ細った牛たちが寄り添い、他の70%の牛たちは地面にへたりこみ、死んでいた。
豚も同じだろう。
これは損害賠償の問題ではない。
生きる人間と家畜への冒涜だ。
もう原発は止める。
★ドイツのメルケル首相。
先日も書いたが、ドイツは日本の原発トラブルを見て、ドイツにある原発の全廃宣言を出した。
例えていえば、日本でジャンボ旅客機が墜落したからといって、他の国が飛行機を飛ばすことをやめる、ということはあり得ない。
しかし原発ではそういう思考法になるのだ。
それだけドイツも、日本のことながら骨身に染みたということではないか。
(ムラマサ、鋭く斬る)