その日の朝も ノンノンは うつ伏したまま 苦しそうな息遣いをしていました。餌を食べなくなって3日目、かすかに反応するものの うつろな表情でした。午前9時 出来るだけ 体を動かさないように 大きめの段ボール箱に横たわらせて 動物病院に連れて行き 点滴、注射を受けましたが 診察台上の 瀕死の様態のノンノンに 獣医師曰く 「もはや 病院に連れてくること自体 大変な苦痛になっているはず。ここに至っては 何もせず 自分の家で ただ 静かに見守ってやることが むしろ ノンノンのためである」等と 諭されました。家に戻ってからは 床に敷いた毛布の上にうつ伏して やや息遣いが収まったようにも見えましたが ほとんど 動かなくなりました。
午後になって 起き上がり ヨタヨタした足取りで 台所のテーブルの下、玄関のタイル、事務室の床、廊下 等々 転々と さまよい うつ伏せるようになりました。死期を悟り 死に場所を選ぼうと 最後の力を振り絞っていたのかも知れません。そして 和室のテレビ台の前の畳の上で力尽きたのか うつ伏して動かなくなりました。1時間あまり 苦しそうな息遣いをしていましたが 2012年6月28日 午後4時45分 穏やかな顔のまま 静かに眠るように 息を引き取りました。我が家の三毛猫 ノンノン、満19歳、天寿を全うし、永眠。その和室は 1993年6月20日 生後1ケ月半で 我が家にやってきたノンノンが 恐る恐る 第1歩を踏み出した部屋でした。
合掌