たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

葉室麟著 「秋霜」

2024年04月30日 22時14分27秒 | 読書記

図書館から借りていた、葉室麟著 「秋霜(しゅうそう)」(祥伝社)を 読み終えた。本書は、著者創作の架空の小藩、九州豊後の「羽根藩(うねはん)」を題材にして描かれた長編時代小説「羽根藩シリーズ」の第4弾の作品である。先日、すでに、第1作「蜩ノ記」、第2作「潮鳴り」、第3作「春雷」を読んでいるが、さらに、第5弾「草笛物語」が有り、引き続き読んでみたいと思っているところだ。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。


▢目次
(一)~(三十)

▢主な登場人物
草薙小平太(くさなぎこへいた
千々岩臥雲、玄鬼坊、
楓、おりう、善太、幸(こう)、勘太、助松、おみつ、弥々、
三浦兼清(羽根藩前藩主、長闇)、三浦兼光(羽藩藩主
児島兵衛(羽根藩筆頭家老)、墨谷佐十郎、
播磨屋弥右衛門、
鶴見姜斎(つるみきょうさい)、

▢あらまし等
読み始めてすぐに気が付いたことだが、「羽根藩シリーズ」の、第1作「蜩ノ記」、第2作「潮鳴り」、第3作「春雷」は、舞台は、同じ羽根藩であっても、それぞれ、時代がずれていて、登場人物も異なっていたが、第4作の「秋霜」は、第3作「春雷」の続編の形になっている。
「春雷」の最後で、主人公の多聞隼人が本懐を遂げるが、「秋霜」は、その隼人の死後3年が経過した時期から始まっている。「春雷」を読んでいなくても、独立した作品として読むことも出来るが、当然、登場人物も重なっており、「春雷」を読んでから読んだ方が、よりストーリーの繋がり、味わい、奥行きが広がるように思われる。
隼人の本懐が元で、隠居させられた羽根藩前藩主三浦兼清(長闇)の恨みつらみ、羽根藩取り潰しを図る幕府の巡見使が羽根藩に入る前に、過去の事件の全てを葬りたい筆頭家老児島兵衛の陰謀。欅屋敷に残った、隼人の関係者、楓(かえでおりう千々岩臥雲善太勘太助松等の子供達、隼人に心服した修験者玄鬼坊に襲いかかる危機・・・。

本書は、「どこまでも澄みきった秋空が広がっている」という一文、一見武士風だが帯刀無し、赤樫の木刀だけ腰に差した小柄な若者草薙小平太が、大坂からの船で豊後羽根藩の下ノ江の湊に降り立つシーンで始まっている。小平太は、大坂の白金屋太吉(おりうの夫)の紹介状を持参しており、欅屋敷に住み付くことになるのだが・・・。
実は、小平太は、ある使命を帯びており・・・。
欅屋敷の住人達と心が通い合い、過去の事件の真相を知り、小平太の意識の転換とその行動を描いた作品だと言えるのではないかと思う。
さらに、手段を選ばない非情な筆頭家老児島兵衛にも見事な信念と生き様が有ったのに対し、「春雷」で、隼人が失望した前藩主三浦兼清は、徹底的に愚弄な前藩主、羽根藩の厄介者、癌的存在として描かれている。
危機が迫った欅屋敷の住人、楓、おりう、善太、幸、勘太、助松、おみつ、弥々、それに、鶴見姜斎、玄鬼坊を、領外脱出させるために、千々岩臥雲は?、小平太は?

  「楓様・・・・・」
  小平太は、楓の目を見つめた。
  「ともに生きて参りましょう。そうすれば、やがて心の内にも春がめぐって参りましょう。
   草薙様ならば、わたしのもとから去っていた春を呼び戻してくださると信じております」
  楓の言葉を聞いて、小平太は慟哭した。
  自分は報われようとしている。
  「山霞が、早春の風に吹き流されていく」
 
本書は、秋空の表現で始まって、早春の表現で、終っている。


ゼンテイカ(禅庭花)・ニッコウキスゲ(日光黄菅)

2024年04月30日 14時36分36秒 | 爺さんの備忘録的花図鑑

昨日の早朝散歩・ウオーキングの途中、やたらカシャ、カシャ撮ってきた花の写真の中に、花壇で見掛けた黄色の写真が有った。
「ニッコウキスゲ」に似ているような気がしたものの、花名知らず分からずで、毎度のこと、「君の名は?」だったが、スマホの無料アプリ「GreenSnap」の「調べる」で、「花名、教えて下さい!」したところ、早速、コメントで教えていただき、正式名称は、「ゼンテイカ」、通称では、「ニッコウキスゲ」でも、良いということが分かった。
「ニッコウキスゲ」だったら、これまで、山歩き等で、結構見ており、高山植物として認識していたものだが、まさか、平地の花壇で?、
「ゼンテイカ」等という花名を知ったのも、今回初めてのこと、
「へー、そうだったの?」・・・、目から鱗・・・・、
またすっかり思い出せなくなる前に、ブログ・カテゴリー「爺さんの備忘録的花図鑑」に、書き留め置くことにする。
草花に詳しい人からは、「なーんだ、そんな花も知らなかったの?」と笑われそうだが、爺さんにとっては、新情報、新知識。
後日、完全に忘れてしまった頃に、確認したりするのに役に立つ存在になる。花名を調べたり、知ったところで、ナンボになる分けでも無しだが、脳トレ、ボケ防止の一助になるかも知れない等と、勝手に思い込みながら・・・


昨日 2024年4月29日、散歩・ウオーキングの途中に、花壇で見掛けた「ゼンテイカ」

2012年8月22日、石川県の「白山」を訪れた時に撮っていた
「ニッコウキスゲ」

2008年7月20日、北陸の実家に帰省した際、途中で立ち寄った
長野県の「小遠見山」で撮っていた「ニッコウキスゲ」

2007年8月13日、北陸の実家へ、お盆帰省した際に、途中立ち寄った
長野県の「栂池自然園」で撮っていた「ニッコウキスゲ」

11

1999年8月1日、妻と次男と3人で、長野県の「爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳」を訪れた時に、
撮っていた「ニッコウキスゲ」

 
1995年8月8日、妻と二人で、長野県の「蝶ヶ岳~常念岳」を訪れた時に、
撮っていた「ニッコウキスゲ」

かれこれ40年前、長男、次男がまだ小学生だった頃、家族4人で、「尾瀬沼~尾瀬ヶ原}を
訪れたことがあったが、その時に
撮っていた「ニッコウキスゲ」、
草花に超疎い人間、その時、初めて、「ニッコウキスゲ」を知ったのだった。


ゼンテイカ(禅庭花)・ニッコウキスゲ(日光黄菅)

ツルボラン科(ユリ科)、ワスレグサ属、多年草、
       正式名称は、「ゼンテイカ(禅庭花)」だが、一般的には、栃木県の日光地方に
       多く自生していることから名付けられた「ニッコウキスゲ(日光黄菅)」と
       呼ばれている。
原産地・分布 日本、中国、朝鮮半島、東シベリア、
       日本では、主に、本州中部以北の標高1,000m以上の高山地帯に
       自生している。東北地方や北海道等では、海岸の近くの平地にも自生している。
草丈 40cm~80cm、
花色 黄色、
開花時期 5月頃~8月頃、
花言葉 「日々新たに」「心安らぐ人」


 


キエビネは、まだまだ元気?

2024年04月29日 20時41分56秒 | 暮らしの記録

「キエビネ、まだ咲いてるヨー!」
「花と庭の係」の妻から声が掛かった。
4月の中旬に、キエビネと、ジエビネが、ほとんど同時に満開になったと、
ブログに書き込んでいたが、
ジエビネの方は、そろそろおしまい。
キエビネの方は、まだまだ元気のようだ。
半月以上も、咲き続けている?


爺さんの備忘録的花図鑑「キエビネ」
👇️
こちら


放ったらかしの猫額庭の玄関前で、ほとんど1年中、ボチボチ花を咲かせる、
チロリアンランプ(アブチロン)、
この時期にも、しっかり咲いている。


爺さんの備忘録的花図鑑「チロリアンランプ(アブチロン)」
👇️
こちら


 


ジャガイモに追肥、土寄せ、他

2024年04月29日 18時25分12秒 | 畑日誌(見様見真似の野菜作り)

当地、今日の天気予報は、「晴」・・・だったが、
午後には、曇り出し、天気下り坂、
明日、明後日は、「雨」マークも付いている。
今日、やるっきゃないか・・・。
午後になって、Go To 畑! と相成った。

(1)ジャガイモの畝の 草取り(草抜き)、芽かき(2本立ち)、
   追肥、土寄せ、水やり、
   先日、イノシシが、2回、3回、立て続けに出没し、
   3分1程が穿り返され、植え直しをし、
   有り合わせのネットで覆って、応急イノシシ対策をしていたが、
   その後は、出没した形跡が無く、今のところ被害が出ていない。
     イノシシは、忘れた頃にやってくる
   まだまだ油断出来ないが、
   植え直しした方も、発芽し始めており、
   無事だった方は、順調に生育しており、
   今日は、芽かき(2本立ち)をし、
   追肥、土寄せ、水やりをし、
   イノシシの猛攻?に、どれほど効果有るかどうか分からないが、
   改めて、ネットで囲ってみた。

(2)ダイコン、片付け、
   すでに、茎、葉が伸び放題、白い花が咲いていたダイコン数本、
   やっとその気になり、すべて引き抜いて、片付けた。
   今年のダイコン、
   未だに、完全には腐ったり、スが入ったりしておらず、
   一部分ではあるが、ウチ用の食材になるから不思議なことだ。

(3)キュウリ、ナス、トマト、ミニトマト、ゴーヤ、シシトウ、ピーマン等
   夏野菜に水やり。

なんだかんだで、3時間程掛かってしまい、
足、痛!、腰、痛!、 
まだ、やること有りだが、今日はこれまで・・・。
やれ、やれ、
  

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爛漫の花に誘われ歩数伸び

2024年04月29日 10時35分57秒 | 散歩・ウオーキング

4月29日、月曜日、
今日は 何の日?
子供の頃から、「4月29日=天皇誕生日」と記憶してしまっている昭和人間、
未だに、「天皇誕生日」、あるいは、「みどりの日」等と、うっかり答えてしまいそうだが、
今日は、国民の祝日「昭和の日」である。

当地、今日の日の出時刻は、4時52分頃、
因みに、日の入時刻は、18時27分頃で、日長時間は、約13時間35分のようだ。
天気予報は、「快晴」
爽やかな早朝、ちょこっと近くを歩いてきた。
  君の名は?花に尋ねつ爺散歩
  爛漫の花に誘われ歩数伸び
スマホの歩数計で、約7,000歩。

スズラン

 

君の名は?

シラー・ペルビアナ(オオツルボ)

 

ハナミズキ

チョウジソウ

 

君の名は?

       ユウゲショウ             ヘラオオバコ

 ヘ

ムラサキハナナ?

        君の名は?              ルピナス?

 

     ムラサキツユクサ(紫色)?       ムラサキツユクサ(白色)?

 

         ヒナギク                 キンギョソウ

 

カナメモチ

 

      シャクナゲ?             君の名は?

 

ツツジ

 

君の名は?

       ナルコユリ?               ヒルザキツキミソウ

 

ハルジオン?

 

 

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脳トレのつもりで捻る五七五 2024年4月

2024年04月28日 08時54分28秒 | 川柳・俳句・五七五

「OCNブログ人」で初めてブログを始めた2011年頃までは、「川柳」にも、まるで興味も関心も知識も無かった気がする。どちらかというと、ユーモアセンスゼロ、頭カチカチ、まるで面白みの無い人間、それまでイメージしていた「川柳」は、程遠い存在だと思っていた。それが、ブログを開設して数年後のある時、新聞を読んでいて、「川柳人気急上昇」「初めての川柳」等という記事が、何故かふと目に止まり、「なんだか、簡単そう?、面白そう?・・・・」、「もしかしたら、頭の体操に、いいかも?」等と思い込んでしまい、「川柳とは?」も分からないまま、とりあえず、「五七五言葉並べ遊び」を始めたのだった。当然、「川柳」等と言えるものでなく、自己満足だけのものだったが、今から5年前頃のこと、相互ブログフォロワー登録している方から、お声掛け、お誘いを受けて、恥も外聞もなく、そんな拙句、駄句を、投句してしまうことにもなってしまった。結果、何も分からなかった「川柳」の世界をちょこっとでも覗かせていただき、多くのことを教わってきたような気がしているが、所詮 「川柳」の才能等、まるで無しの爺さん。スタンスは、出題されるお題に対して、締め切り日までに、錆びついた老脳をギシギシ動かし、言葉を捻り出し、五七五に紡ぐという過程が、ある種、脳トレになっているに違いない、ボケ防止に多少は役立つかも知れない等と、勝手に思い込んで続けていることだと思っている。その出来不出来に関わらず、四苦八苦して?生んだ「川柳」(川柳もどき)、忘れてしまわない内に、ブログ・カテゴリー「川柳・俳句・詩」に、書き留め置くことにしている。


脳トレのつもりで捻る五七五 2024年4月

団栗

お題「やさしい」
  猫と俺呼ばれる声音(こわね)天地の差
  叱るにもやさしさ籠もる母の声
  他所(よそ)の子に優しく声掛け出来ぬ時代

お題「スミレ」
  面影は野に咲くスミレだったのに
  コンクリの隙間でスミレど根性

お題「散る」
  いつか散る覚悟が今日も花咲かせ
  校舎跡桜ポツンと咲いて散る
  言ったよね聞いてないよで火花散る
  姥桜(うばざくら)何度散っても返り咲く

お題「シングル」
  亡き夫(つま)の願い叶える能登の旅    (天空選・ここせん「佳作」)
  八十路坂越えたあたりで一人旅
  コロナ以後一人カラオケ堂に入り

折句「さ・く・ら」
  匙(さじ)を投げ悔やむのあなたらしくない
  叫んでも苦しい思い楽ならず

折句「か・す・み」
  片想い好きと言えずに身を焦がし
  勝たなけりゃスポーツ欄も見る気無し


 

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30勝2敗?

2024年04月27日 21時19分54秒 | スイミング

4月第4土曜日、
世の中は、大型連休スタートの日である。
毎日が休日の後期高齢者には、大型連休も、小型連休も、
「そんなの関係なーい!」であるが、
今年もあっという間に、この時期になってしまい、
加齢と共に時の過ぎ行く速さが加速しているようにも思え、
愕然としてしまう。

当地、今日は、朝の内、細かな雨が降ったり止んだりしたが、
午後には、薄日も射したりで、「曇」の1日だった。
早朝散歩・ウオーキングをした後は、
キョウヨウ無し、キョウイク無し、
(今日は、特に用事も無く、行く予定も無し)
体調イマイチ、身体、重ーい、怠ーい、だったが、
いかん、いかん、
こんな日こそ、泳いで来るべし・・、
やおら、重い腰を上げ、
19時~20時、スイミングクラブ成人クラスレッスンに出席、
先程、帰ってきたところだ。


今日は、ベテランのE指導員によるバタフライ中心レッスンだったが、
欠席者多数、M4グループ、女性5人、男性3人、だけ。
2レーン使用、1レーン 4人、
疲れ果てて帰ってきたところだ。


年初に、今年の目標のひとつとして、
若い頃からの持病の腰痛対策、リハビリ的運動と決め込んで続けている、 
「週2回、月8回のスイミングスクール、出来る限り休まないこと」等と、
ブログにも書き込んだものだったが、
4ヶ月経過したところで、
カレンダーでチェックしてみたら、
2回休んだ(サボった)に、留まっている。
何をするにしても、なかなか重い腰が上がらない爺さん、
この調子を続けるためには、
さらに自分を鼓舞?し続けないといけない。
なにか、いい方法が無いか?
ふっと、子供の頃から、新聞のスポーツ欄等で見慣れている、
大相撲の星取り表を思い出した。
成績?が、一目で分かる。
「いいね!」、
「これで行こう!」、
と 決め込んだところだ。

出席した日=⚪️、欠席した日=⚫

1月 ⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️ (8勝0敗)
2月 ⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚫ (7勝1敗) 
3月 ⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚫️ (7勝1敗)
4月 ⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️⚪️ (8勝0敗)

4月末現在、通算、30勝2敗、
果たして、今年の年末、通算、何勝何敗になるかだ。
・・・・・・・・・継続は力なり・・・・・・・・・

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白い花に誘われて

2024年04月27日 09時57分57秒 | 散歩・ウオーキング

当地、今日の天気予報は、「曇」。
早朝、時々、細かい雨が降っていたが、濡れる程ではなく、
ちょこっと、近くを歩いてきた。
  君の名は?花に尋ねつ爺散歩
今日は、白色の花に誘われて、
スマホの歩数計で、約4,300歩。

タツナミソウ?・・・かな?

ツツジ

 

コデマリ?・・・かな?

君の名は?

君の名は?

君の名は?

カラー?

君の名は?

セイヨウオダマキ?

ハナミズキ

オルレア・ホワイトレース?

君の名は?

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「爺さんの備忘録的花図鑑」・「ワ」

2024年04月26日 21時29分16秒 | 爺さんの備忘録的花図鑑

「爺さんの備忘録的花図鑑」

「ワ」

◯ワスレナグサ(勿忘草・忘れな草)    ⇨ 2021.05.10
◯ワルナスビ(悪茄子)          ⇨ 2021.06.25


 


藤原緋沙子著 「雁の宿」

2024年04月26日 16時54分18秒 | 読書記

図書館から借りていた、藤原緋沙子著 「雁(かり)の宿」(廣済堂文庫)を、読み終えた。数年前まで、読書の習慣などまるで無かった爺さん、作家藤原緋沙子についても、その作品についても、ほとんそ知らず分からずだったが、最近になって、相互フォロワー登録している方のブログで知り、読んでみたい気分になり、今回初めて手を伸ばした書だ。
読み進める内に、本書は、著者の長編時代小説、「隅田川御用帳(すみだがわごようちょう)シリーズ」の第1作目であること、現在、18巻まで発刊されていることも分かった。
なんでも、2002年、著者の小説家デビューの作品でもあるようだ。
「雁の宿」を読んだ限りではあるが、なんとなく、以前読み終えた、平岩弓枝著、「御宿かわせみシリーズ」前半の、神林東吾、るい、畝源三郎の活躍、展開、雰囲気にも似たところ有りで、引き込まれてしまった。引き続き、第2作目以降も読んで見たい気になっているところだ。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。


隅田川御用帳シリーズ(一)
「雁の宿」

「隅田川御用帳シリーズ」は、江戸時代、第十一代将軍徳川家斉の時代、松平定信が隠居後、楽翁と呼ばれ、尚も幕政に影響力を残していた時代を背景とした長編時代小説のようだ。
主人公は、「塙(はなわ)十四郎」。築山藩定府勘定組頭の息子だったが、藩が取り潰しになったことから浪人となり、長屋暮らしで生計を立てるのに苦労していたが、ある日、浪人数人に襲撃された元幕閣の大物(実は、楽翁だったが)を助けたことがきっかけで、深川に有る、縁切り寺「慶光寺」の門前の御用宿「橘屋」に雇われることになり、「橘屋」の女将・お登勢藤七、「慶光寺」の寺役人でかって道場仲間だった近藤金吾、北町奉行所与力松波孫一郎等と共に、さまざまな悩みや問題を抱えて駆けこんでくる哀しい女たちを救い守るため、彼女たちにまつわる事件を解決していくという物語である。連作短編構成になっており、読み進め易い気がする。

第一話 裁きの宿
▢登場人物
おたえ・大黒屋儀兵衛、おちか、伝兵衛、おくみ、向井作左衛門、清吉、捨蔵、万寿院(慶光寺の主、禅尼、十代将軍徳川家治の側室お万の方、「橘屋」の女将お登勢は、元お万の方に仕えた者の娘)
▢あらまし
夫の暴力に苛まれて離縁を望むおたえ、おたえを大黒屋儀兵衛に売った父母伝兵衛・おくみの深い事情とは?、儀兵衛の裏の顔とは?、楽翁から呼び出され初対面した十四郎、恐れず解決に当たれ!と、指図されるが・・・。

第二話 鬼の棲家
▢登場人物
お久、おかよ、与兵衛(大工)、波川虎之進(一千石旗本)・兼世、富蔵、熊一、彦三、八兵衛(裏店大家)、
▢あらまし
慶光寺での修行を終え、下げ渡しとなったお久が、三ツ屋から娘おかよに会うため押上村の実家に帰ったが、戻って来ず、お久、おかよ共、行方不明となった。藤七が探索、離縁したはずの大工の棟梁与兵衛は?、与兵衛に関わりの有る旗本波川虎之進の妻女兼世とは?、十四郎が尾行。押し込み事件頻発と与兵衛の関わりは?、十四郎、金吾、北町奉行所が、連携して、与兵衛、おかよ救出と、押し込み一網打尽にする日がきた。


第三話 蝉しぐれ
▢登場人物
お夏、お千代、おあき、清七、末広屋松五郎、佐太郎、柳庵、栗田徳之進(寺社奉行松平周防守家臣、徒目付)、柴田九郎左衛門(御納戸頭)、鬼頭数馬、春月尼(万寿院に使える尼、槍の名手)
▢あらまし

慶光寺の寺役人近藤金吾が、寺に押し入った、殺人剣トンボと遣う賊に斬られ重傷を追い、橘屋で看護される。慶光寺で修行中の、つね、おその、おみの、お夏の誰かを狙った犯行に違いなく、探索開始、元末広屋に奉公してお夏の乳母のような存在だったおあきから、「あれもこれも罠にはまったような気がする」から、末広屋松五郎の裏の顔、周辺を洗い出ししていると、互いに慕い合っていて、お夏を庇って島送りになっていた清吉が島抜けしてきて・・・
  「そうか・・・・それならば、きっと二人も浮かばれる」、
  十四郎は瞑目して手を合わせた。俄かに寺の木々の間から、蝉しぐれが立った。
  それはまるで、葬列を送る涙声のようだと思った。


第四話 不義の花始末
▢登場人物 
土屋伝八郎(田代藩定府お側衆)・綾乃・新一郎、
秋元弦之丞(田代藩江戸勘定方出納掛)、藤堂内蔵助(田代藩江戸家老)、佐々木勘兵衛(田代藩留守居役)
おのぶ、弥助(丸子屋手代)、おたか(橘屋仲居頭)
▢あらまし、
不義密通の疑いを掛けられ命を絶とうとした綾乃、田代藩内の不正横領の真相は?、不義密通をでっち上げ、伝八郎が果たし合いせざるを得ない状況に追い込んだのはいったい誰?
十四郎、金吾、お登勢が、事件の真相解明に乗り出す。
十四郎が金吾に言う。「お登勢殿はいったい、幾つなんだ」、「おぬし、そんな事も知らぬのか。確か二十五になった筈だ」・・・、二人の会話はそこで切れた。
  「おいそこのお二人さん、あの方とか、そのお方とか言わないで、
   俺にも分かるような話をしろ・・・」

  「どうも、申し訳ありませんでした」、
  お登勢はそう言うと、白い細い手を口に当てて、くすりと笑った。
和気藹々のこの3人、これから先、いったいどうなっていくのだろうか。

(つづく)