記憶から完全に喪失していた物が、数年前、不要雑物身辺整理中に出てきた。若かりし頃、若気の至りで、書きなぐっていたと思われる詩の類である。不揃いの便箋やレポート用紙等に、バラバラと走り書きしたような代物で、色褪せてカビ臭い茶封筒に詰まっていた。そのまま、ゴミ箱行きにすれば良さそうな物だが、数十年ぶりに目にして、まるでタイムカプセルを開けるが如く、ある種、感動さえ覚えてしまい、全てを捨て去る前に、「青春の思い出の欠片」として ブログに書き留め置こう等と考えてしまった。後期高齢者の今となっては、気恥ずかしく、冷や汗が出るような、ぞっとするような、拙劣な詩の類ばかりだが、恥じも外聞もなく、そのまんま・・・・。
その中に、色褪せたレポート用紙に、無題で、「X’masパーティー控えて」、「貴女の面影を追う男より」として、走り書きした、詩(もどき)も有った。
日付は、「昭和42年11月16日」と記されており、今から56年も前、独身の頃に、感傷と妄想で書き殴った物で、50数年後に、他人様に公開される等とは、当時、夢にも思わなかった物である。幼稚、拙劣、無茶苦茶、いい加減な詩(もどき)であり、自嘲もしてしまうが、これも又、自分のあしあとの一つと居直って、恥も外聞もなく、ブログ・カテゴリー「川柳・俳句・詩」に、書き留め置くことにした。
無題
(X’masパーティーを控えて)
昭和42年11月16日
この日のために
貴女のために
つたない詩(うた)を贈ります。
もしも 貴方が
夜空のかわいい星ならば
小高い丘に背のびして
少しでも近くにいたい
いいえ 貴方が
花びら運ぶ風ならば
通り過ぎても何んにも言えず
黙って行方を見つめていよう
ああ でも 貴方が
甘くはかない夢ならば
潤んだ瞳を忘れずに
やさしく抱いて眠りたい
貴方の面影を追う男より