M男は 数年前から 気まぐれではあるが 少しづつ 身辺整理、「捨行」を 心掛けている。
基本的に 物を大切にする、もったいない観念の塊のような 昭和人間 M男とて なかなか 思うようには 捗らないのだが。
まして 記憶から完全に消え去っていた物が 図らずも見つかった時等 一種感動さえ覚えてしまい 手が止まってしまうことたびたび。
「米穀通帳」も そのひとつである。
これは 2年程前に 見つけたもの。
やっぱり その時点では 捨てられず 「タイムカプセル箱」に 放り込んでいたものだが 先日 ある方のブログ記事の中に 「米穀通帳」なる 文字を見かけ 懐かしくなり 取り出してみた。
「米穀通帳」は 昭和17年(1942年)、戦時中の日本における 食糧管理制度の下で 米の配給を受けるために発行された通帳、「一般用米穀類購入通帳」の通称。
注意事項、
(1)この通帳は 生活上消費者が 生活上消費する米穀類の配給を受けるために発行されるもので この通帳が無い場合 配給は受けられません。
(2)この通帳は 生活上消費する米穀類以外の米穀類については 配給を受けられません。
(3)この通帳による配給は この市区町村の区域(小売販売業者甲の事業区域がこれと異なる場合には その事業区域)内の小売販売業者甲から配給を受けて下さい。
(4)この通帳は 農林省印その他所定の印の無いものは 無効です。
(5)この通帳は 失っても 原則として 再交付しません。
(6)この通帳は 譲渡、貸与、偽造、または 変造した場合には 食糧管理法その他の法規によって 罰っせられます。
(7)出生、死亡その他世帯人員に異動があった場合には 直ちに 市区町村長に申告して下さい。
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確か 高校を卒業し 一人暮らしを始める際に 市区町村から発行され その後 学生寮、独身社員寮、賃貸住宅、公社団地と 転居する度 市区町村に届け出て 住所変更手続きをしたはずで その都度 「大切なものなので 無くさないように」と 念を押された記憶がある。
寮に入居中は もちろん 自分で米を購入する必要は無いため 「米穀通帳」使うことは無く 所帯を持ってからも 50代位までは 米は 実家から送ってもらったり 帰省した際に 貰って帰ったりしており 実際 「米穀通帳」を 使って 米の配給を受けたことは無かったが 当時 「身分証明書」の代わりにもなる公的書類ということもあって とにかく 大事にしていたような気がする。
昭和44年(1969年)には 自主流通米制度が発足し また 米余り状況もあって なし崩しに 「米穀通帳」無しで 米を購入出来るようになったが 食糧管理法が改正された 昭和56年(1981年)まで 市区町村の 「米穀通帳」発行が 続いていたようだ。
その後 「米穀通帳」は 市区町村に返納するように呼びかけられたものの 絶対義務でなかったため M男のように 保管したままの家庭が多く 後年になって 大掃除や 身辺整理中に 目にすることも 珍しくは無いという。