終戦後の昭和20年代、30年代、一般庶民は まだまだ 貧しい暮らしをしていた。特に 地方の農村部等は 都市部と比べて はるかに貧しく 大きな格差が有った時代だった。
M男は そんな時代に 日本海の夕日が見える 北陸の農村で 少年期を過ごした。
古希を迎えたM男は そんな少年期の 薄れ行く記憶を 手繰り寄せたい等と 考え始めている。加齢と共に なにもかも あやふやな記憶となってしまい 果たして 事実はどうだったのかは 確かめようもなく 自信がない。人は おおかた 昔のことは 美化したり 脚色したりして 「あの頃は 良かった」等と 締めくくる傾向がある。M男の場合も同様、虚実入り混じった 「あの日あの頃」となるに 違いないと思うが 断片的な記憶も 「チリも積もれば山」、思い出せるだけ思い出して 自分史の 1ページ、1コマに 出来れば それでいい と考えている。
気まぐれに、ぼちぼちと。