たけじいの気まぐれブログ

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田辺聖子著 「おちくぼ姫」

2022年06月02日 13時03分40秒 | 読書記

数年前のこと、本棚や天袋、押入れ等に押し込まれていた古い本類を、大胆に整理処分したことが有ったが、その際にも、ふっと、「面白そう?」等と目が止まり、残してしまった本が、結構有った。残してはみたものの、結局は、「いつ、読むの?」・・・、そのほとんどは、本棚や机の横で再眠?、埃を被っている状態だが、6年前、まだ、読書の習慣等、身についていなかった頃に、1度さらーっと目を通し、ブログにも書き込んだことが有った書で、田辺聖子著、「おちくぼ姫」(角川文庫)も、まだ残っている。先日、ふっと懐かしくなって引っ張り出し、何日か掛けて再読してみた。古典等にも疎い爺さん、ネットで調べてみると、10世紀末頃、書かれたといわれる、作者不明の物語「落窪物語」を、田辺聖子が、現代語訳した書だが、多分、妻が若い頃に、読書好きだった義母から大量に譲り受けた本の中の1冊ではないかと思われる。

表紙カバーに記載されている本書「おちくぼ姫」の紹介文

「貴族のお姫さまではあっても、意地悪い継母に育てられ、召使い同然、粗末な身なりで一日中縫い物をさせられ、床が一段低く落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らしている姫君ーーーと言えば、「シンデレラ姫」を思い浮かべることでしょう。姫君と青年貴公子のラブ・ストーリーでもある「おちくぼ姫」は、千年も昔に書かれた王朝版「シンデレラ姫」です。若い読者のために現代語訳された、とびきり面白い物語を楽しんで下さい」

主な登場人物

おちくぼ姫、
源中納言(おちくぼ姫の実父)
北の方(源中納言の本妻・おちくぼ姫の継母)
一の君(おちくぼ姫と異母姉妹兄弟)
二の君(々)
三の君(々)
四の君(々)
三郎の君(々)
典薬の助
左大臣→右大臣(右近の少将の父親)
右近の少将藤原道順→新中納言藤原道順
阿漕(あこぎ)→衛門
帯刀(たちはぎ)惟成、
蔵人の少将
兵部の少輔資親

あとがき「おわりに」で記述されている著者の説明文(参照・引用)

この小説は、少将とおちくぼ姫君との恋愛が大きな流れになっていますが、その時代としては珍しく、少将がおちくぼ姫一人に純愛を捧げている点が、大きな特徴です。さらに、それまでの物語と言えば、上流階級の貴族が主役脇役でしたが、阿漕、帯刀等、中流の召使いや家来が活躍しているのも特徴です。・・・・ただし、おことわりしておきたいのは、原点の「落窪物語」が、巻4まで有る中、ここで書いているのは、巻3の前半くらいまでで、その後は、つまらなくなり、端折っており、物語の一番おいしいところを、私なりに味付けして書いたものです・・・・」

田辺聖子が描く「おちくぼ姫」は、継母にいじめられても、衣装は貧しくみすぼらしくても、決して卑屈にならず、人柄が穏やかで、才気溢れ、縫い物が上手、気配りが上手、全ての人にやさしく、嫉妬もせず、浮ついた考えもしない、そして若くて美人・・という、日本女性の憧れる全てを兼ね備えた女性で、継母北の方への復讐劇部分を割愛、本書は、最後で、まーるく収まるシーンになっている。右近の少将はじめ、登場人物のキャラクターも、結構、ユニークさが有り、随所にユーモアも感じられ、小説としても面白い作品だと思う。


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2 コメント

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クリンさん、こんばんは、 (takezii)
2022-06-02 21:34:55
読書家のクリンさんですので、田辺聖子作品にも、造詣深いでしょうね。読書初心者の爺さん、田辺聖子著の源氏物語、まだ読んだこと有りませんが、いつか読んでみたい気になってきました。
とても、クリンさんの真似は出来ませんが、ブログの書評等、いろいろ参考にさせていただいております。
コメントいただき有難うございます。
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Unknown (cforever1)
2022-06-02 20:29:19
たけじいさま✨わが家にもこれと同じ表紙のがあります‼️
田辺先生は源氏物語もそうですけど、古典を小説化させたら天下一品ですね💖💖💖

クリンより🐻🍀
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