古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ヘイ、オー     鶴岡 卓哉

2020-09-18 07:59:52 | ポエム

いつも着ているオレンジのジャンパー

 

雨の日でも曇りの日でも

 

ママ、何を言ってるのさ

 

いつも歩いてる街のストリート

 

雨の日でも曇りの日でも

 

ママ、そりゃないぜ

 

いつも笑ってる学校の先生

 

雨の日でも曇りの日でも

 

先生、なんで笑ってるのさ

 

いつも腐ってる学校の友達

 

雨の日でも曇りの日でも

 

友達、なんで殺すのさ

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ギター    鶴岡 卓哉

2020-09-17 12:52:43 | ポエム

君は窓辺でギターを掻き鳴らす

 

でも心は空っぽみたいだ

 

空洞の中には何かがあるみたいだけども

 

僕からはほど遠くてわかりっこないんだ

 

僕の心に君の掻き鳴らすギターの音が

 

グサリと突き刺さるんだ

 

君のその一瞬の輝きが僕の心を

 

どうしようもないくらいに描き回すんだ

 

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クスリ通     唐沢俊一

2020-09-16 02:02:37 | 本の紹介

幻冬舎文庫     2002年

 

クスリに関するトリビアを豊富に扱っている。

 

実家が薬屋らしく、子供のころからクスリに触れてきた

 

らしい。

 

批判精神にあふれ、あまりよろしくない健康法などを糾弾

 

しているのがなんとも心強い。正しいことは正しく存在する

 

んである、ということが、普遍性をもって描かれている。

 

マア、ただ単純に読んで楽しいということは、美しいことであ

 

る。

 

カエルを舐めて、クスリの効果で幻覚をみようとするのは、中島

 

らも氏も書いていたし、麻枝光一氏も書いていたように思う。

 

ボクの中ではけっこう有名な話しである。

 

ボクは主治医にあなたはクスリ人間ですね、といわれたほどであ

 

るが、クスリに抗える人間はいないと信じるオレっちだった……

 

合掌。

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週末、森で    益田ミリ

2020-09-13 22:23:52 | 益田 ミリ

幻冬舎文庫     2009年

 

ボクは思うんだけどさア、いつも古本で本読んで

 

いるけど、古本じゃ作家に一銭もいかないんだよ

 

なあ、って。だから、こういう風に書いて、少し

 

でも、返したいって気持ちがあるんだよねえ。

 

で、この本はマンガである。マンガっていっちゃって

 

いいのか、脱力系の、癒し系っていうのかな、けど、

 

はなしは仕事のことだ。仕事はタイヘンだ、それはわ

 

かっておる。

 

ボクはおカネはないけど、ラクしているよなあ。この

 

本にはライフがあるんだよねえ、ほんとに働いてないと

 

わからない、あるある、っていうものがね。人間関係なので

 

あるね、最終的には。

 

ほんとのマンガって疲れちゃうんだよねえ、おれっち。

 

こういう力の抜いた絵なら、重いテーマでも軽く読めるから

 

いいんじゃないんだろうか、なんて思うのだが……合掌。

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奇食珍食     小泉武夫 

2020-09-12 14:41:39 | 本の紹介

中央文庫      1987年

 

いろいろな本で小泉武夫氏の名前を目にし、

 

なかなか読む機会がなかったのだが、今日、

 

奇食珍食を読んでみて、その人間の持つ食欲

 

の深さに驚いた。

 

文章も読みやすいし、わかりやすいので、その

 

食に対する小泉氏の貪欲さにたまげるのみだ。

 

腹もせりだしていらっしゃるし、うまいものを食

 

えばそうなるだろう。

 

一番気持ち悪かったのは、ウジの酒ってやつ。ウジ

 

が酒を飲んでふくらんで、そのかたくなったウジを

 

何匹も小泉氏は口に入れて、プチッと噛むと、口中に

 

ウジの味が広がったという。うへっ、絶対にマネでき

 

ないことをするんだ、このひと、いや、ホントに尊敬

 

しますよ、、、いや、うそじゃないですって、ホントに

 

尊敬してますッて……合掌。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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明日     鶴岡 卓哉

2020-09-11 15:34:07 | ポエム

明日

 

頭上にはたくさんの腐ったような色をしたオレンヂ

 

オレッちの舌の上には信仰をなくした僧侶達の行列

 

アイドルスマイルの廃れたスターのポスターの上にペッとね

 

苦し紛れに手を叩いてみたらなんとかなるさ

 

ヘンなオッサンがオレッちに言うのさ

 

明日になればなんとかなるさ

 

明日になれば死んでるかもしれない、と

 

まあ、オレッちの傲慢な気持ちの裏返しで

 

その言葉も庭の隅っこに埋めさせてもらうぜ

 

犬のマーチの隣りにさ

 

 

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リミット   鶴岡 卓哉

2020-09-09 22:19:07 | 詩・ポエム

リミット  


僕らには残された時間などないのさ

ああ、僕らには生き残るために用意された皿が

血の滴る肉が僕らの大好物なのさ、テヘッ

そうさ、こいつを食い尽くさないと

ああ、残された時間は後わずか

僕らは食い尽くすのに精一杯なのさ

たまにダンスして腹を減らすんだ

シャウトして気を晴らすのさ

思いっ切り食って後はシンとした部屋で眠りに就くだけ

なんせ夢を見られる時間も限られてる

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バターナイフ   鶴岡 卓哉

2020-09-08 14:35:06 | ポエム

バターナイフ      



僕だけが年老いて

バターナイフのように油まみれになり

まるで時間だけが僕を追い越してゆき

老いだけが手元に残り

未来も過去も僕には何の意味もなくなってゆき

僕には痛む胃と頭と歯だけが残されている 

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アジアの困ったちゃん   下川裕治

2020-09-05 15:53:32 | 本の紹介

徳間文庫    2000年

 

20年前に刊行された本で、おもしろいことは

 

おもしろいのだが、背表紙の抱腹絶倒は誇大広

 

告なのでは、余計に興が冷める。

 

タイに詳しい方らしくて、貧乏旅行のことが描いて

 

あって、人もよく観察されているし、読んでいて

 

飽きることはない。アジアかあ、アジアなあ。

 

行かんだろうなあ、と思いつつ、小汚い街に立ち佇

 

んでいるような気分になった。ディープな世界も楽しめる

 

一冊。

 

おばちゃんはどこのおばちゃんも困りものなのだなあ

 

……合掌。

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穴   鶴岡 卓哉

2020-09-04 23:07:04 | 詩・ポエム

穴 



鮮烈で眩しすぎる欲望の端っこで

僕は蹲り、震えながら眺めてるんだ

それはとても強烈で言語を受容しないものだ

僕は怖いくらいな気持ちでじっとしている

またもや僕は犯してしまったのだ

その緊縛と抱擁で僕は渦中へと誘われる

僕はその真ん中で穴を掘る

深い深い深い穴を

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