いつも着ているオレンジのジャンパー
雨の日でも曇りの日でも
ママ、何を言ってるのさ
いつも歩いてる街のストリート
雨の日でも曇りの日でも
ママ、そりゃないぜ
いつも笑ってる学校の先生
雨の日でも曇りの日でも
先生、なんで笑ってるのさ
いつも腐ってる学校の友達
雨の日でも曇りの日でも
友達、なんで殺すのさ
いつも着ているオレンジのジャンパー
雨の日でも曇りの日でも
ママ、何を言ってるのさ
いつも歩いてる街のストリート
雨の日でも曇りの日でも
ママ、そりゃないぜ
いつも笑ってる学校の先生
雨の日でも曇りの日でも
先生、なんで笑ってるのさ
いつも腐ってる学校の友達
雨の日でも曇りの日でも
友達、なんで殺すのさ
君は窓辺でギターを掻き鳴らす
でも心は空っぽみたいだ
空洞の中には何かがあるみたいだけども
僕からはほど遠くてわかりっこないんだ
僕の心に君の掻き鳴らすギターの音が
グサリと突き刺さるんだ
君のその一瞬の輝きが僕の心を
どうしようもないくらいに描き回すんだ
幻冬舎文庫 2002年
クスリに関するトリビアを豊富に扱っている。
実家が薬屋らしく、子供のころからクスリに触れてきた
らしい。
批判精神にあふれ、あまりよろしくない健康法などを糾弾
しているのがなんとも心強い。正しいことは正しく存在する
んである、ということが、普遍性をもって描かれている。
マア、ただ単純に読んで楽しいということは、美しいことであ
る。
カエルを舐めて、クスリの効果で幻覚をみようとするのは、中島
らも氏も書いていたし、麻枝光一氏も書いていたように思う。
ボクの中ではけっこう有名な話しである。
ボクは主治医にあなたはクスリ人間ですね、といわれたほどであ
るが、クスリに抗える人間はいないと信じるオレっちだった……
合掌。
幻冬舎文庫 2009年
ボクは思うんだけどさア、いつも古本で本読んで
いるけど、古本じゃ作家に一銭もいかないんだよ
なあ、って。だから、こういう風に書いて、少し
でも、返したいって気持ちがあるんだよねえ。
で、この本はマンガである。マンガっていっちゃって
いいのか、脱力系の、癒し系っていうのかな、けど、
はなしは仕事のことだ。仕事はタイヘンだ、それはわ
かっておる。
ボクはおカネはないけど、ラクしているよなあ。この
本にはライフがあるんだよねえ、ほんとに働いてないと
わからない、あるある、っていうものがね。人間関係なので
あるね、最終的には。
ほんとのマンガって疲れちゃうんだよねえ、おれっち。
こういう力の抜いた絵なら、重いテーマでも軽く読めるから
いいんじゃないんだろうか、なんて思うのだが……合掌。
中央文庫 1987年
いろいろな本で小泉武夫氏の名前を目にし、
なかなか読む機会がなかったのだが、今日、
奇食珍食を読んでみて、その人間の持つ食欲
の深さに驚いた。
文章も読みやすいし、わかりやすいので、その
食に対する小泉氏の貪欲さにたまげるのみだ。
腹もせりだしていらっしゃるし、うまいものを食
えばそうなるだろう。
一番気持ち悪かったのは、ウジの酒ってやつ。ウジ
が酒を飲んでふくらんで、そのかたくなったウジを
何匹も小泉氏は口に入れて、プチッと噛むと、口中に
ウジの味が広がったという。うへっ、絶対にマネでき
ないことをするんだ、このひと、いや、ホントに尊敬
しますよ、、、いや、うそじゃないですって、ホントに
尊敬してますッて……合掌。
明日
頭上にはたくさんの腐ったような色をしたオレンヂ
オレッちの舌の上には信仰をなくした僧侶達の行列
アイドルスマイルの廃れたスターのポスターの上にペッとね
苦し紛れに手を叩いてみたらなんとかなるさ
ヘンなオッサンがオレッちに言うのさ
明日になればなんとかなるさ
明日になれば死んでるかもしれない、と
まあ、オレッちの傲慢な気持ちの裏返しで
その言葉も庭の隅っこに埋めさせてもらうぜ
犬のマーチの隣りにさ
リミット
僕らには残された時間などないのさ
ああ、僕らには生き残るために用意された皿が
血の滴る肉が僕らの大好物なのさ、テヘッ
そうさ、こいつを食い尽くさないと
ああ、残された時間は後わずか
僕らは食い尽くすのに精一杯なのさ
たまにダンスして腹を減らすんだ
シャウトして気を晴らすのさ
思いっ切り食って後はシンとした部屋で眠りに就くだけ
なんせ夢を見られる時間も限られてる
バターナイフ
僕だけが年老いて
バターナイフのように油まみれになり
まるで時間だけが僕を追い越してゆき
老いだけが手元に残り
未来も過去も僕には何の意味もなくなってゆき
僕には痛む胃と頭と歯だけが残されている
徳間文庫 2000年
20年前に刊行された本で、おもしろいことは
おもしろいのだが、背表紙の抱腹絶倒は誇大広
告なのでは、余計に興が冷める。
タイに詳しい方らしくて、貧乏旅行のことが描いて
あって、人もよく観察されているし、読んでいて
飽きることはない。アジアかあ、アジアなあ。
行かんだろうなあ、と思いつつ、小汚い街に立ち佇
んでいるような気分になった。ディープな世界も楽しめる
一冊。
おばちゃんはどこのおばちゃんも困りものなのだなあ
……合掌。
穴
鮮烈で眩しすぎる欲望の端っこで
僕は蹲り、震えながら眺めてるんだ
それはとても強烈で言語を受容しないものだ
僕は怖いくらいな気持ちでじっとしている
またもや僕は犯してしまったのだ
その緊縛と抱擁で僕は渦中へと誘われる
僕はその真ん中で穴を掘る
深い深い深い穴を