ちくま文庫 1987年
古本市で絶版のこの本を見つけたとき、喜び
勇んで買い求めた。この本は究極の知に対する
冒険である。人間の知るということに対する
希求に答えるべく博物学と言うものがあると
したら、それを行って来た人間の営みが詰ま
っている。
貴重な図版も入っているし、ドキドキワクワク
が止まらん。金魚というものは始め、上から
見るものだったという。水槽が発明されて、
初めて、横から見るようになったという。
そういうことも書いてあるし、ダーウィンの
進化論への考察や、日本人の南方における
博物学への挑戦的考察もおもしろい。
正直、よくは分からない。よくは分からないけど、
好奇心は満たしてくれる良書だった。
絶版とは、日本人の博物学に対する処遇の在り方
が分かるような気がしてくる。