角川文庫 昭和63年
併読で白洲正子を読んでいたのだが(挫折)、その
一万倍おもしろかった。
ゴロツキ同然の高校生時代に田中先生と出会い、
空手に目覚めてゆく。相当、若いころは苦労さ
れたようだ。毎日、チキンラーメンを食ってい
たらしい。ご飯に塩をかけていたり、そこから、
一級下の田中先生の手引きもあり、新日本プロ
レスに入る。
伝説の始まりだ。でも、意外に前田日明氏を
知らない人は多いらしい。日明氏のジャーマ
ン・スープレックスはゴッチ式で、プロレスも
ゴッチ式のガチンコ、セメントがほとんどら
しく、プロフェッショナル・レスラーと
自負していたらしい。
UWFの設立に関わり、新日に吸収され、解体
されてしまう。そして、あの長州への顔面
キックという事件を起こしてしまい、追放
される。そこまで、日明(あきら)氏三十歳の
人生を振り返っている。格闘王の異名をとった
日明氏の本、絶版らしいので、ぼくはよろこび
勇んで古本で買って、夢中で読んだ次第。
男なら誰しも夢見る強さを追求する姿に惚れること
間違いなし?