映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

名も無き世界のエンドロール

2021年05月30日 | 映画(な行)

ヨッチはどこへ行った?

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行成薫さんの同名原作は、小説すばるの新人賞受賞とのこと。
読んではいませんが、この著者に興味はわきました。

親がいない、ということで自然に親しくなり、
いつも3人で支え合ってきた幼なじみ、
キダ(岩田剛典)、マコト(新田真剣佑)、ヨッチ(山田杏奈)。

あるとき、キダとマコトの前に政治家令嬢でトップモデルのリサ(中村アン)が現れ、
マコトは彼女に強い興味を抱きます。
しかし、リサには全く興味を持ってもらえない。
「住む世界が隔てられている」とつぶやいたマコトは
その後忽然と姿を消してしまいます。

2年後、裏社会に潜り込んでいたキダは、
リサにふさわしい男になるため必死でお金を稼いでいたマコトと再会。

そしてクリスマスイブ。
マコトはキダの力を借りてプロポーズを決行しようとしますが・・・。

幼なじみ3人の様子が回想シーンとして合間に挿入されます。
でも、キダとマコトがリサと出会うあたりから、
ヨッチが登場していないことに気づいていきます。

男女3人の幼なじみなので、何らかの愛情のもつれは想像できるのですが、
そうなるとマコトのリサへの執着になんだか違和感を覚えるわけです。
ヨッチはどうして出てこないのか・・・?
実はそこのところが、本作のバックボーン。
予想外の展開には、驚くばかりでした。

マコトの10年をかけた計画。
スゴイ!

でもラストはちょっとロマンチックに過ぎたかな?

 

ヨッチは「人から忘れられるのがイヤだ」と言っていました。
でも、何故か彼らの通った学校は廃校となり、
マコトとキダの働いていた板金工場もなくなっている。
まるで自分たちの「生きた」痕跡がなくなっているようでもあり・・・、
という副テーマもまた、よく練られています。

 

<WOWOW視聴にて>

「名も無き世界のエンドロール」

2021年/日本/101分

監督:佐藤祐市

原作:行成薫

出演:岩田剛典、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン、柄本明

 

驚きの展開度★★★★☆

満足度★★★★☆