映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

唄う六人の女

2024年03月20日 | 映画(あ行)

森の奥深くで

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父の訃報を受け、山奥の実家に帰省した萱島(竹野内豊)。
萱島の父が所有していた土地を売却するため、不動産業者・宇和島(山田孝之)と会います。
手続きを終え、2人同乗の車で山道を走る途中、事故に遭い、意識を失います。

目を覚ますと、2人は謎めいた6人の女性たちに、
森の奥深くの屋敷に監禁されていたのでした。

彼女らは、言葉を話しません。
が、何かを萱島にさせたがっているようでもある。
萱島には幼少期にこの場所へ来たことがあるような・・・おぼろげな記憶が蘇ります。
一方、一刻も早く町へ戻りたい宇和島は、森の中をさまよい歩きますが・・・。

 

山奥の美しい場所。
不可思議な女たち・・・。
幻想的で妖艶。

いってみればここは、「自然」自体が心を宿す聖地のようなもの、でしょうか。

「それ」は、萱島にある思いを託そうとしているのですが、
それと敵対するのがまさに宇和島なのです。

この地を巡って、どすぐろい陰謀がはかられている・・・という
人間界の生臭い問題が浮かび上がってきます。

人間の欲望が、どれだけ自然の調和を壊しているか。
いろいろなことが思い巡らされますね。

 

<Amazon prime videoにて>

「唄う六人の女」

2023年/日本/112分

監督:石橋義正

脚本:石橋義正、大谷洋介

出演:竹野内豊、山田孝之、水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、萩原みのり、桃果、武田玲奈

 

幻想度★★★★☆

不可解度★★★★☆

満足度★★★☆☆