映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

危険なメソッド

2012年11月10日 | 映画(か行)
分析はできても制御はできない



               * * * * * * * * * 

フロイト、ユングとくれば、
現代の精神分析学を築いたあまりにも有名な二人。
今作はこの師弟関係にある二人の出会いと別れを描いています。
さてと、とは言うものの
私にはフロイトもユングもちょっと遠い・・・。
観念的なものが、どうにも苦手なのです・・・。
フロイトがビゴ・モーテンセンで、キーラ・ナイトレイが出ている、
というだけで見たわけですが、正直、ちょっと難しい・・・。



20世紀初頭、若き心理学者カール・ユング(マイケル・ファスペンダー)は、
あるロシア人女性患者の治療に当たることになります。
その患者ザビーナは(キーラ・ナイトレイ)
何か強烈な精神の葛藤を抱え、異常をきたしているのです。
ザビーナは対話療法により、心の底をさらけ出し、落ち着きを取り戻していく。
けれども、ユングは闇を抱えたザビーナに取り込まれるように、愛欲に沈んでいく・・・。
自ら抑えられない欲望と貞淑な妻に対する罪悪感。
心理学者でも、自分のことは制御できないんですね・・・。
そこがやはり男と女の、ナマの性というもの・・・。
ユングはもともと斬新なフロイトの考え方に傾倒していて、
始めての対面では時を忘れて語り合うような、よき子弟であり、よき友人関係でもあったわけですが、
ザビーナとのことで二人に亀裂が入っていくのです。



彼らの語る言葉は難しく、字幕を追うのがやっとで、
よくわからないというのが正直なところ。
そんなわけで、最も私の印象に残ったのは、ザビーナなのでした。
キーラ・ナイトレイのまさしく体当たりの演技です・・・。
自分自身をコントロール出来ない、強烈な発作。
すごいです・・・。
そしてまた、もろに被虐的な愛欲。
そういうことが、罪ではないのだと実感することで、彼女は正気を取り戻していくのですが、
その過程が素晴らしく表現されていたと思います。



また、無頼のビゴ・モーテンセンもいいのですが、
こういうインテリ風なのもすごく似合います。
俳優さんって、色々な人物を演じ、色々な人生を模擬体験できて、いいなあ・・・。
まあ、たいていは苦悩に満ちていますけれど・・・。
今作は、後で機会があればもう一度じっくり見てみたい。
そんな風に思いました。



「危険なメソッド」
2011年/イギリス・ドイツ・カナダ・スイス/99分
監督:デビッド・クローネンバーグ
脚本:クリストファー・ハンプトン
出演:キーラ・ナイトレイ、ビゴ・モーテンセン、マイケル・ファスベンダー、バンサン・カッセル、サラ・ガドン

「六月の夜と昼のあわいに」 恩田陸

2012年11月09日 | 本(その他)
イマジネーションの世界に遊ぶ

六月の夜と昼のあわいに (朝日文庫)
恩田陸
朝日新聞出版


             * * * * * * * * *  

この本には、杉本秀太郎さんの序詞(詩であったり俳句であったり短歌であったり)を元に
恩田陸さんがイメージをふくらませて作った
10の短編ストーリーが収められています。
もともとこれは朝日新聞出版の季刊誌「小説トリッパー」に
一篇ずつ掲載されたものだそうですが、
さすが恩田陸さんの素晴らしいイマジネーション、
その型にはまらない奔放さに魅了されます。
また、本作ではそれぞれにドローイングも加えられていまして、
恩田陸作品集にして、詩集であり美術集でもある、
まことにお得な作りです。


まず、ひとつの物語を読んでみます。
いつものことながら、私たちは恩田ワールドの不思議な空間に投げ出されたような気がしてしまうのですが、
読み終えてから、冒頭の序詞とイラストに戻ってみます。
するとおやまあ、確かに、
この物語はこの序詞とイラストの世界観に一致している。
あまりのその一体感に驚かされてしまいます。
恩田氏は前書きで
「先生が毎回送ってくださるモチーフを前に、
真っ青な顔で固まっていたことを思い出す。」
と述べていますが、いやいや、そうではあっても、
やはり自分の世界を自由に構築していく恩田氏の手腕、感服です。


Y字路の事件
あるY字路で時空の歪みが起こるという、SF仕立てのストーリーですが、
どこかひなびた味がある。
その昔、祖父がなくしたという片方の下駄の行方は・・・?


窯変・田久保順子
「田久保順子が己の才能を確信したのは、まだこの世に生まれる前のことであった」
というところから始まるこのストーリー。
田久保順子には、生まれ落ちる以前から運命づけられた、類まれな音楽の才能があった。
けれども、凡庸と言うよりは凡庸以下の母とその夫の育児放棄により、
才能を発露することができず、
そしてその行末が世界の破滅につながる・・・という、
一風変わった風刺的な物語です。
・・・子供は親の私物ではない。
世の宝である、と思うべきですね。



夜を遡る
本作中では最もファンタジックな世界が現れます。
山がモコモコと緑色に膨れ上がる5月。
田んぼの泥の中には雨ん婆がいて。
川沿いには真っ白で胸のところが透きとおったペドロさんがいて。
土手の草地には顔が錆びたスコップでできているガラガラドンがいる。
不思議な子どもの世界。
それは実は、誰もが子供の頃に住んでいた心のなかの風景なのかも知れません。

「六月の夜と昼のあわいに」恩田陸 朝日文庫
満足度★★★★☆



スノーホワイト

2012年11月08日 | 映画(さ行)
不思議で恐ろしいファンタジー世界



                         * * * * * * * * * 

おなじみ「白雪姫」を題材に、
悪の女王と戦うヒロイン、スノーホワイトの物語。
陰影に縁取られたスタイリッシュな映像が、
独特のファンタジー世界へ私達を誘います。

けがれを知らずみずみずしく美しいスノーホワイトにクリステン・スチュワート。
己の権力と美貌を脅かすスノーホワイトを抹殺しようと、
刺客を放つ悪の女王にシャーリーズ・セロン。
ここはさすがにシャーリーズ・セロンの壮絶な女の執念が優っていますが、
女は怖いですね・・・。



ファンタジーといえば、夢や可愛らしさをまず連想しますが、
今作はそういう物を極力廃し、
奇妙さ、恐ろしさを前面に出しています。
黒い森は、ひたすらに陰鬱ですね。
あ、でも聖なる森は素敵でした。
それから、ほのかなラブストーリーも絡めてあるわけですが、
途中から非常に気になってしまいます。





スノーホワイトの心をつかむのは狩人のエリックか、
幼馴染の射手ウィリアムか?
・・・それはスノーホワイトのりんごの毒を解くのはどちらか、
ということにつながっていきます。
このリンゴの毒だけは、女王は人任せにせず、
自らスノーホワイトの元を訪れ、しかけるという念の入れよう。
そこも、りんご売りの老婆の扮装などではなく、
まさに虚を突く登場で、驚かされます。
妙にウィリアムの唇が赤いと思ったのですよね・・・・。



不思議で恐ろしいファンタジー世界を楽しみました。

スノーホワイト [DVD]
クリステン・スチュワート,シャーリーズ・セロン,クリス・ヘムズワーズ,サム・クラフリン
ジェネオン・ユニバーサル


「スノーホワイト」
2012年/アメリカ/127分
監督:ルパート・サンダース
出演:クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、クリス・ヘムズワース、サム・クラフリン、イアン・マクシェーン

のぼうの城

2012年11月06日 | 映画(な行)
戦いまする



                      * * * * * * * * * 

本を先に読んでいて、大好きだったのと、野村萬斎ファンでもありますので、
すぐに見に行きました。
今作はもともと脚本として書かれたもので、
それを小説に書き直して出版されたもの。
なので、映画には持って来いのものなのでした。



武蔵国の忍(おし)城に領民から“のぼう”様と呼ばれるお侍がいました。
成田長親。
のぼう・・・つまり、でくのぼうという意味。
長親はちっとも偉ぶらず、農民に親しみ、
田植えや麦踏みを手伝おうとするのだけれど、
あまりにも不器用なので嫌がられてしまうという情けない人。
でも、その気持は伝わって、農民達にとても好かれている。
そんなときに、豊臣秀吉の配下、石田三成率いる2万の大群が攻め寄せてきます。
忍城を守るのはたったの500人。
ハナから投降の予定だったのですが、
城を訪れた三成の使者のあまりの尊大な態度にむっときた長親は、つい言ってしまう。

「戦いまする。」

さて、長親と忍城の皆は、
押し寄せる2万の大群と三成の水攻めに、どう対処するのか。
乞うご期待・・・!!



本を読んでいてもなお、映像化されるとますます面白さが増すこのストーリー。
しかもこれは歴史上実際にあったことと思えば、
興味は尽きません。


なんといっても、魅力は“のぼう様”なのですが、
野村萬斎さんが演じるとますます人物像が息づいてきます。
この役はまさに彼のためにある。
いつも思うのですが、野村萬斎さんの周りをも巻き込んでしまうオーラ、すごいです・・・。
田楽踊りは、もうさすがに芸術の域。
とんでもなくひょうきんですが、そのなんとしなやかなこと。
他の役者さんでは、誰もこのようにはできません。
また、原作でもいい味が出ていましたが、
長親と丹波のやり取りがたまりません。
丹波役佐藤浩市さんがまたいいんですよね~。
長親のムチャぶりにうろたえる丹波。
ひょうひょうとしてとらえどころのない長親に対して、重しとなる丹波。
けれども、根に信頼関係がしっかりとあるので、
口では色々言いながら、長親の思いを果たそうと奮闘する丹波。
こういう男同士の関係は気持ちがいいですね。
佐藤浩市さんの騎乗姿がカッコイイ!! 
もともとファンですが、また一段と好きになりました。


お城の絶体絶命のピンチという時に農民たちが集まり、
農民たちの方から自然に声が湧き上がる。

「えいさ、えいさ、お~!!!」

・・・泣けました。
なんでこんなシーンで泣けるんだ・・・と
自分でもいぶかしくおもいつつ・・・。



今作の巨大オープンセットは北海道苫小牧に作られたそうです。
と、聞くとまたまた身近に感じてしまいますね。

エンディングロールでは、
エンディングテーマ、エレファントカシマシの「ズレてる方がいい」の楽しい曲と共に、
現在の埼玉県生田市の風景が映し出されます。
三成勢が作った堤防がまだ残っているんですね。
そして、変わらず田んぼの風景。
兵どもが夢の跡・・・。
でも、人の営みはずーっと変わらすに続いている。
その昔の出来事をたどるのに、ピッタリの映像でした。

2012年/日本/144分
監督:犬童一心、樋口真嗣
出演:野村萬斎、成宮寛貴、榮倉奈々、上地雄輔、佐藤浩市、山口智充

「ツナグ」 辻村深月

2012年11月05日 | 本(その他)
亡くなった人との対面を叶える人

ツナグ (新潮文庫)
辻村 深月
新潮社


                 * * * * * * * * * 

「使者(ツナグ)」とは・・・
一生に一度だけ、使者との再会を叶えてくれるという人物。
死者との再会を願う様々な人々のストーリー。
先ごろ直木賞を受賞した辻村深月作品にして、
映画化され現在(2012年10月)劇場公開中の作品です。


ミステリ好きの私にして、実はまだ読んだことのない作家。
まだまだミステリ世界は広いのだなあ・・・と思い知らされるところですが、
これを機会にまた色々読んでみたいと思います。
今作はミステリと言うよりはファンタジーというべきかと思いますが・・・


まずは、
突然死したアイドルが心の支えだったOL
年老いた母にガンの告知をできなかった息子
親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生・・・
という風に「ツナグ」例が語られていきます。
どれもつながりは特にないのですが、
「ツナグ」役はみな意外にも高校生くらいのぶっきらぼうな男子。
このあたりまでは特別面白みも感じないでいたのですが、
更に読み進むうちに「ツナグ」役の男の子自身の話に移り、
やにわに興味がそそられてきます。
いったい「ツナグ」とは何なのか。
このような力はどこから来たものなのか。


さて、自分なら、誰と会うことを願うでしょうか。
ここで大事なのは、この対面が叶うのはたった一人だけ、ということなのです。
一度体験してしまうと、自分が生きているうちはもう、他の人と会うことはできません。
幸いにというべきでしょうけれど、
私はまだごく近しい人を亡くしてはいないので、特にそういう人はいないのです。
でも例えば、予期せず震災などで亡くなった方の遺族ならば、
どんなにかこんな風に故人とあってみたいでしょうね・・・。
本当にいるといいですね。
ツナグさんが。

うーん、けれども今作は、
読んでしまったら、映画でもぜひ、とまでは思わないです・・・。

「ツナグ」辻村深月 新潮文庫
満足度★★★☆☆

終の信託

2012年11月04日 | 映画(た行)
“もしも”のときのために



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薄暗く冷え冷えとした検察庁の待合室。
長々と一人待たされ、過去を回想する女。
それが本作主人公、女性医師の折井綾乃(草刈民代)です。
彼女がこの検察庁に呼び出されることになった顛末が、
回想という形で語られます。



不倫相手に捨てられ、どん底の気分の綾野は、
重度の喘息患者、江木(役所広司)の優しさに癒されていきます。
その江木が綾乃に言う。
もしもの時は早く楽にして欲しい、と。
その後、江木は発作のため心肺停止状態で病院に運び込まれるのですが、
命は取り留めたものの、こんこんと眠り続けるばかり。
江木のかつての言葉を思い出した綾乃は、
ある決意をするが・・・。



なんとも重苦しい・・・。
でもこの作品、
この回想の後に更にまた、がーんと打ちのめされるような展開となります。
ようやく、検察官との面談となるのですが・・・。


法と言うのは非情なものですね。
検察官役の大沢たかおさんがすごーく嫌な奴に見えました・・・(^_^;)
ここまでストーリー上で連綿と語られてきた綾乃の心情はバッサリと切り捨てられ、
丸裸の骨子だけにされてしまう。
そうなってしまうと、浮かび上がってくるのは犯罪。
生前の患者の意思をあくまでも尊重しようとしただけなのに、
それが果たして犯罪なのか・・・?
今作は、非常に重く難しい問いを私達に投げかけているのでした。


私もやはり、もしもの時にはさっさと楽にして欲しいと思うのですが、
そのためには予めしっかり家族にその旨を伝え、文書にも記しておく、
と、そういうことをしたいと思います!!
・・・でも、その“もしも”の時はまだまだ先だと思っている。
“もしも”とは明日かも知れないのですけどね・・・。

「終の信託」
2012年/日本/144分
監督:周防正行
出演:草刈民代、役所広司、浅野忠信、大沢たかお、細田よしひこ

ロボジー

2012年11月02日 | 映画(ら行)
いいかげんでは終わらせない心意気



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弱小家電メーカー、木村電器に勤める小林・太田・長井の3人は、
社長から企業広告のために二足歩行のロボットを作るように命じられます。
主に冷蔵庫や洗濯機、いわゆる白物家電の開発をしてきた3人に
いきなりロボットとは荷が重い。
それでも頑張ってあともう少し・・・というところまでできたロボットは、事故であえなく大破。
社長にせっつかれた彼らは、
やむなくその場凌ぎで、ある人物にロボットの中に入ってもらうことにします。
その人は一人暮らしの鈴木老人。
彼がロボットのサイズにピッタリだったので・・・。
ところがそのロボットが、たちまち世間の注目を浴びてしまい・・・。



科学の最先端を思わせる二足歩行ロボットと、
冴えない家電メーカーの冴えない3人、そして老人、
というアンバランスな配剤が、絶妙の可笑しさを醸し出しています。



けれども、彼らはインチキをインチキで終わらせようとしない。
そこがこの作品のいいところですね。
彼らは、ロボットオタクの女子大生やその友人の学生たちの熱気に、
いろいろなことを学びます。
日本の技術者の地道な努力。
それが今日の日本を築いたのですものね。
がんばろうよ、日本! 
まだまだいけるよ、日本!!
そんな気がしてくるほのぼの作品でした。



なんともレトロな雰囲気のあるこのロボットが「ニュー潮風」。
ということは、ニューじゃない「潮風」もあったのかな?  
果たしてそれは冷蔵庫?
洗濯機?
エアコン?
どれにも当てはまりそうな絶妙なネーミングではあります。



ロボジー スタンダード・エディション [DVD]
五十嵐信次郎,吉高由里子,濱田岳,川合正悟,川島潤哉
東宝


「ロボジー」
2011年/日本/111分
監督:矢口史靖
出演:五十嵐信次郎、吉高由里子、濱田岳、川合正悟、川島潤哉

「デパートへ行こう!」 真保裕一

2012年11月01日 | 本(その他)
深夜のデパートへようこそ!

デパートへ行こう! (講談社文庫)
真保 裕一
講談社


               * * * * * * * * * 

深夜のデパート。
普通なら人気がなく静まり返っているはずなのですが・・・。
この夜の鈴膳百貨店は、なぜか予期せぬ「客」がそこここに・・・・。

よからぬ企みを抱く女性店員。

生きる希望を失くした一文無しの中年男。

訳あり家出の高校生カップル。

道を踏み外した元刑事。

行き場を失くした悩める人々が、
明かりの消えた老舗デパートの中で、さまざまなドラマを繰り広げます。


真保裕一さんといえば
"不屈の魂を持つ主人公が繰り広げるアクション"
と言うイメージが強いのですが、
本作はちょっと趣が違って、人情物語風に仕上がっています。
それというのもこの舞台のデパート、創業100年の老舗。
しかし、昨今のデパートがどこでもそうであるように、
営業成績は振るわず斜陽。
おまけに贈収賄事件に絡んだことで世間から非難を浴び、
他社に吸収合併される寸前・・・。


この夜ここに居合わせた鈴膳百貨店の社長も含め、
老若男女の人生が交差します。
そして、この人々が微妙に関連しあっているというのが面白い。
ちょっぴり笑って、ほろりときます。


今作中でも描かれていますが、
私などの子供の頃、デパートは人々のハレの場だったのです。
おもちゃ売り場で夢心地になり、
最上階の大食堂で家族で食事をして、
屋上の遊戯施設で遊ぶ。
食堂で食べるのは大抵お子様ランチ。
休日のちょっと贅沢な過ごし方というのが、
デパートでこのように過ごすことだったわけ。
私はなぜか寝具売り場で、すべすべで肌触りのいい掛け布団を触るのが大好きだったのです・・・
(変な子ですよね・・・)。
そんなちょっぴり懐かしいレトロなデパートのイメージが、
この物語のデパートにはありまして、
まあたぶん、ご年配の方のほうが、今作を楽しめるかも知れません。

とは言え、ラストの離れ業、
さすが真保裕一作品。
大変楽しく読みました。

「デパートへ行こう!」真保裕一 講談社文庫
満足度★★★★☆