いつまでダラダラ書くんだい?話題ないから、公演話しで引っ張ろうってえのかい?
まっ、それはある。とうとう雪に覆われて、ブログのネタも尽きつつある、たしかに。でも、装置と衣装のことは触れておかにゃならんよね。
まずは定式幕。6間×3.5メートルもの幕、よく作ったもんだと思う。これ、一生もんだ。これから先、いろんな舞台に使えるだろう。お針子さんで頑張ってくれた置農演劇部、ありがとう。君たちもこれ使って突拍子もない芝居作ってくれ。あっ、他の劇団にもいくらでも貸し出すから、遠慮なく声掛けてくれ。
幕も相当の代物だが、これをバトンに吊って、なおかつ何度も開閉する仕掛けを完成させたってところも実力だ、って言ってしまおう。シニア5期生公演『生前葬につき』の定式幕振り落としの仕掛け同様、装置・命のTの苦心惨憺が報われた。
舞台上に、間口3間、奥行き3間の舞台を高さ2尺1寸で設えた、なんてのにも自慢していいんしゃないか、アマチュア劇団としちゃ。全面の蹴込みといい、その前客席との間に設けた桟敷といい、いかにも田舎の芝居小屋の雰囲気を醸し出していたと思うんだが、どうだろう?
それに舞台奥の4間分の書割。上下2間は、常時同じ絵柄で中央3×6尺4枚でシーンに応じた風景を表現した、これもアイディアといい、描画といい、レベルには達していたと確信している。
こういうしっかりとした装置や道具、(あっ、小さいけど、打出の小槌も傑作!だった。これ、言うまでもなく小道具名人フキさんの作。)劇団の底地だよな。お客さんも、すっと、芝居に引き込まれるし、最後まで安心して見ていられるもの。役者たちだって気持ちよく演じることができる。装置見ただけで、入場料の半分は元取れたって感じるんじゃないか?
衣装の方は、とてつもなく苦労した。なんせ、ほとんどの出演者が3回以上着替えするんだ。役や場面に応じた着物を集めるのは容易じゃなかった。しかも、時代は昭和の初期。今回くらい団員が古着屋さんを探し回ったって、これまでなかった。そうそう、エキストラも8人もいたから。決定するまでにどれだけ多くの衣装が没になったことだろう。稽古場は常に古着市の様相だった
選んだ数十着の衣装たち、どれも違和感なく時代と役柄を支えていたんじゃないかな。一人ひとりにもよく似合って、魅力的なだったと思う。
衣装選び、これ劇団のセンスだと思う。アマチュアの場合、手持ちで勝負することが多いから、どうしても間に合わせになってしまう。これまでも、衣装見た途端に、それ違うだろ!ってダメ出ししたくなる舞台に数多く出会った。演出、衣装、ひいては座員のセンス、そして、より良きものを求める熱意、これが芝居の質を保証するんだと思う。
ただ集めたり、買ったりするばかりじゃなく、自作できるようになったことも大きな進歩だ。既成のものとはデザインが異なる進行役のたつき袴、自作することになった。狙いの色柄がどうしても見つからず、思い切って華やかな和柄の生地で作った。華やかでお祭り気分のいいものができた。
装置、道具、衣装、役者を支えるものたちを、妥協せず、より良いものを作り出して行く。それができる劇団、菜の花座もそこに一歩近づいたといえるんじゃないか。これも、また、この舞台『流れ旅 匂うが紅』の大きな成果だと思う。