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ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

”リアル”が突きつける刃!『アドレッセンス』

2025-04-15 11:39:12 | Netflix
リアルじゃないさ、ドラマだもの、英国ドラマ『アドレッセンス』、思春期って意味かな?

昨日まで韓ドラ見てたんだけど、ブレイディみかこの紹介記事読んで、何気なく『アドレッセンス』の世界に入ってしまったら、これはもう、脱水機に放り込まれて一気に高速回転、ぱっと手を離して放り出されたようなショック!

たったの4話で終わり、てのも挑戦的だが、それ以上にエピソードはたった一つ!って、衝撃的だろ。

第一話、少年が知り合いの少女を殺害したとして逮捕され、父親を「適切な大人」少年犯罪の際の後見役のような制度か?に指名し刑事の取り調べに向かい合う。取り調べまでの諸手続き、日本でこんなに丁寧に段階踏んでくれるか?



第二話は、刑事二人が犯罪の動機と凶器を求めて中学校を訪問し、同級生たちに聞いて回る数時間をカメラが追う。目をそむけたくなるほどの荒んだ子どもたちと学校の様子に心を抉られる。

第三話、犯行を認めない少年に対面する臨床心理士の女性。行き詰る対決。揺れ動く少年の心理、観察者の位置から引きずり降ろされそうになりながら、距離を保とうとする臨床心理士。

そして、最終話、少年は未決のまま。残された家族は、匿名の人々から非難、中傷の攻撃に曝され、ついに父親は常軌を失っし家族はばればれに。そのさ中、少年から罪を認めるとの電話を受けて、深く傷つきつつも、壊れかけた家族の絆を取り戻して行く。

そう、たったこれだけ。

カメラは、手持ちの長回し、第三話など、接見室での二人をひたすら見つめ続ける。カットなしの1時間弱、少年も女性も張り詰めた言葉と感情の応酬に終始する。これって、もはや舞台だ。いや、舞台より厳しい。カメラは離れつ寄りつ、あらゆる方向から二人を捉え、時にぎりぎり近づいて苦痛や怒りや嘲笑やささやかな心の交流を拾い続ける。

他の話しもほぼ、映像の時間は現実に流れる時間と同期している。
これが、リアルの正体だ。

次々に気を引くエピソードで鼻づらを引き回し、短いシーンを重ねて見る者の意識を心地よく幻惑させる韓ドラとはまるで正反対の描き方だ。

テーマも少年の傷つき震える思春期の心。
異性への興味、憧憬、侮蔑、SNS上に飛び交うインセル(不本意な独身者)との揶揄。仲間であっても、友ではない希薄な間柄、学校や大人への不信と反抗、荒む中学校。クラス崩壊、学校崩壊。

何気ないSNSでのコメントが殺人につながってしまう恐ろしさ。子どもたちの行動も心も理解できない大人たちの戸惑い、溝の深さに絶望する親たち。フツウの家庭、どこにでもいる家族に飛び込んでくる殺人という異物。

そんな理解不能を隠さず正面に据えている。
韓ドラのような、お決まりの親子の絆や愛の交感、嫉妬や不和そして仲直り、安心のメニューは一切準備されていない。

無意識に避けて見ぬよう努めている現実、
どこかで感づいてはいるが、認めたくない子どもたちの今、
親たちが、大人たちが目を背けていたい荒涼とした精神世界!

それらやり切れない真実に、正面切って対決を強いるドラマだ。
ゆったりグラス片手の楽しみとは遥か隔たった荒涼とした現実。
ドラマの力、演劇の膂力に圧倒される、そんな経験を久しぶりにした。



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『ペントハウス』わっ、まだ続くのか!

2025-03-11 10:16:42 | Netflix
ぎゃっ!終わらねえよ、シーズン3だってよ、『ペントハウス』。

シーズン1で42話、シーズン2で26話、そろそろ解決、ジ・エンドだろって、甘かったぜぇ、この先28話もあるってよ。

凄まじいなぁ、この絶対終わらせるもんかい!の執念。これまで見て来た韓ドラの中で、断トツの妄執だぜ。



ある程度続くと、いい加減うんざりもして来て、粗もチラ見え、キャラたちの動きにも、あぁ、見たよ、それまたかよ、って、マンネリ感漂うところなんだが、

飽きない!他のドラマ、映画に浮気する気にならない。
どころか、この数日、一晩で3話ぶっ通しって、間違いない、重度の中毒症状だ。

没頭し過ぎ、熱中過剰だぜ、こりゃいかん!台本書きだったら、少しは批判的に見ろよ、って、毎話、見終わった後、振り返りをする。

いや、いい加減なんだよ、細部は。
警察の扱いはご都合主義だし、高校生のいじめの表現もありきたりで誇張されてるし、メディアも簡単にデマに加担する単純さ、そんな馬鹿な!のレベル。病院の重症病棟も出入り自由、そうだ、ペントハウスも何故か鍵掛かってないこと多いぞ。死者は生き返るし、どっこい生きてたも二度三度?目撃者多数の犯罪もへいっちゃら、凶器にゃわざわざ血が迸るハンマーとか石とかトロフィーとか使って、あの血糊、誰が始末すんだよ?って、おっと、最初の殺人の死体遺棄が、そんなん無理!ってドン引きものなんだが、が、が、

許す!何もかも許す。いいとも、あんたらの意図の通りに思考を遮蔽する!細かい不都合にゃ目をつぶる!気にしない!

なんて、理性的に判断してる暇はないのさ、展開が矢継ぎ早で、しかも奇想天外、驚きの連続、魅力的かつグッと惹きつけられるシーン矢継ぎ早、次々新しく登場する人物の設定も違和感なし、衣装も調度にも目を見張らされる。
えっ?一人二役??フツー、見かけは違えて登場させるだろ。って、常識軽く無視して、まるっきり同じ顔立ち姿で出しちまう図々しさも、あり得ねぇが斬新~に変ってしまう常識破りの面白さ。

どれも、突拍子のない設定、とんでも展開で楽しませてくれる韓ドラだが、この『ペントハウス』断然、類を抜き、天空高くそびえるペラハウスそのものだぜ。

俺のぼんくら頭じゃ、追いかけるだけで精一杯な複雑多岐な物語、描き上げた強靭な想像力、破綻なく仕上げるち密な頭脳、もうもう、崇めたて祀るしかないぜ。
お見逸れいたしました!ご容赦、ご勘弁、肩でもお揉みいたしましょう。あっ、マリさん並の垢すりマッサージとかも。
なので、どうか、爪の垢なりとおつかわしくださいまし、は、はぁぁぁぁぁ!



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貧乏人の反逆、韓ドラの定番だ

2025-02-08 10:15:24 | Netflix
『シスターズ』全12エピソード、楽しませてもらった。
毎回、逆転、反転、宙返りありで、いいように引っ張り回されて、それがなんとも心地よかりし12日間だった。



3人姉妹、それぞれが個性を十分に発揮しつつもお互いを思い合う、悪くない仕掛けだな。自分の信じる道を各々選んで出発するってラストもちょい感動的だった。
そんなに上手く行くかよ!
なんていちゃもんは韓ドラにゃ用なしだぜ。
韓ドラ楽しむお約束、その➀ってとこさ。
ついでに、警察・検察がほとんど無能?ってか、主人公たち素人に任せっきりで出て来ない、ってのも、いつものパターン、疑問に思っちゃいけないよ、当然捜査に乗り出す状況でも動きなしだからって、それ韓ドラのお約束だから。

さらに、貧乏人あるいは恵まれない境遇の人の反逆ってテーマが多いのも、韓ドラならではだな。

ざっと思い付くだけでも、『マイディアミスター』のひねくれ少女、『ミセン』の囲碁挫折の高卒男子、『トッケビ』のこまっちゃくれ女子高生、あっ、この『シスターズ』の長女役だって、うーん、上手に歳重ねたなぁ、美人じゃないがお人よし、妹思いで時折吹っ切れる度胸あるお姉さん、魅力あった。でも、このタイプの顔立ち、韓国じゃ美人なのかも?酒井順子が『消費される階級』の中で書いてたな、日本と違い一重瞼でも美人認定されてるって。下の写真は美人に撮れてるけど、正面から見ると・・・



他にも『梨泰院(イテウォン)クラス』、『イカゲーム』、『スタートアップ』、『無人島のディーバ』。おっと前回見た『財閥家の末息子』も忘れちゃなんねえよ。さらに、昨日から見始めた『ペントハウス』だった。貧しさゆえの半端ない反発力!

貧者が金持ち相手に奮闘して成り上がる、このストーリーやたら多いんだよ、韓ドラにゃ。韓ドラなんか見て暇つぶししながら鬱憤はらしてるのが、下積み層だからってことだろうけどな。
韓国の格差社会の厳しさってこともあるのかも、って、日本だってかわらんのだけど。
日本なら判官びいきってところかな。九郎判官義経は貴種だけど、兄頼朝に妬まれ散々にいじめられる。
って、ことは、このテーマ、普遍的ってことかもな。

『シスターズ』の3姉妹、”とんでも父母”に見捨てられてどん底貧乏、そこから3人それぞれの伝手を頼りにハラハラドキドキのサスペンスをかいくぐって大楕円にたどり着く。つまり、成り上がる、は言い過ぎ。それぞれの願う道を順調に歩み始めるってところかな。

ただ、貧乏とか金がないとかさかんに言い立てているわりには、金持ちの叔母さんがバックアップしてくれたり、アメリカ留学帰りのユーチューバー?が恋人だったり、闘う相手の大金持ちが末娘を手名付けたりと、なんか、けっこう三人とも裕福じゃん!やたらシンガポールとか行ってるし、って、
これも韓ドラのお約束、主人公をあまり惨めに卑しく描いちゃダメって、法則に従ってるってことなので、気にしない、気にしない。

ストーリーを秘密の力で引っ張るのは、ベトナム由来の青い蘭を絆につながる青蘭会って得体の知れない組織。
なんとこれがベトナム戦争の生き残り集団で、様々悪さしてその悪の権化と3姉妹との戦いということなのだ。
ここが大いに興味をそそられた。

ベトナム戦争への韓国軍参戦がどのうように意識されているか、ぜひ知りたいって思っていたからね。ほら、ベトナム村民虐殺なんかもあったことだし、そんな負の歴史に食い下がるのか?って興味津々、ラストまであれこれ空想しながら見ていたんだ。

たしかに隠された歴史にゃ違いなかったけど、アメリカCIAの肝いりで作られた特殊作戦部隊の残党の話しだった。詳しくは描かれなかったが、後方かく乱的に暗殺などの策謀を秘密に理に担った内密の部隊。
戦争終結、あるいは、戦線縮小の影響か、CIAからも韓国軍からも見捨てられ、生死の狭間を青い蘭の魔力で辛うじて生き抜き帰国した20数名の元兵士たち。その怨念に満ちた復讐行動を、物語の背景に設えてあった。
ベトナムからはこのドラマに批判の声が上がったって話しも聞いたが、そうだろうな、この特殊部隊が実在したとすれば、ベトナムに対しては相当あくどいことをしたはずだから。

納得できたか?って言ったら、うーん、消化不良だなぁ。
密かに帰国したメンバーたちがしたこと、不正な金儲け?その豊富な資金で病院やら介護施設やら児童養護施設を作る、そして、大ボス隊長の跡継ぎを大統領に押し上げること?人殺しさえ辞さないダーティな男を大統領にして、何がしたかったんだ?
その過程で次々メンバーが死んでいったらしいのはどんな背景なの?一人離れて会を離れ、跡継ぎの暗殺を企てる元兵士を駆り立てるものはなんなの?

途中、秘密めかして断片が折々差しはさまれるけど、解決はラストで一気、それも最後に裏切者として殺される児童施設校長の回想録として!?それって安易だよな。

物語の背景として借用してみたものの、十分に生かしきれず、悪役主人公の凄まじい異常性でストーリーを回すことに引きづられ、いや、そちらが本筋でミステリーがサスペンスに道を譲ってしまったってことなんだろうな。

あと、後からそのシーンを別角度から見て種明かしってのも、韓ドラには多い手法のようだが、これもちょっとフェアでないかな。

などと、不満もあったが、伏線の回収はどれもとても見事で、特に、先の回で何気なく語られた言葉が、ラストで女たちの踏み出す一歩を押す力になっている点、これはぜひ参考にしたいって思ったな。


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Netflixドラマ、またも中退?!

2024-12-22 15:23:36 | Netflix
訂正版です。本文中、
アイスランド(誤)⇒グリーンランド(正)

Netflix、コンテンツがたくさんあるっての、いいこと?
どれもが楽しめるものならな。

が、夢中でのめり込める作品と出会うのが一苦労なんだよな。ちょこっと再生してみては、違うなぁ、取りあえずシーン1見終えて、ダメだこりゃ!の連続。ここ数年、当たりの確立がやたら下がってきてるんだぜ。

昨日も『サムダルリへようこそ』とはシーン4でおさらばした。



その前は『ブラックダヴ』、これ初回で、はいこれまでよ!『サンガプ屋台』も『貞淑なお仕事』も、中退・途中退出・途中リタイアが続いてる。

なんだ?何が気に入らないって言うんだ?

まっ、人それぞれなのは当然だけど、俺の場合、面白い対つまらんの評価基軸はどこにあるのか?考えてみた。

まず、恋愛シーンだな。
途中まで快調に飛ばしてたストーリーも、行き詰って来ると恋愛で乗り切ろうとするだろ、しかもグダグダと、それって勘弁よ。
これが、『愛の不時着』とか、『マイ・ディア・ミスター』



みたいに、越えられない壁の高さ、前者は体制の壁、後者は年齢、境遇の壁、に切なさ極まれりなら、引き込まれるんだけど、
そんなとこで見つめ合うな!もう見え見えだろ!どっかで見たぞ!もっと工夫できんのか!的なラブシーンだと一気に覚めてしまうんだよな。

これだけ大量の物語が作られれば、恋愛パターン、ラブシーンだってネタ切れになるし、なんでもかんでも美男美女が惚れ合えば胸キュン、ドキドキになれる歳でもないしな。あっ、それが楽しみで見てる人はいいんだよ、それで。

見つめ合いのシーンは、だいたいストーリー展開の持ち札なくなった時に発動されるんだよ。予想を裏切る展開の連続、驚きの仕掛けとか、騙し、裏切り、切り返しのネタが切れて来ると、二人はイチャイチャし始めるんだ。

それでも、主人公、いや時には脇役でもいい、キャラが突き抜けてれば、それはそれで我慢ができる。
例えば『ミスター・サンシャイン』、



主役も良かったけど脇役の男二人女一人もしっかり描けててよかった、とか、『ヴィンチェンツォ』



とか、『トッケピ』とか。あっ、『トッケピ』設定は突拍子もなかったし、高い壁があって手に汗ものだったけど、関係に二人が慣れるに従い、鋭敏な感性の角が削れて中年夫婦みたいになるし、同居人の死神まで恋するようになるし、はみ出し者の暗い少女が大学生になって、もはや切なさ品切れでさよならしたけど。

恋愛部外者の俺、いやいや決してときめかないわけじゃないぜ、素晴らしいラブシーンには感動するよ今だって、としては、やっぱり、惹きつけるストーリー、奇抜な設定、裏切りの連続とかが欲しいなぁ、ラストまでお付き合いするには。

例えば『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』や『ムーブ・トゥ・ヘブン 私は遺品整理人』どっちも自閉症者を主人公にして卓抜かつ心打つエピソードを作れていたし、若い女性が昼になると何故かオバサンに変身してしまう『Missナイト&Missデイ』



なんか、もう笑った、笑った!シチュエーションコメディの王道だよな。あっ、オバサン役のイ・ジヨンウンなんて最高!最近の作品『トランク』でも変なオバサンで図々しさを発揮してて嬉しくなったけど。

そうそう、『トランク』



も物語の設定そのものがスリリングかつミステリアスなものになっていて、しかも、その主人公の女性も、感受性を置き忘れたような性格が徹底していて魅せたなぁ。おっと、脇道・雑談に入り込んじまってる。

じゃ、何見るか?

矢継ぎ早の展開が売りになっているのは、実は政治ドラマなんだな。かつて民主化運動の担い手だった男女二人が大統領を争う『旋風』



なんて、毎回、裏切り、切り返し、打っちゃりの連続で話に付いて行くのさえ苦労するほどだった。『サバイバー60日間の大統領』、たまたま政治にずぶの素人学者が臨時大統領になって苦労しつつも、なんて設定もユニークだったし、型破りの市民派弁護士をソウル市長に押し上げる『クイーンメイカー』、やはり女性の総統選候補者の選挙に関わる人々の熱中ぶりを描いた台湾ドラマ『ウェイブメイカーズ 選挙の人々』にしても、行先は決まっているのに、その道筋の紆余曲折は並々ならぬものがある。結局、政治の世界てもの自体が海千山千、ドラマに満ち溢れてるからなんだろう。
政治という欲望とか陰謀とか人間の本性がギラギラとした社会派ドラマでは、恋愛なんて色褪せて見えるってこと、あっ、愛欲てのはあるが、それは所詮主要テーマにゃ成り上がれんしな。

現実社会の課題も盛り込まれてるって点、あっ、これの見事さはデンマーク制作のドラマ『コペンハーゲン』、グリーンランドの独立なんて微妙な問題を正面から扱ってしかもエンターテインメントに上手に仕上げてる、ってことで、
ジジイの一推しは、政治ものってことで、めでたく落着、落着!
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韓ドラから課題

2024-09-11 08:48:20 | Netflix
韓ドラ『未成年裁判』、見応えあったねぇ。主人公が大きなトラウマ抱えてるって設定、強いよ、ドラマに深みを与えてくれる。今時、なんでもござれ!のスーパーマン、ウーマンなんて、お子ちゃま相手ならともかく、しらけるだけだもの。


主役のキム・ヘスの暗さも良かった。『シグナル』でも、理由も分からず恋人が失踪して性格ひん曲がっちまった刑事の役、影のある役とごろの似合う役者だなぁ。



子どもたちの犯罪を題材にしたこのドラマ、裁く立場の裁判官が深く傷を負っているから、少年少女犯罪に対して一方的な断罪になることなく、被害者、加害者どちらにも気くばりが効いた展開が生み出せている。

見終わっての感想は、その他にも多々あるが、今日は、感謝の言葉を。

最終話は暴力的な少年たちに集団で暴行された少女の物語だった。
単純な性的暴行事件の裏側に、犯罪を重ねる少年の異常性と、それを育てたすべての大人たちへの糾弾って視点が明確で、改めて、子どもたちの家族はもちろん、警察、司法、更生施設などすべての大人たちに責任があることを突きつけてくれた。

その終章近く、被害を受けた少女の心の傷は決して癒えるものではない、とのセリフを聞いて、そりゃそうだ、もっともっと寄りそってあげなくては、って思ったと同時に、
今回書き上げた菜の花座新作『蒼い森の館』、この部分の書き込みが足りなかった!って強烈に思い知らされた。

こちらは暴行ではなく、強制的に慰安婦にさせられた女性の呻きなのだが、それを強要したばかりか、その後その女性を蔑み、差別までした村人たちへの激しい憎しみを語らせる必要があるって気付いたんだ。

仕上がって、台本読みもしてみて、なにか軽すぎる、ポイントを外してるんじゃないか、って感じてたのは、ここだったんだ、って気付いた、遅ッ!

幸い、稽古に入ってまだ1週間、書き換えるのはムリでも、書き加えることならできる。あまり、適切な手法じゃないが、女性の独白の形でシーンを付け加えることにした。

半日悩み抜いて、1ページほどの長セリフを台本の中に組み込んだ。できれば、村人との対話の形で表現出来た方が好ましいのだが、今回の作品の構成上、それは出来ない。一人、思いを語りつつ、体験の周辺事実も知らせる形にした。

演じる役者は力量十分なベテラン、この増加分、それも重い内容の独白を、しっかり観客の心に突き刺してくれることだろう。

って、ことで、韓ドラ、いつだって勉強になってるんだよ、毎晩の視聴は気晴らしだけじゃないってことさ。

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