計ってみっか、計算してみっか、米作りの時給、って思いがムラムラと湧き上がって来るんだだ春先にゃ。
でも、作業に入った途端に、諦める。絶対ムリ、無謀だぜ、そんなことって。
この先半年間の労働の多種多様を思い浮かべただけで、すぐに気が付くのさ。
しかしなぁ、普通に米作ってる農家の時給が10円だって聞いて、そりゃたまらんな、とても作る気にならんぞ、って呆れると同時に、無農薬有機栽培の俺ん家だとどうだろって、ちょっと気になってきて、ざっと計算してみることにした。ざっとだが、10a単位に換算してな。
まず、1)野毛取り、種もみの塩水選 4時間(以下時間省略)
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2)温湯消毒 3
3) 芽出し管理 0.5×20 10
4) ハウスビニール張り 3×2(人) 6
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5)育苗床作り 4
6)種蒔き・育苗土作り含め 3
7)育苗管理 1×25 25
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8)本田準備
➀堆肥散布 5
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②有機肥料・微量要素散布 1
③耕耘 3
④畔波シート張り 4
⑤代掻き 3
9)田植え4条機械植え 3
10)補植ポット苗で欠株多 10
11)水管理(毎日朝夕) 0.5×120(5月末から9月初め) 60
12)除草
➀除草機押し 6×4 24
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②Qホー除草(株間の草を刈る) 5×10 50
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③畔草刈り 2×5 10
13)稲刈り
➀畔波シート外し 5
②稲刈り2条借りバインダー 4
③杭掛け 4
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14)架け替え 3×3 9
15)
➀脱穀ハーベスター 5
②稲わら片付け(畜産農家へ) 2
16)籾摺り 8(6俵分)
17)精米家庭用精米機 18(6俵分)
ということで、ざっと見積もって
計 261時間
ずいぶん働いてるわけさ。しかもかなりの重労働だ、特に除草、ってことも考えて欲しいね。
いくら無農薬無化学肥料だからって、経費はかかるさ。
機械はすべて中古だから、機械の購入・原価償却は小さいし、ハウスのビニールなんかはケチって3年使うから1年に均すと安いけど。そうそう草刈り機の刃なんかもその都度買い替えると結構な額なんだが、これも研磨機で研いで3~5回は使って、節約、節約!
それでも、経費は
1)機械整備・原価償却・種蒔き機借用 2万円
2)肥料購入有機ボカシ肥料、微量要素他 1万円
3)井戸揚水用電気代 2万円
4)燃料費 1万円
5)資材費ビニール他 1万円
6)出荷用袋代 5千円
これは機械の故障とかなく順調に行った場合。多分まだ掛かってる分あると思うが、取りあえず
計 7万5千円
で収量は、無理せず少ない終了で我慢、それが無農薬栽培なので、玄米だと、360キロ~400キロ。
ってことで時給を計算してみると、中間マージンなしの小売価格、値上がり前の10キロ4000円だと。
400キロ×400円 16万円
経費を差し引くと 16万円ー7万5千円 8万5千円
これを261時間で割れば時給が出て、
8万5千円÷261時間 325円
俺ん家米作り、時給325円!おっと。
機械と農薬、化学肥料にかかる分が節約できてこの時給額だ。
真夏の暑さの中で除草機押したり、草刈りしたり、とことん肉体を酷使してこの金額だ。
時給10円じゃなかったが、やっぱり米の値段は安すぎだ。
仮に2倍に値上がりしている現在の市販価格だと、経費、労働時間は変わらず、収入が16万円増えるわけだから、
32万円-7万5千円 24万5千円
24万5千円÷261時間 938円
やれやれ、これでようやく学生アルバイト並みの時給になったぜ。
ただし、流通の経費、ここからとられるわけだ、出荷するとなると。
なっ、こういうことさ。
農家からしたら、こめの値段は、今の値上がりしているものでも、まだ安すぎってことだ。
が、買って食う側からしたらとても高くってやっちゃいられんってこと、だとすりゃ、国がガッツリ政策介入して、米価の保証をしていくしかないってことだぜ。
消費者の皆さん、くれぐれも、農家叩きに入り込まないでくれよな。米作る農家いなくなるからさ。