ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

笑いの魔力!菜の花座『COVID FOR TWO』

2021-11-30 12:09:26 | 菜の花座

  コント9作品のオムニバス、なんて言っちゃったからなぁ。出演者、そろって笑い引き出すべく頑張っちまった。いや、こっちもその方向で演出した。どうしたら笑い取れるか?って、そこら中にギャグ散りばめ、くすぐりぶち込んで、仕草もコミカルを目指した。

 で、笑いが取れたか?って言うと、満足とは行かなかったな。もっともっと笑ってもらえると期待してたんだ。

 こいつは面白いぜ、って自信持ってたのが、あれれ、笑い来ないじゃん、なんてエピソードやシーンも幾つもあった。そこからすれば、狙いは外れたってことだ。力不足、歴然!

 逆に、思いがけずバカうけの大爆笑、なんてものもあった。今回作品のお笑い大賞を選ぶとすれば、躊躇なく「交通誘導員」だろう。道路工事現場で、片側通行の整理をしている人、よく見かけるだろ、あれさ。

 両側で旗を振るうち一人はジイサン、もう一人?はロボットって設定だ。やたらボヤキばっか多くて、仕事が疎かになりがちなジイサン誘導員に対して、ロボットは的確に指示を出し、ダメだしを繰り返す。

 娘、いや孫のような若いロボットに矢継ぎ早にやり込められるジイサンに笑い爆発。

 なんだってロボットと働かせるのか?ジイサンがたどり着いた結論は、ロボットへの全面代替への1歩だろ、ってことだった。が、ロボット決め手の一言は、「ジイサン、首にしない。ロボットの開発・維持費よりジイサンの方が安く雇える」。ここで大爆笑!

 なるほどなぁ、今じゃサービス配膳ロボットが幸楽苑なんかで動き回る世の中だもの、人間が押し出されちまう不安、お客さんも大いに実感してるってことだ。それと、相方が高齢ジジイ、これも身につまされるのかもなぁ。なんせ、観客の平均年齢、かなり高めの菜の花座だから。

 一方、お客さんにピンと来なかったのは、「コロナ離婚」だ。妻が陰謀論にハマって、夫との意識が隔たり、ついに出て行っちまう、って内容だ。

 実際に起こったコロナ悲劇の一つなんだが、ここら地方にゃそんな情報は伝わってない。高齢者の場合、SNSの利用者少ないし、離婚そのものだって、縁遠い。まして、コロナ陰謀論なんて、聞いたことない、って状況だから、はっ?何の話し、って、戸惑うばかりだったんだろう。SNSに引き回される妻とゲームに熱中する夫の行き違いを楽しんでもらいたかったんだが、それもここらのリアルじゃなかったんだろう。

 も一つ、コロナ感染者の在宅放置の問題を扱ったのが、「自宅療養者」。前半は、保健所への電話がつながらず苦しみもがく感染者の姿。

 ようやくつながった電話の相手は、およそ親切心のないマニュアル対応。

 そして、最後はその担当職員が実は非常勤雇用で捌く電話の本数にノルマがあるために、ついに粘る患者の泣き落としにかかる、ってかなりシュールな設定だ。さらに、突然の死!すげぇブラックだよな。

 俺としちゃ、これが一番面白いと思ってるんだが、どうも、笑いには結びつかなかった。真面目なんだよ、菜の花座のお客さん。役者の演技が迫真的だったこともあるが、苦しむ患者見て笑いなんて、とんでもない。まして、保健所職員がノルマ重視のマニュアル対応なんて、あり得ない!って、彼らのリアルで気持ちが遠ざかってしまったんだろう。

 と、振り返ってみると、題材と扱いの身近さってことは大切な要因なんだ。客筋によって、受けもいろいろ笑いも様々、ってこと、分かっちゃいるんだが、書きたいもの、手前が面白いと感じるものを書くしかないんだぜ。

 それと、もう一つ。コントって言ってしまうから、じゃあ笑いは?っとなるんで、ショートストーリー、短編芝居と考えれば、何も笑いが来なくたって全然差し支えないわけで、しんみりじわってのもありだ。大声上げて笑わなくっても、頭の片隅でニヤリってのもあるはずだから、爆笑に心煩わせるなんて無意味なことなんだよ。ついつい笑いの魔力に飲み込まれちまってたのがダメだったんだぜ。

 でも、あの魔の手はかなりしたたかななんだよなぁ、ロボットでバかうけした若手、すっごく喜んでたもの。おいおい、あんたの目指す方向はそっちじゃないからね、って、打ち上げじゃ水かけておいたけど。

 

 

 

 

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1年ぶり帰ってきた菜の花座!公演『COVID FOR TWO』

2021-11-29 11:14:36 | 菜の花座

 たった1カ月半の稽古期間、チラシ・ポスター・チケットが上がったのが3週間前。あり得ねぇぇぇ!まっ、いろいろあるよ、このコロナ禍じゃあ。

 まず1時間20分の舞台演じ切ったってだけでも立派、って手前で褒めてどうする。さらに150人超のお客さんに来てもらえたことも嬉しい想定外だった。しっかりチケット売ってくれた団員のお陰だけどね。

 まだアンケート読んでないし、知り合いからの評価も聞いてないから、拍手や笑いと客出しの際のねぎらいの言葉からしか判断はできないが、まずまず、好評だったんじゃないかな。お馴染みさんの暖かさってこともあったろうけど。

 芝居の出来としちゃぁ、短い期間、よく頑張った!ってところだろうか。おい、いつまで踊ってんだ!って音響さんとの打ち合わせ不足やら、頭真っ白、途中立ち往生とか、段取り忘れとかもあったが、シニア中心になりつつある菜の花座だからなぁ、ってことで勘弁していただこう、って甘いんだよな。

 今回初舞台を踏んだ若手、って世間の常識じゃおじさんだけど、も緊張することなく弾けて演じていたし、同世代の若手?は力を発揮した。仕事を抱えながら、2本のエピソードを楽々?いや、多分必死でこなしていた。もちろん、ベテラン勢もさすがの落ち着き、随所にいい味出していた。

 この作品、コロナ蔓延下での世相を切り取った9つのショートショートからなっている。新たな変異株が広がってさらなる防護服も義務付けられたって設定、なんと、ここ数日オミクロン株が現れて、一気に現実化しちまったぜ。ただし、芝居じゃ、クサイって名称にしたけど。あっ、今朝のモーニングショーでクサイは人名、特に習近平に含まれる音なので飛ばされてオミクロンになったって言ってたなぁ。

 この新式全身防護服、観客の評価はどうだったろう?

 発案者としちゃ、とても可愛くコミカルで、どこかちょっぴり異次元ぽくて満足しているんだが。照明の照り返しもそけほど気にならない。園芸用苗キャップとフラフープとケンケンパの輪っか使って作ってもらった。

 コロナ禍、苦しむ庶民、てのは、すでに去年の『ディスタンス』で演ってるから、二番煎じを逃れるためにもいろいろ工夫しなけりゃならなかったからね。世相を切り取る役割として、江戸時代の瓦版売りが登場したり、

 未来からの偵察を任務としたエージェントを駆け回らせたり、ロボットに追われ行く高齢者なんてのも加えた。

 装置は上下に2間の台を設置してその前に透明ビニールを垂らしただけ。センター前と3か所を演技エリアとした。これも、10分前後のショートストーリーを切れ目なく繋いでいく工夫だ。もちろん、見飽きしないよう空間の変化も狙った。これは上手く機能したようで、舞台転換はスムーズでミスもほとんどなかった。

 強引なダンスが始まれば、手拍子で応援してくれるし、客いじりにも暖かく反応してくれた。1本1本エピソードが終わるごとに拍手ももらえた。役者にとってはやり易く、幸せな舞台だったな。

 その証拠、去年は自粛した打ち上げの盛り上がったこと!わっ、いいのか?こんな宴会しちまって!

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さぁ、本番だ、菜の花座!

2021-11-28 07:08:23 | 菜の花座

   いやぁ出来るもんだねぇ。わずか1カ月半の準備で公演にこぎつけたよ。

 9月に稽古に入った『ダンスホールMithu』、本読み始めた直後にコロナ感染、稽古場閉鎖。どうにか再開となったら、団員から不安の声、続出。結局、希望者だけで新作を上演しようってことで、大急ぎで突っ走ってきた。

 たった2週間で書き上げた台本、コント9本の寄せ集めになったが、やっつけ仕事の割には、いいものが上がった。

 面白い!きれいだ!深い、ってことはないが、ちょっとは考えさせる。

 役者たちも短い期間で精一杯努力して仕上げてくれた。斬新で手を掛けた装置が呼び物の菜の花座だが、今回ばかりはとことん省力化だ。それは勘弁してもらいたい。もっとも、いつもながら菜の花座、装置建て込みにはてこづった。何と言ってもこだわりの舞台監督がいるからねぇ。

 それでも、なんとか、照明も60シーンほど仕込んで、手抜きとは思えぬ仕上がりだ。

 何と言っても、見ものは奇抜なコロナ防護服だ。道具さんが、思いかげない素材を使って、驚きの衣装を作ってくれた。アイディア提供者としては不安もあったが、間違いなく見ものだな。

 短いながらダンスも明るくていい。必然性?そんなもん知るもんか。お客さんともども目一杯演劇空間を楽しんでしまおうぜ。

 初雪は降ったが、今日は晴天疑いなし!さっ、まだ間に合う。お近くの方たち、13時15分開場、14時開演。川西町フレンドリープラザでお待ちしているぜ。

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消費文化にさらわれるぅ!アマゾンブラックフライデー

2021-11-27 07:12:44 | 暮らし

 待て待て、今週末にゃアマゾンのブラックフライデーだ、多分、きっと、おそらく安くなる、それまで待つんだ。なんともいじましいもんだぜ。完全に欲望喚起商戦に乗せられちまってるな。

 言い訳させてくれ、アマゾンギフト券があるんだよ。息子から届いた誕生祝、数年前からアマゾンのギフト券で届く。我が息子とは思えぬ出来た男だ。親の方は両親にプレゼントなどしたことはない、どころか、誕生日だってまるで記憶になかったっていうのに。

 ほら、って知らないか、ついこの間が誕生日だったんだ。ブラックフライデーの5日前、となりゃ、待つしかないだろ、じっと我慢でさ。

 その間、今年は何を買うか、あれこれ探し求めて、うーん、欲しいものはあるにはあるが、どこか、わざわざ欲望を掘り起こしてるって感じがないわけじゃない。それが、嫌な感じ!ほれほれ、買った、買った!世の中、あんたの欲しいもので溢れてるよ、って大きなお世話ってもんだ、ってそっぽ向きたいところだが、うーん、手に入るとなりゃ、やっぱり欲しくなっちまう。ああ、消費文化の魔力!

 テレビ録画兼用の外付けハードディスク、あればいいよなぁ、たしかに。せっかくPCモニターをテレビ受像機にしたから、見たい番組を録画して、空いた時間に楽しみたい、そうなるよな、当然。データ記録用のハードディスクもすでに3台、満杯になってるから、兼用で4テラの容量あれば、この先一生、これで済むさ、きっと、多分、おそらく。

 狙った製品はIOデータ EX-HDAZ-UTL4K日本製。

 アイリスオオヤマ低価格テレビでも接続保証ってところがこちらの狙いだ。おっ、セール対象商品になってるじゃないか!ラッキー!!さてぇ、どんだけ安くなるのかなぁぁぁぁ?

 26日ブラックフライデー開始、9時回った。さっそく、購入予定の品を見てみると、25パーセント引きだぜぇぇぇ!他に、アンカーの急速充電器も値引きされてる。ほっほっほ、これで他の品物買う余裕が出来たぜ。何買おうかなぁ?エスプレッソカップもいいなぁ、でも、それ足すと、もらったギフト券オーバーしちまうぞ。ええいっ、いいさ、少しばかり持ち出しあったって。

 って、もう完全にアマゾンに乗せられてるよ。

 あと、注文はパソコンからでなく、スマホのアマゾンアプリを通してする。支払いはアマゾンのカード。これでポイントは6倍?8倍?になるはず。ふふふ、研究してるぜ。みみっちぃ!いや、せっかくもらえるなら、最大限いただいておかなくっちゃ。ポイント溜まれば、欲しいものリストに溜まってる本が何冊か無料で手に入るし、って、かぁぁぁぁっどんどん、購買欲に飲み込まれて行くぜぇ!

 

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繰り返して、知るセリフの重み!『COVID FOR TWO』公演まであと2日!!

2021-11-26 10:49:31 | 菜の花座

 あと2日!最後の詰め、連日稽古続行中だぜ。夜出かける、なんか辛いよな毎日となると。億劫の虫がぐずって、瞬間さぼろか?なんて、思わない、思わない!このラスト1週間で飛躍的に良くなるって知ってるからね。そう、出掛ける時にゃ気分沈みがちでも、帰って来る時には、気分高揚、しゃっきり体力で戻って来れる。ダメだしびっしりで、芝居も見違えるように生き生きとして来るから。

 昨夜の稽古での気づきは2点。

 一つは間の取り方で、まったく別の芝居になる!って発見?!うわっ、たったの2秒でこんなに違うのか?役者共々強く実感できたことだ。妻が離婚を決意する瞬間の躊躇いの間、これをわずかに長くしただけで、夫婦の間に深い深淵が広がった。芝居はコロナについての陰謀論をめぐっての諍いって、かなりコミカルな内容なんだが、きっかけはたわいなくても、ラストの1分間は夫婦の断絶、というかなり普遍的なシーンに作り替えることができた。間の大切さ、わかってたはずだが、改めてその深い意味を突きつけられた。

 セリフの意味が、繰り返しの稽古で立ち上がって来る、ってのも経験した。よくあることだけどな。どうも違うなぁ、役者のセリフにずっと引っかかってた。なんか、軽い。先輩ホームレス、失業中のフリーライターが同じくコロナ失職したホテルマンにかける言葉。

「おじさん。ホテルマンのプライドは捨てな。でも、ホームレスの自信はしっかりもってないとダメだよ。いいかい、こんなに人々を切り捨てる世の中なんだ、勝手に放りだした責任とれよ!って胸張っていなきゃ。」

 全体通して、ホームレス生活を気楽に受け入れる女性として、あっけらかんと演じることを指示してきたんだが、成りたてホームレスを元気づけるこのセリフ、実は二つの意味を込めて書いていたんだ。

 生活保護や各種支援で生きることを決して躊躇ったり卑下したりしちゃいけない、ってことと、そういう境遇に追い込んだ政治家どもの無能を許さんぞ!って怒りの表明だ。

 これ、この作品の一番言いたいことだったんだ、って気付いたんだなぁ、今さらだけど。この作品、軽やかに滑稽に笑いを追求したエピソードの連続なんだが、そこに共通して流れるのは、コロナとそれへの無策な為政者によって翻弄される庶民の生きざまなんだ。大いに笑ってもらって、楽しんで欲しい。だけど、最後には、そこはかとない怒りと、必死で生きる人たちへの共感の情が流れて欲しいと思っている。

 9つのエピソードの最後にこのホームレス二人のやり取りを置いたのは、言ってみりゃそのまとめみたいなものなんだ。人々を切り捨てる世の中に批判の目を向けつつ、どんな境遇でも自信をもって生き切ろう、これがメッセージなんだ。

 その視点をしっかりと前に出す必要性を思い起こすことができた稽古だった。セリフに込めた意味を作者自身がないがしろにしかけていた、危ねぇ、危ねぇ!

 書いた本人だから、台本の隅々まで理解してる、そんなことはないんだぜ。

 

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