ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

平台だって作っちまおうぜ!

2010-01-31 21:24:39 | 教育

 平台って知ってる?舞台にちょっとでも関わった人なら、ああ、あれか!ってそのあれなんだ。読んで字の如しって奴、舞台で使う平らな台だ。舞台平面を高くしたい時に使うものなんだね。まあ、どこの会館、ホールでも数種類、数十枚は備品としておいている。

 だけど、これを演劇部で持っているてのは、どうなの?少ないんじゃないかな。だってめちゃめちゃ高いんだもの。以前なんとか買えないもんかって、舞台サービスの会社に聞いてみたら、なんと、一枚10万円近いって言われて目を回したことがあった。それ以来、平台を高校演劇部ごときが持つなんて夢のまた夢と、すっかり諦めていた。

 だが、待てよ!買おうとすれば高値の花、でも自分で作れば、ぐーっと安くできるんじゃないのか?そうだよ、コンパネと角材で作れるよ、きっと。そんな大胆不埒なアイディアがひょこっと浮かび上がったのも、置農演劇部の物作りの実力が飛躍的に上昇したってことが大きい。

 今年の3年生は10人のうち5人が男、しかも、大工仕事が好きで得意な奴らが結構集まった。よぉーし、そんなら作っちゃえ!平台!!なんて、思い切ってしまったのは、校内公演で東根工業高校、清野先生の作品『ボクサー』を上演するってことになったからなんだな。高校のボクシング部を舞台にしたこの作品、場面は当然ボクシング部の部室、ってことはリンクありってことだ。こりゃどうしたってリンクの部分は床面より高くしたいじゃないか。演出も強くそれを主張してきた。じゃあ、作れよ! どうせだ、8枚作ろう!それだけあれば、これからの公演でも使い道は豊富だし、他の学校行事なんかでも大いに役立つからさ。

 いろんな木材使うこと考えてみたけど、やっぱり日頃使い慣れた角材とコンパネ、これだよな。この二つの材を上手く使えばなんとかなる。で、2週間ほど前から作り始めて、とうとう8枚作ってしまった。おそるべし!高校生!!称えるべし手業!!

 今日はそれを箱足の上に組んでリンクを作った。いやぁぁぁぁ!いいねぇぇぇぇ!立派だね。もちろん、大人が何人乗ったってきしんだり曲がったりしない。丈夫な作りだ。こりゃ、もう一生ものだね。置農が続く限り、この平台は使いつがれていくに違いない。

 三年の男ども、いいもの残してくれたね。そして、ここまで作れるようになった装置作りの実力、お見事!!

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全国三賞受賞記念公演

2010-01-27 21:53:56 | 地域文化

 そりゃやらないわけにいかんでしょ。全国賞を三つも受賞したんだもの。ってことで、記念公演と報告・祝賀会やるこになった。期日は2月21日(日)公演はフレンドリープラザ13:00開演。報告・祝賀会はその後、場所を移して開催する。

 子どもミュージカル、プラザでやるのって久しぶりだ。おっと、そういえば前回は5年ほど前、『にんじんなんて、どぅぁーいキライ!』を上演した。食育ミュージカルのきっかけになった作品だ。なんか因縁ぽいね。地域の人たちに広く見てもらえるってのが、とても嬉しい。精一杯宣伝して、満員の観客の中で演ってみたいもんだ。

 ってことで、今回はそのポスター画像を載せてしまう。

Photo_2

 と、思ったところで、はたと困った!今回ポスターはワードで作ってあったんだ。うわーっ!やっかい!プリントアウトしてそれスキャンしてそれ画像として取り込んで、さらに画像サイズ小さくしてと、ふーっ、やっとアップできた。

 どうですか?なかなか明るくていいポスターでしょ。これ今、川西小松の町中いたるところに張り出されているからね。せいぜいにぎやかにやらないと。こういったことで騒ぐのって、浮かれてるって顔しかめる人いるかもしれないけど、僕はそうは思わない。いろんなところで、いろんなことでわいわいやった方がいいんだと思う。ともかく、今、地域社会は意気消沈なんだから。まっ、これも一つのお祭りだ。

 ということですので、皆さんどっかどっか見に来てください。『ごちそうさま!は秘密のタカラ』最後の公演ですからねぇぇぇ。

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置農演劇部のヒミツ:その三

2010-01-22 22:04:31 | 教育

 置農演劇部がひと味違うのは、『地位に飛び出せ』ってことをスローガンにしていることだ。ともかくね、高校演劇部によくありがちな自己満足、自己充足って奴が大嫌いなんだ。芝居は見てもらってなんぼのもんだから、見てもらえるような舞台を作らなくちゃならないし、見てもらう仕組みを工夫しなけりゃなんない。

 だから、子どもミュージカルを始めた。子どもたちをターゲットにしてどんどん出前公演を積み重ねている。今ではすっかり地域に定着して、米沢の児童会館、高畠町の浜田ひろすけ記念館では五月連休の大切なイベントとして組み込んでいただいている。新作を待っていてくれる小学校や学童保育クラブもある。こんな活動が評価されて、今年三つもの全国表彰をいただいた。次はお年寄りだろう、ってことで、今度は演歌ショーをレパートリーに仕上げた。演歌舞踊数曲とお年寄り向けコント数本の組み合わせたプログラムだ。これも大いに人気が高まりつつある。

 こういった取り組みは、少しても観客を増やしたい、見てもらう機会を作りたいっていう不純な動機から始まったものだった。でも、こんな取り組みを続けるうちに、地域に飛び出すことが、高校生にとって、どでかいメリットをもたらすものだってことがわかってきた。

 まず、異なる年齢層の人たちと接することができる。ってことは、そういった人たちの気持ちや考えを理解することができるようになるってことだ。同年齢の仲間内に小さく固まっている今時の高校生にとって、これはとっても大切なことなんだと思う。

 さらに、地域の人たちの暖かさを実感するってことだ。公演一つ打たせてもらうにもたくさんの人たちの好意が凝縮する。今年度演歌ショーを制作してみて、地域の人たちがいかに高校生に関わりたいと思っているかもよくわかった。そんな地域の人たちの期待に応えることが感動を生み、達成感をふくらませる。自分たちにできることがある、自分たちが役に立つ場面がある、自分たちの舞台が心から楽しんでもらえる、これが地域の中で生きる自分を実感させてくれる。地域の中に生きる自分を実感する。

 大人と一緒に仕事するってことの意義も大きい。それまで高校生の世界からちらと覗いて内心小馬鹿にしていた大人たちの世界が実はとてつもなく凄いもんなんだってことに圧倒される。これも大切な経験。そんな大人たちに混じって仕事することで、自分たちの動きを大人の視点で評価する目を育てることができる。そして、大人たちとの接し方。挨拶や礼儀言葉遣いの大切さってことも知らず知らずに学んでいく。

 要するに、社会が若者を育てるってこと。かつては当たり前だったいろいろな仕組みが今はもう失われて久しい。そんな至極当然の地域の教育力を演劇部はありがたく利用させていただいているってことなんだ。地域に押し出された置農演劇部員たちは、地域の大人たちによって、鍛えられ育てられて行く。

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子どもミュージカル同時2回公演

2010-01-21 23:21:28 | 演劇

 年間14回公演とか、東京町田公演とか、いろんな経験させてもらった食育子どもミュージカルだけど、同じ日に同じ時間帯に別会場で公演する?!なんて思いもよらなかった。

 そんなんありえねえべ!そう、完全版ならあり得ない、A,B二つのキャストでも無い限りね。でも、ダイジェスト版ならば、そんな離れ業もありかな。いいや、やんなくちゃなんない!ことになったんだ。

 当たり年の全国表彰、『こころを育む活動』全国大賞、『地域に根ざした食育コンクール』審査員奨励賞、この二つの表彰式が、お見事!ちょん!!2月13日(土)でバッティングしてしまったんだ。それも、どちらも、活動紹介としてダイジェスト版を上演してほしいって要望つきなんだ。ね、凄い話しだろ。同じ日、同じ時間帯、東京で2公演だよ。片方が九段会館、もう一方が東京国際フォーラムって、もう一回凄い!だろう。

 時間はそれぞれ30分と25分、つまり半分以下に圧縮するってこと。これだけだって大変なのに、二つのバージョン作らなくちゃなんないわけだ。それも、出演者も2グループに分かれてだよ。てことは、一方の舞台にはお姫様と王様と家来が出て、もう一方にはリンゴ売りの少女と魔女が出る、ってこんなの話しがちんぷんかんぷんじゃないか。

 つまり、物語の一部分を取り出してつなぎ合わせ全体像を仕上げ、なおかつ、面白いおいしいシーンを残すってこと。それも2つの舞台用に!こんなのできるか?!いやもうパズルだね。でも、頼まれた以上、やりますって言った以上、するんだ、絶対!ってことで、台本を2本書き直している。足りない部分はスライド使ってMC入れたりね。

 実際の役者で演じる部分は二つの舞台でまったく違うわけだけど、見終わった人には、ああ、こんな食育ミュージカルだったら、全部見てみたいなって感じさせるものにしなくちゃいけないって思っている。だから、最初と最後の演出は同じでいこうと思う。

 どうするか?ってそりゃ観客席乱入だよ、それしかないだろう!!

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もう一つの人生を生きる

2010-01-19 23:26:52 | 教育

 講演を頼まれた。公演じゃない、講演、間違いじゃない。それも読書週間にちなんだお話って、ちょっと人選間違ってませんか?って思ったけど、地元の中学校からの要請だったから、お引き受けすることにした。なんたってお客様だから。もしかしたら、僕の話で置農受験する人が一人二人増えるかもしれないし。おっと、待て!ごそっと減るって可能性の方が大きいんじゃないか?そうか、それは考えなかった。でも、終わった今となっては大いにあり得るかも。

 って反省してしまうくらいにつまらない講演だった。話しはあっち跳びこっち逸れ、論理は支離滅裂、たとえは陳腐、ああ、もうまったく嫌になってしまう。生徒たちもきっとがっかりうんざりしたことだろう。

 内容は、本の中にもう一つの人生がある、って話し。設定としては悪くはない。読書からさらに進んで映画や演劇の効用ってことまで行った。限りある自分が無数の人生を生きられる豊かさ、そして、そこから得られる人間としての様々な可能性、広く遠く開けた地平線、そんな話しをしたかった。でも、どこまで伝えられたことやら、ああ!

 結局、最後に頼ったのは演劇部のいろんな公演の舞台写真だった。『LOST SEVEN』や『Let's Dance』『子どもミュージカル』なんかの部員たちの姿を見てもらった。これが一番説得的たったかな。もちろん、迫力の写真を選んだ。高校生が無頼漢や愚連隊、お姫様、勇者、・・・いろんな人生を生きている瞬間だ。こんなかっこいいことが置農にくれば、置農演劇部にくればできるんだよ、ってアピールした。

 成功したかどうかはわからない。でも、なんか、凄い世界がつい隣の高校で日々起きているってことはわかってもらえたんじゃないか。で、そんな可能性がすぐ手の届くところにある。それを知ってもらえれば、まあ、成功だったのかな。

 別の人生をしっかり生ききることで、今の自分も変わってくる、これが最後のメッセージだった。論理的じゃない。だけど、僕としては絶対に正解!さあて、この断言がどこまで納得してもらえたものか?やっぱり、舞台作ってる方が、僕らは向いてるな。って言いつつ、明日も講演、土曜日も講演なんだよ。まったくこりもせず!!

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