舞台装置を考える、これがなかなか難しいのさ。金と手間と才能に溢れたプロならいざ知らず、極貧、人手不足のアマチュア劇団だからねぇ、やりたいから、とか、これが必要とか、勝手な要望は、どこかでほざけ!ってこと。いくら熱心なモノづくり職人がいるとしてもね。
経費は?製作可能性は?材料は?建て込みできるの?なんてこと以外にも、搬入の手間暇までが縛りとなるんだ。
だから、極力、抽象的な舞台装置、すでにある大道具とかの利用を考えるようにする。
かと言って、ありきたりはお断りだ。なんかちょっとでも、斬新な工夫を盛り込みたいんだよ。
例えば、前回公演『COVID FOR TWO』ではフラフープとスイカ栽培用キャップ使って近未来の防護服を作った。
効果のほどはまあまあだったが、あっと驚くアイディアだったことは間違いない。まっ、ここが道具さんの腕の見せ所ってことだなったな。
で、今回はステンドグラスの嵌まった柱!?てのをメインの装置に思い付いた。装置・道具担当泣かせだよ。もちろん、ガラスでできるわけない、色付きのセロファンで作る。
が、色付きセロファンで買い求めると、赤、黄色、緑、青の4色しかヒットしない。素材的にもペラペラだし、色も深みがない。シンプルなデザインだととても舞台に置けそうにない。
装置・道具担当さんの行き詰まりを引き受けることにして、探し出したのが、お花屋さんのラッピング用紙だ。
セロファンより厚手でやや透明度は下がるものの光を通すって点では十分使える。かえって、時代の風合いを感じさせてくれるんじゃないか。何より、色が豊富だ。
色付きの不識布も買ってみた。
つやつやぴかびかばかりのステンドグラスじゃ変化に乏しい。いろいろ調べてみると、すりガラスやら模様のあるガラスを併用したステンドグラスも多いってわかったから、そっちもデザインに取り込もうか。
ステンドグラスを嵌め込むパテの代用には黒のラシャ紙を使うってのはどうだ?
うんうん、大正時代のダンスホールのどこかいかがわしい優雅さが生み出せそうだぜ。あとは、装置・道具担当さんの力だな。
さぁ、これで、見ものの装置も目途が付いた。あとは、芝居の方を面白く仕上げることに専念だぜぇ!