アマチュア劇団で観客数が伸びない理由はなんだろう?
いろいろあるね。下手だから、つまらないから、こう言われると、ごめんなさい!って謝るしかない。まっ、それは永遠の課題として置いといて、その他に何があるか?
演劇ってものが極小マイナーだから。これも言える。この間も、ある会合で、フレンドリープラザも演劇ばっかりやってないでもっと住民の好みを吸い上げて企画したらって、その筋の偉い人が、言ってたからね。所詮、演劇なんて一部マニアの道楽なのよ、って言われてるようで、ちょっとつらかった。
宣伝や人集めの努力が足りない!これも、ごもっとも!菜の花座にしても、もっと劇団員一人一人が馬鹿になってがむしゃらにチケット売りまくらないといけないと思う。ポースター張ってチラシ配ったからって、お客さんが来てくれるわけないんだから。せめて、自分の回りに、菜の花座でもいい、役者としての自分でもいい、熱烈なファンを作らなくっちゃ。公演には必ず来てくれるって層をつかまなくちゃ。
これらしごくまっとうな理由の他に、連続公演がないってことを上げたいんだ。東京のプロ劇団にしろ、ブロードウェーにしろ、おっと!大きく出たね、何日間かの公演が組まれていて、その間にマスコミや口コミで評判が伝わり、観客が増えていくっていうのが、演劇の集客パターンなんだと思う。一部人気劇団や知名度抜群の配役で公演前にチケット完売なんてところは別だ。これはとっても真っ当で正しいあり方だと思う。つまらなきゃ客が減り、面白ければ増えて公演が継続する、今流行の競争原理そのものじゃないか。
でもね、菜の花座にしても他の多くのアマチュア劇団にしても、公演回数はわずかに一回、よくて数回ってところじゃないか。ってことは、見た人による口コミ効果は、最初から期待できないってことなんだ。3ヶ月間も何十人って人間が精魂傾けて創った舞台が、わずか一回日の目を見ただけで終わり、これってずいぶん辛いことなんだ。そのたった一度の機会に出会った人が、良かったー!これで終わりなの!もったいないよねえ!と言ってくれたとしても、それは次につながらない、残念ながら。だって、その舞台が良かったんだから。
ここを越えないとアマチュア劇団は行き当たりばったりの公演活動から足を洗えないんだと思う。じゃあ、やってみれば、一週間くらい。それが簡単じゃないから苦しくって、辛くって、やりきれないんだ。劇団員はそれぞれいろんな職業に就いているからね、全員が一日揃うだけだって並大抵のことじゃないんだ。土日が休みじゃない団員も結構いるからね。と、こうなると、完全にアマチュア劇団のジレンマだ。どうにもならんか。
でも、今回はこの難問をちょこっと解決する道が見つかりそうなんだ。9月のフレンドリープラザ演劇祭に出してもらえることになったから。昨年は、同じ出し物2度やれっかって、粋がって苦心惨憺一人芝居5本&ダンスって舞台『さよならのメモワール』創ったけど、考えてみれば、7月の公演で見てもらえなかった人たちに見てもらう機会を提供するってことで、連続公演に一歩近づけるわけだ。ちょっと手抜き?って見方もできないわけじゃないが、間だ2ヶ月でさらに磨きをかけて完成版を作ることも可能だ。いつだって、公演後の反省がたんと出るから、それを一つ一つ直して行けるってことなんだ。
でも、ただ2回やるってことじゃ、みんな怠けるから、人間って弱いものね、9月の公演は山形県の県民芸術祭に参加してみようと思っている。果たして、参加作品と認めてもらえるかわからないけど、十年間の菜の花座の実績からすれば多分大丈夫でしょう。初の県民芸術祭挑戦、これなら、意気込んでいいものできるんじゃないだろうか。
と、言うことで、『おもかげチャンチキ』は9月23日(日)にも公演することになりました。7月見逃した人、後で評判聞いて見たいと思った人、ぜひぜひ、お出掛け下さい。