ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

菜の花座公演『蒼き森の館』演出の思い付きに振り回された!

2024-11-26 10:14:36 | 菜の花座
演出の思い付きに振り回された!
って、不満の声が聞こえて来そうなので、先に謝っちまおう。

すまん!

本番前日に無茶な注文すんなよ!
ほんと、それ。
そのブラウス地味過ぎ!とか、モンペも赤はダメだとか、ダメだしされたら、睡眠時間削って探すしかないよな、もっと前から指示しろての。

照明プランだって同じ、せっかく道具さんが作ってくれた時計、



過去に戻ったシーンにゃ照明当てて、とか、独白シーンの立ち位置変更、そこ当てて、とか、なんだよ、突然変更って。

その独りセリフ、喋る位置、最初は階段、次にその前の椅子、



最後はベランダ前、



って、もう、全然稽古する暇ないじゃない!

もうほんと、演出、場当たりの思い付きなんだから。

一言弁解、いざ舞台に上がってもらって、装置や道具の前で動いてもらうと、閃いちまうのよねぇ。こうしたら、いけるぜ!とか、この道具生かさなくっちゃ!とか、この明かりだと、やっぱり衣装はこれだよな!とか、次々にアイディアが浮かんじまうのさ。

事前に細かくイメージできない、これ演出として大きな欠点、わかってる。判断をずるずる先延ばしするから、切羽詰まったところで、急遽変更、急転換。まったく、振り回される役者やスタッフは生きた心地しないよ、絶対。

と、殊勝に反省しつつも、これが俺の持ち味でもあるよなぁ、なんて開き直ってしまうわけでもあるのさ。

良く言えば、アィディア豊富、溢れ出るイメージ、次から次と閃いてしまう、って、振り回される方からは勝手にしろ!だよな。

台本だって、そんな思い付きと閃きで書き進んでるようなものだ。

ただ、思い付いたアィディアをすべて要求してるかって言えば、そんなことはない。
そりゃ求められる側の戸惑いも十分わかってるからね。これは対応できそう、この人にゃ無理とか、けっこう細やかに判断してる。

だが、今回はあまり遠慮せず、要望をどんどんぶつけた。役者も照明さんも道具さんも対応できる力持ってるってわかってたからね。
そう、力量が確実に上がっているのさ。
突然の注文にも、臨機応変で即応できる。素晴らしい!

演技や照明、装置の変更だけじゃない。仕込みでも、目を見張る瞬間があった。
これまでは、なぐり、金づち使う作業だと男性陣が主に担当していたが、今回は、ベランダ前の階段の蹴込みやパンチカーペットの釘打ち、すべて女性たちでてきぱきと済ませていた。

そうだよなぁ、任せりゃできるのさ、女だから無理、とかそんなこないから。それは男の仕事だから、ってのは、男女役割分担の押し付けなんだよ。
力だって、男の方が強いとは限らないし、トラックへの積み込み、ロープ掛けなんて、男たちを尻目にちゃっちゃか済ませていたからな。ロープの万力結びだって、オジサンたちが尻込みする中、さっさとやってのけてた。
もっと、それ、高校演劇部の出身者だったけど。

そう、思い出した、演劇部の顧問の時、男、女の仕事をできるだけ分け隔てしないってことをモットーに指導してたんだった。それ俺やるよ、なんて女子生徒への思いやり見せようものなら、余計な事すんな!って叱り飛ばしてたっけ。

これからも菜の花座、仕事はどんどん任せる、要求水準は高く設定する、遠慮はしない、って、おいおい、まだまだ突然の変更とか無理強いするつもりかよ!?



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成功?失敗?を超えるもの

2024-11-25 10:28:27 | 菜の花座
菜の花座公演『蒼き森の館』、無事終了した。

思い切った舞台装置、なんと中央やや奥に間口2間以上の広いベランダ、それを飾るステンドグラス入りのアーチ、さらにはベランダを囲う手すり、装置さんがとことん作り込んでくれたお陰で、珍しい演出が可能となった。

もうほとんど舞台上舞台、ここで重要なシーン、村人たちが館の令嬢に進駐軍将校り性のお相手になることを強いる場面が効果的に作れた。劇団手持ちの足元マイク(バウンダリーマイク)も効果的に活用できた。

お嬢さんの霊が一人自死に至る過程を独白するのも、このベランダ、狙い通りに役者も演じ切り、照明も願った通りに明かりを作ってくれた。



深い森の奥にひっそり暮らす二人の女、その数十年の隠棲の秘密がしだいに明らかになって行くというサスペンス感あふれる台本だ。

秘密の根幹は、戦時性暴力。

女たちが当然のように犠牲にされる世の中の掟、男たちの横暴、歯止めを失う性の強欲。
難しい題材だ。



男たちに追い詰められた女が激しく抗う言葉の幾つか。

美弥    どうして、どうして、女が差し出されなくてはならないのですか。
・・・
美弥    女は戦利品なの?略奪されるものなの?
・・・
美弥    こそこそと裏に隠れて娘たちを差し出す算段してるじゃないですか。
・・・
美弥    だったら、戦ってください。最後まで抗ってください。それができないなら、女と一緒に滅んでください。
・・・          
美弥    男たちが始めたんじゃありませんか。    
・・・         
美弥    勝てば、勝てば、勝ったら、・・あなたたちも、敵の女たちを、襲うの?手籠めにするの?

無理やり組み敷かれ凌辱されてきた無数の女たち、その押し殺されて来た悲鳴、抗議の呻き、・・・その果ての自死



果たして、幾多の彼女たちの無念の思いに寄り添うことができただろうか。

告発の主張ではもちろんなく、暗くやり切れない出来事そのままの提示でもなく、この重く苦しい題材をミステリーと笑いに包みつつ物語に仕上げる、ずいぶん無謀な試みが、この芝居だった。

女たちの悲痛な告発は客席に届いたろうか?
その声を心に止めつつ、ほんのり暖かな心持で劇場を後にすることができたろうか?

しばらくは、聞こえて来る観客の声に耳を傾けてみるしかない。



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前日ゲネ、俺的絶好調!

2024-11-24 07:45:22 | 菜の花座
本番前日、さぁさぁ、夜のゲネ実現に向け頑張ろうぜ。

まずは、積み残しのシーン明かり、カーテンコール分の幾つかを作ってもらう。その間に音響さんの音楽、効果音等のレベルチェック、おっと、最重要項目は足元マイクの音量調節だ。

菜の花座が持ってる3本のバウンダリーマイクをフル活用する。
・幽霊のツッコミセリフ?
・見合い相手に放たれる女たちの辛辣な品定め。
・そして、過去の禍々しい出来事の再現。
なっ、これは使い道として常道だろ、いや、違うか。

この最後のシーン、詳しく説明できないのが、うーん、残念!こればっかりはネタバレしたくない。今回舞台の極めつけなんでね。



ここは念には念を入れて、繰り返しチェックした。不思議な非現実の世界だし、その都度役者がどんなふうに演じるかわからないので、ここは音響さんの耳の感度がもろに問われる。ガンバレ音響!

続いて、シーンを追いながら明かりの確認。
済まんなぁ、この期に及んで役者の動き変えるなんて、なんちゅう演出なんだい、もうまったく。
演出の我が儘勝手に付き合って、新しいシーン照明を作ったり、手直したり、てんてこ舞いで頑張ってくれた。照明さんガンバ!

音と明かり確認をすべて終わらせて、いよいよ、ゲネ。
できたよ、ちゃんとラスト、カーテンコールまで。なんと、菜の花座にあるまじき真っ当なペース配分!

もうこれだけだって、気分浮き立つってもんだぜ。

いや、ゲネそのものは、シニアを中心に立ち往生続出、追突、空回りの連続で、いやぁ、ゲネで良かったぁぁぁ、級の出来だったが、傍観?の俺は、なんかなぁ、元気そのものだったんだ。

朝から夕のリハも夜のゲネも、ほぼ立ったまま付き合えたし、日ごろ滞りがちの頭脳の回転も小気味よかった。よしっ、よしっ、よしっ!

言葉もすらすら出て来るし、語彙もなかなか適切だし、役者に手とり足取りの演技指導の切れ味も、いいねぇ、冴えてるぜぇ、って、おめえが思ってるだけだろ。

何より、楽しく明るく振舞えているのが、大変心地よい。そう、こうやって演出できれば、役者たちだって、躓きの一歩を越えて行けると思うのさ。

と、まぁ、ランナーズハイならぬ、演出ハイで快適に乗り切った前日リハ、ゲネだった。

って、手前だけ気持ちよく酔っててどうする!

まっ、その成果のほどは明日はっきりするってことだ。

なんとか、この俺の絶頂感を役者にも伝染させて、ノリノリのウキウキで突っ走れるよう、頑張れ俺。





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装置積み込み、たはっ、雨だぜ!

2024-11-23 08:09:14 | 菜の花座
明け方まで激しい雨、たはっ、びしょ濡れで積み込み、搬入立て込みかぁ、なんてこったい、だれだよ心がけの悪い奴は。

と、あれこれ犯人捜しをしながらトラック乗りつけたら、なんとぉぉぉぉ!晴れたぜぇぇぇぇ!
いやぁ、日ごろの行いのいい俺のお陰だな、よっしゃ、雨の来ぬ間に一気に積みこんじまおうぜ。

今回もいつも通りの荷物の多さ、しかも、形の不揃い感、半端なし。なんとか積み込む、達人の本領発揮!あっ、俺のこと。



こ、これって!積んだって言えるのか?ただ荷台に放り込んだだけじゃん!言う奴には言わせておけ。
危なっかしさ満載でも、絶対に落ちない、積み込み&ロープ掛けのテクニックなのさ。



軽トラもこの後さらに階段数個積み増して、出発、到着した時にはずぶ濡れだった、あ~ぁ。

気持ちを入れ替え仕込みに入る。途中、ヤバヤバ!の出来事もあったが、まっ、それも菜の花座でしょ、と気楽に構えて仕切り直し、午後には舞台の仕込みも終了した。相変わらずのスローペース。

本公演の照明で一番の難題、ベランダから見える鬱蒼とした森をどう表現するか?これはITOという灯体を利用して、見事課題を解決できた。


スマホがピクセル8Aになってカメラの性能上がったから、背景の森が写り過ぎちまってるけど、そこは照明さんの手で巧みにシーンに仕上げてくれるからご心配なく。

立て込みのトラブルの他、今回は照明さん二人が、試練の独り立ち!をしたせいもあって、退館時間ぎりぎりに色作り完成という綱渡りだったが、まっ、明日も一日あることだ、焦らず苛立たず仕上げて行こう。
役者たちも役を自分のものにしつつあることだしな。

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京都から助っ人?

2024-11-22 22:58:58 | 菜の花座
暇だなぁ、なんて言っちゃいかんよ。
菜の花座の舞台に立ちたくて、京都から来るってんだから、その熱意と意欲と実行力と執念と、そう、あらゆる賛辞を送って歓迎しなくっちゃ。

本番前の1週間、こっちに泊まり込んで稽古に専念している。



よっぽど俺の書いた台本に惚れ込んでるんだな、って、違うって、菜の花座で芝居するのが楽しくって仕方ないからなのさ、もちろん、終演後の打ち上げも含めてね。

数年前まで単身赴任の米沢でプラザのシニア演劇学校に通ったのが病み付き、終了後即座に菜の花座入団、幾つもの舞台で味のある役どころを演じて来た。

特に音楽、楽器ならなんでもござれ、本職はサックスらしいんだが、『流れ旅 赤い夕陽の』では、戦地慰問芸人の一人として、アコーディオンを演奏してくれた。それも、初めて手にした楽器って!もはやその才能は玄人、天才の域だ。ちょっとほめ過ぎ。

今回『蒼き森の館』にも当初から是非出たいって申し出を受けたんで、彼が活躍できる役とシーンを用意した。大切な道化役で、とても重要なシーンなんだが、登場はそれ一つ、前後につながりがまったくないって設定で書いた。1週間で追いつかなくちゃならんからね。

館に住み着く霊を払う地元の法印様という突拍子もない役柄だ。持ち味を生かしてコミカルに描き上げてある。

まっ、こういう臨機応変、融通無碍の作劇てのは、得意なんでね、せいぜい羽目を外して自分もお客さんも楽しんでもらおうと思ってる。

残念なのは、現在肩を故障中とのことで、カーテンコールダンスには参加できないんだって。が、これって公演終わった後に、さぁて無事終わった思いっきり飲むぞぉ!、って、諸手を上げて万歳するんじゃないか?なんてツッコミ入ってたっ、俺が突っ込んだんだが。

まっ、こういう軽口がお似合いの明るい人柄、だから、その熱意とともに、団員すべてから愛されているんだがね。

今週の稽古は、法印様の登場シーンは特別枠、連日時間を掛けて絞られている。
さぁ、本番じゃ客席に笑いの渦を巻き起こすことができるかどうか?
美味い酒が飲めるかどうか?
胸を張って京都に帰れるかどうか?

稽古、稽古、稽古あるのみ!


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