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ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

食べ物みんな生き物だ!:食育子どもミュージカル『どんでん森は、どっきどき』

2011-03-30 21:58:24 | 演劇

 放射線量が減少傾向にあって、米沢でのデータはほぼ、事故発生前のレベルに近づきつつある。放射性ヨウ素の降下物も不検出になった。まだまだ第一原発の方は難しい局面が続いているので、毎日山形県のホームページのデータを覗きつつ部活動を進めている。

 部員たちもほぼ全員が活動に参加してきて、食育子どもミュージカル『どんでん森は、どっきどき』の制作が急ピッチだ。まずは40分ほど基礎トレーニング、その後歌の練習をして、残り3時間を衣装、かぶり物、装置に分かれて制作している。そうそう、ダンスの振り付けもやっている。僕の再三にわたるダメだしで、内心はきっと、「くそっ!うるせーぞ!てめーが作れ!」ってぶち切れながらやっていることだろう。でも、ここは妥協できない。なんたって知野さんが素晴らしい曲書いてくれてるわけだし、一年間にわたって公演していく作品なんだから。悩んで苦労してお互い納得のいく振り付けを創造しよう。

 かぶり物作りも年々進化し続けている。今年は大きな技術的進展があった。それはキャストの頭にぴったりフィットするかぶり物を作っていることだ。これまでは採寸はしてもそのサイズにぴったり合わせて作ることができなかった。どうしてもがばがばになって、仕方ないので隙間はスポンジで埋めて誤魔化してきた。今年は、より精密に発泡スチロールを削り出せるようになった。秘訣は?おっと、これは実際の舞台を見て頂こう。

 さて、『どんでん森・・・』のテーマだけど、それは、「食べ物みんな生き物だ!」ってことなんだ。これまでは野菜を話しの中心に据えてきたが、今回は畜産物に光を当てた。特に豚が大切な役割を果たしている。され肉にされたお姉さん豚の肉質を馬鹿にされ、弟豚が怒り狂うって話しをクライマックスに仕込んでいる。まあ、結論は食べ物は大切にしようということになるわけなんだけど、家畜が登場することで、命への思いを直接表現できたのではないかと思っている。肉を食べる、それは人間仕方のないこと、でも、それは動物の命をいただくこと。せめてそのことだけは忘れないようにしたい。

 豚の嘆きを歌った「エレジー:捧げるいのちだから」とフィナーレ「食べ物みんな生き物だ!」の歌詞を紹介して終わりにしよう。

SONG8『悲歌(エレジー):捧げるいのちだから』

    生まれたとき

    母さんのおっぱいを夢中で吸った

    身体をふるわせむしゃぶりついた

    その味は生きる喜びだった

    

    青年となり

    デビューの日を心待ちにした

    晴れの舞台を予感した

    しまった身体は誇りだった

    

その日がきた

    狭い豚舎を後にした

    仲間たちに別れを告げた

    行く先は殺されることだった

    

    だから

せめて笑顔で食べてほしい

せめて美味しいと言ってほしい

人に捧げたいのちなのだから

    君に捧げた一生なのだから

SONG9『食べ物みんな生き物だ!』

    野菜、お米に肉、魚

    食べ物みんな生き物だ

    いのちみなぎる生き物だ

    脈打つ鼓動

    僕らの躍動

    生きる力を食べている

    感謝の心でいただきます

    

    果物、海草、きのこにたまご

    食べ物みんな生き物だ

    かけがえのない生き物だ

    元気の波動

    いただく感動

    尊いいのちを食べている

    ありがとう いたたきます

 最後に宣伝。

 食育子どもミュージカル『ベジタブル!ワンダフル!!』の歌とダンスをまたまたユーチューブにアップしました。「野菜は元気印」です。グーグル動画検索でもYoutube検索でもベジタブルワンダフルで検索すれば出てきます。ぜひ、ご覧ください。で、できれば高評価をね。

 

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部活動再開の条件は放射線量1μSv

2011-03-25 22:16:24 | 教育

 とうとう終了式も中止になった。生徒が登校するのは4月の始業式。このまま原発の状況を見つめつつ息を潜めていたい、でも、それでは前に進めない。どんなに事態が過酷だろうと、不確定だろうと、日々の暮らしは続いていく。どうせ続くことならば、より良く、より意欲的に事態を打開していきたい。これが人間ってものなんじゃないか。

 部活動については各部に任せる、という管理職判断だったので、演劇部は今日から練習を再開することにした。ただし、部活動継続の条件は、①放射線量が1μSvを超えたら中止、②原子炉爆発等の突発事態が発生したときはたたちに帰宅、帰れない生徒は顧問が送る、そして、あくまでも各家庭の判断を最優先する、というものだ。原発事故の推移を見つめながら、今やれることをしっかりやっていこうという方針だ。列車も3本しか動いていないし、ガソリンは相変わらず手に入りにくいし、さて、どれだけ集まるものか、不安だったが、結局一人を除き全員が活動に参加して来た。

 そして、今日は新入生のオリエンテーション。こんな非常事態だし、華やかな勧誘合戦はちょっと気が引けたが、入ってくる新入生にとっては緊張と期待の1日。新たに始まる高校生活の第一歩なのだ。例年通りにぎやかに迎えようと思って、開始時には全員でチラシ配りと声かけ、終了時にはダンスの披露を行った。そう、やっばり歓迎の気持ちをしっかりと伝えてあげなくちゃね。

 今年は手応えあり。昨年はさっぱり見てくれる人がいなかったけど、今年は立ち止まって見入ってくれる新入生が何人もいた。中にはダンスいいですね、と声を掛けてくれる親子なんかもいて、宣伝効果は上々。今年こそ10人を超す新入部員を獲得するぞーー!やっぱり数は力!数は元気!だものね。

 オリエンテーション終了後はいよいよ食育子どもミュージカル『どんでん森は、どっきどき』の制作再開だ。まずは、知野先生から届いたCDに合わせて歌の稽古。稽古ッたって歌ってくれている伊藤由美先生の歌に合わせてもそもそやっただけ。まっ、日にちを掛けて仕上げて行くしかない。その後1時間半は装置、衣装、かぶり物の製作。素晴らしい曲が上がってきたんだから、こちらも精一杯いい舞台作るよう頑張ろうと話しをした。

 しばらくぶりの稽古、やっぱりいいよなぁ、若い奴らが元気いっぱい飛び回れるってことは本当に大切なことなんだよ。

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新作はミステリー?

2011-03-19 20:38:06 | 演劇

 部活動が中止になっている。米坂線も奥羽本線も止まっているし、ガソリン不足は極めて深刻だから、これが学校の立場。でも、僕としては、原発の状況も要因として大きい。なんとか危機を脱してくれないことには、とても部員たちを学校に呼ぶことはできない。

 来いと声を掛ければ、自転車こいでだって来るだろう。今(3/19,19:00)の放射線量レベル、米沢市で0.1μSv/h程度なら戸外に一時間近く居たとしてもなんの問題もないと思う。でも、いつ致命的な爆発が起こるか、誰も予測がつかない。先日のように爆発が起こり400㎜Sv/hなんてことになったら、風向きしだいで置賜は危ない。現にすぐ隣の福島市の放射線量はかなり高めに推移している。まず、すべての原子炉の冷却が成功し、放水でなくポンプで冷却水が送れるようになるまでは、とても子どもたちを引っ張りだすことはできない。仕方のないことだ。

 というわけで、思いも掛けず、三連休を手にいれてしまった。この時期連休どころか、土日の休みだってとったことはない。まるまる三日間も自宅で過ごせるなんて、なんかとても不思議な感じだ。じゃあ、ボランティアに行くか?考えないわけじゃない。でも、ガソリンが心許ない。学校までの往復で5日分しか残っていない。ガソリンの配送システムが元にもどるまでまだ一週間近くはかかりそうだ。いくら燃費のよいプリウスでも給油しなければ、走れない。

 いやいや、本当言うと、やることがあるんだ。菜の花座の次期公演の台本を書かなくちゃならない。4月頭から稽古開始ということになっているので、残り2週間弱で書き上げなくてはならないわけだ。で、どこまで進んでるか?って言うと、昨日までほとんど構想すらもまとまっていなかった。書くものは独居老人の話しということに決めていた。それにフリーターやらホームレスなんか絡ませて、現代の貧困を書ければいいな、なんて漠然と考えて準備してきた。

 どうしても構成が定まらない。社会派ぶるのは得意じゃないし、何より面白くない。時代の問題を抉れば、それだけで一定の評価はもらえる。でも、それは果たして舞台や脚本が評価されたのかどうか、怪しい。やっぱりお話しとして面白いもの、引きつけられものを書きたい。となると、このテーマはなかなかやっかいなんだな。

 そんな行き詰まりの中での三連休、ありがたい!で、どうにかこうにか、構想がまとまった。なんと、ミステリーになってしまった!悪役ぞろぞろ、って言っても小ずるい奴らばかりだけど。果たして殺人?なんてはらはらどきどきもあったりして、これまでの菜の花座のほんわか幸せ路線とはほど遠いものになりそうだ。今日一日、展開を整理して、明日からは書き始められるだろう。キャラクターの肉付けも終わった。もちろん、キャスティングも。後はシーンに応じたせりふのやりとりってことになる。今回の作品はやたらとどんでん返しが多いので、伏線の張り方が決め手になりそうで、いかに無理なく会話の流れにヒントを忍び込ませられるか、かなり頭の体操になりそうだ。なので、アルコールで脳細胞が半分休止する夜は、本を読んで過ごす。

 題は未定。ともかく面白いものにしたい。当然ありそうもない話しなんだけど、見終わった人が、「なんかばかくせぇ」ってがっかりしないよう、とことん作り込みたいと思う。ということで、得した三連休は台本書きにすべて消える。震災報道のテレビつけたり消したりしながらね。

 

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ちょっぴりお役立ち、ちょっぴりエコライフ

2011-03-16 21:01:01 | 暮らし

 ガソリンがない!灯油が足りない!食品がなくなった!震災の余波は思いがけない深度と広がりで進行中だ。

 ここ山形では昨夜から雪、真冬並みの寒さの中で暖房は暮らしの絶対条件だ。もちろん食べ物も。困った、どうしよう?つぶやき、ため息が職場でもひっきりなしだ。

 そんな中、ごめんなさい、うち、あんまり困ってません。

 だって、ストーブ、薪だから。もちろん普段は石油ストーブも使っているけど、大地震からこの方、薪ストーブのある居間で常に生活するようにしている。余震の時には緊張するけど、まあ、あの一発本命の大揺れでも倒れなかったストーブと我が家なので、M7までなら大丈夫って今じゃかなり慣れきってなめきっている。

 さらに風呂も石油と薪の併用型。昨日は少し石油も使ってしまったけど、今日は枝野さんのエネルギー節約のお願いを聞いて、すべて薪で暖めることにした。2時間近くかかる間、何度も釜に薪をくべにいかなくちゃならないけど、暖かい風呂に入れるってだけで、被災者の人たちには申し訳ない限りだ。

 次に食べ物。うちは米作ってるし味噌も自家製なので、米、味噌はふんだんにある。さらに白菜、タマネギ、これも貧弱だけど、越冬野菜としてとってある。これだけでも大いに安心なんだけど、副食材料は生協からちょうど震災の日に届いていたものがあったので、今日までほぼ一週間、買い物はなしで過ごせた。あっ、そうそう、昨日たまたま通りがかったので、町の肉屋さんで自家製餃子だけ買った。これ、とっても美味いんだ。あと、神さんと現在緊急別居中(なんと地震の当日東京に出かけていて、それ以来、山形新幹線不通のため帰宅できず、東京の実家で過ごしている)なので、2度昼食を外食した。明日はおにぎりを持って行くつもり、なので飯も多めに炊いた。

 電気とプロパンガスは使わせてもらっているけど、止まれば止まったでなんとかなる。なんたって、暖と食が保証されてるから。飯炊く、みそ汁作るったって、ストーブがあるから。問題は車かな。ガソリンは職場との往復であと一週間分。これもプリウスだから助かっている。いざとなったら自転車か?うーん、片道1時間半てのはちょっと辛いぞ。

 ってことで、我が家のちょっぴりエコライフ、この我慢生活にちょっぴりお役立ちだ。この震災被害はこれからの日本のあり方を大きく変えていく転換点になりそうだ。もう既に電力の原発依存への見直しが始まりつつある。産業・経済については新しいあり方が問われることになるだろう。われわれの暮らしも見直しの機運が大いに進むことだろう。いろんな人が、いろんな形でちょっぴりエコな暮らしを作っていく、そんな時代が、巨大津波によってすぐそこまで押し寄せてきた。

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放射能がやってくる?

2011-03-15 21:10:53 | 教育

 前の記事『震災!でも子ミュージカルは創る!!』に対してコメントをいただきました。惨事を横目に日頃の活動を続ける置農演劇部への支持と激励のコメントでした。お寄せいただいた元ORION'S代表さん、ありがとうございます。

 私自身悩みながらの毎日です。
今日も部員たち、6人も登校してきました。ある者は1時間半も自転車をこいで。ところが、昼のテレビで400ミリシーベルの報道、これにはさすがに慌てました。もしかしたら致命的な放射能放出があったのかもしれない。折しも天候は冬型になって、風向きも東南に変わってくるという。福島原発と川西町とは直線距離にしてわずか90キロ、風に運ばれればあっという距離だ。

 予定を変更して早く終了させようと思っていた矢先、県教育委員会から生徒下校の指示が届いた。放射能到来の可能性があるので3時までには全員下校させるようにとのこと。

 大慌てで片づけをさせ、全員下校させた。残念だが当然の処置だ。部員たちにたとえ微量と言えども被爆させたくはない。状況が不鮮明なので、明日は部活動中止を指示し、また、外出も控えるようにとも伝えた。子どもミュージカル完成に向けて大きな痛手だが、こればかりは仕方ない。

 帰宅後テレビ報道から、どうやら大規模な放射能放出はなかった模様を知り安堵した。まずは良かった。格納容器の破損や爆発などということになれば、それこそ、これまでの暮らしすべてが根こそぎされかねないところだった。

 ただ、それに関連して県教育委委員会の通達を先走りと批判する声が多く寄せられ教育長だか、副知事だかが陳謝していた姿を見て、大いに違和感を感じた。たしかに今にも放射性物質が降り注ぐかのような印象を与えて児童・生徒その保護者を心配させたのは勇み足だったかもしれない。しかし、あの時は、そんな最悪の事態もあり得る状況だった。なんたって400ミリシーベルだ。前日までと単位が一桁(1000倍)も違うのだ。何かあったかも知れないと思っても、また、それを想定して行動したとしても、責められるべきものとは思わない。この間の重大な事態の公表が常に遅れ遅れになっていることからすれば、手遅れにならぬよう手を打つのが為政者というものではないかと思う。

 結果的には誤った情報に乗って先走った形になったが、こんなことは心配しすぎでちょうど良いのだと思う。パニックに陥らぬようとの配慮も必要だが、放射能や原発事故の恐ろしさを知らない人間も多すぎるのではないだろうか。その時間帯に放送していた地方民放局のアナウンサーのあっけらかんとした話しぶりには正直腹がたった。そのアナウンサーは、その一時間前時点の山形での放射能レベルが昨年同期並みということと、風の方向が西風に変わるということを根拠に、心配はないとした。しかし、わずか一時間後にはレベルが急上昇するかもしれないのだし、置賜地方の風向は東南に変わると天気予報で伝えたばかりだったのだ。原発の中で、原子炉の容器内で何が起こっているのか、よくわからない。非常事態は瞬時に突発しその被害は瞬く間に広がる、それが原発事故だ。たとえ、未確認情報であっても、対応できるならしておいた方がよい。今回の下校指示などそのように考えるべきものだと思う。人々にいたずら不安を煽るな!という。しかし、やたらと安全神話をばらまくのもどうかと思う。

 放射能汚染は、だれが何と言おうと、大変なことなのだ。子どもたちを絶対に被爆させてはならない。

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