ステージおきたま

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重いテーマをエンタメに!いいのか?菜の花座公演『蒼い森の館』

2024-08-31 08:55:55 | 菜の花座
菜の花座11月公演タイトルは『蒼い森の館』、珍しく捻りなしの直球勝負だな。

※フリーイラストお借りしました。

台本締め切りは月末、いよいよラストシーンに差し掛かってるから、なんとか予告通りに稽古が始められるだろう。まるまる1カ月、溜まりにたまる積読の壁に囲まれながら、ひたすら、書き続けて来た、ってほど集中してたわけじゃないけどな。
薪割りもあるし、秋野菜の種蒔き苗植え、イノシシ対策ってのもあったし。

台本完成を前にして、今さらながら躊躇ってる。

あまりに重いテーマをエンタメ風に仕上げていいのか?って悩みだ。

敗戦直後の満州、ソ連軍の急襲を前に、一人の女性をいけにえに選んだ開拓団の話しだ。集団の女たちを守るため一人ソ連兵の性の相手を強いられた女性は、帰国後も村の中で厭われ避けられ続けた。

実にやり切れない、辛い話題だ。

いろんな問題が詰まってる、戦争と性暴力、男の横暴さ、弱者を犠牲にすることを厭わない村社会の卑劣さ、一度押された負の烙印が独り歩きするいやらしさ、部外者に対する差別意識・・・、うーん、考えるだけで、辛い。

なのに、選んでしまった。この事実、テレビのドキュメンタリーでも取り上げられた、を知ってしまってからずっと、いつかは面と向かわねばと思って来た。

で、書き始めてはみたが、俺が書いてもいいものなのか?男が書けるものなのか?事実の重さに匹敵する言葉を提示できるのか?こんなやり切れない事件を舞台で取り上げてもいいのか?しかも、軽さが売りの菜の花座で?ずっとためらいは引きずったままだ。

掲げたテーマはしっかりと届けつつ、芝居の楽しさも同時に味わってもらうなんて可能なんだろうか。

舞台は日本の山村に移した。村はずれの深い森に孤立して建つ館、そこに住まう旧華族の娘たちが、進駐軍上級将校相手の性奴隷として、村人たちの標的にされ、いけにえとして差し出されたことにした。

ただし、話は、開発バブル華やかな35年後を中心に展開する。森の奥の古い洋館、それに目を付けパワースポットとしてリゾート開発を目論む不動産会社、抵抗するかつて犠牲を強いられた女たち。
物語を複雑に多様にすることで、事実のあまりの重さを軽減することを狙った。幽霊なども登場し、コミカルなシーンも付け加えた。
面白くなった、たしかに。が、

いいのかこれで?犠牲になった女たちの悲痛な体験を軽くあしらうことになってしまったんじゃないのか?
様々なテーマにも触れた、が、ただ上っ面をさらりとなぞっただけになってはいないか?

いくらかでも明るい希望を提示して終わる菜の花座のいつもの展開でいいのか?軽すぎないか?

悩みはずっとそばに寄り添ったままだ。最期の自死に至る少女の思いを書き連ねつつ、きっと、稽古を通し、終演に至るまで、この鬱屈は続くことだろう。
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プチ鹿島、お勧めです!

2024-08-30 09:04:33 | 社会
えっ、知ってる?プチ鹿島。



えっ、読んでる『こんな日本に誰がした!』。
えっ、見た?ドキュメンタリー映画『センキョナンデス』。
えっ、ファンなの?配信生トーク番組『ヒルカラナンデス』。



って人たちにゃ読んでもらう必要ないな。

毎週楽しみにしてる文春オンライン掲載の記事?エッセー?政治時評?通しのタイトルないぞ、なんて書きゃいいんだい!

今日の回も、もう、笑いながら、感心しながら、読ませてもらった。
bunshun.jp/articles/-/73042

何がいいって、そのズバリ的確な世相切り取り力とシニカルな笑いでくすぐる言葉選びかなぁ。
生半可の評論家なんて足元にも寄せ付けない取材の確かさと迫り方の斬新さ、いつも、楽しみつつ、感動、感心、感激で読ませてもらってる。
悪いねぇ、いつも無料で読ませてもらって。
あっ、『センキョナンデス』は金払って見たから。

今回のテーマは言わずもがなの自民党総裁選。まな板に上げられたのは、主にコバホークこと小林鷹之、プチ鹿島にしてみりゃイビリ甲斐満載の題材だな。

唸った表現、幾つか紹介しよう。
☆「なぞの人気投票(世論調査)をして興行(総裁選)を盛り上げる。新聞は政策論争をと書くが、政治部記者は権力闘争が嬉しくてたまらない。」
総裁選にものの見事に乗せられている記者たちの姿が浮かび上がる。
☆「裏金事件に踏み込めないコバタカ、裏金議員の救世主だなんて、なんか思ってたのと違う。」
騙されたふりして、軽くジャブ繰り出す軽快さ。
☆「それにしても、「記憶にありません」なんて昭和自民党からの伝統芸。コバタカは若いのに古い味わいもする。」
昭和自民党、伝統芸という言葉選び、古い味わい、なんだか、芸能記事とか食レポのような食感あるだろ。
☆「「刷新」とは言わず「刷新感」と言っていることにも注目したい。やってる感と同じだ。」
たった一つの語からずばり本質を見抜く力の確かさ。
最期に、
☆「もっと夢を見させてくれよ総裁選! 心配だらけです。気分転換に今回の興行の鑑賞ポイントをあらためて言おう。
 総裁選は現段階で10人前後の名前が浮上する。この10人の裏には、80人近くの裏金議員が息を潜めて総裁選に期待しているのだ。顔が替われば裏金問題はチャラになるとワクワクしている。この様子を見ておくことが最大のポイント。そうですよね、萩生田さん。」
もう、まとめとしてこれ以上のズバリはないな、そうですよね、萩生田さん。

って、ことで、プチ鹿島の文章の抜き書きだけみたいなブログになっちまった。毎朝新聞を8紙?、隅から隅まで読み通す彼の情報集めの徹底性とそこからキーポイントを見出す眼力、そして、それを巧みな皮肉に包み込む言葉のセンス、ぜひぜひ、知ってもらいたくってさ。

新聞、テレビが、ほとんど政権の太鼓持ちに堕ち切ってしまった今、デモクラシータイムスとか、ポリタスとか、アークタイムなんて大真面目な動画配信も大切だけど、彼のような軽妙洒脱な政治ものの果たす役割大きいんじゃないかなぁ。
今、ふと思ったんだけど、これって今どきの瓦版なんじゃないか、さぁさ、読んどくれ!特ダネだよ、おもしろネタが満載だぁぁぁ!

プチ鹿島様 無断転載ご勘弁を。お詫びの印に著書や活動の紹介しておいたので、その点よろしく。

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嫁に行くなら60万円、はっ?

2024-08-29 08:52:55 | 社会
東京から地方に嫁に行くと60万円もらえるようにするんだって。



これもうツッコミどころ満載の政府提案で、そこら中から、バカか!アホか!間抜けか!トンチンカン野郎め!って声が上がってる、当然!

そんなはした金で地方に嫁入りする女性いないだろが、とか、
嫁いだ先は家父長制の男天国、どうにかしろよ、とか、
なんで嫁だけなんだよ?とか、
それって体のいい身売りじゃねえの?とか、
結婚のため移動、女だけに声掛けって!とか、
60万円もらったって、田舎の低賃金じゃぁぁぁ、とか、

総スカン!ってこういう反応状況を言うんだなぁ。

思い出したのは、外国花嫁さんいらっしゃぁい絶賛期。あの頃は途上国との生活格差がそこそこあって、海を渡って来てくれる女性たちも少なくなかった。

が、今じゃ、日本の水準はダダ下がり、給料安いし共働きは当然、非正規で安く働かされ、税金諸経費は収入の半分近くガッポとさらわれ、おまけに、災害被害は自己責任で過疎地は見殺し、その上、政治家先頭に男社会は大威張り、
誰が田舎に来てくれるって言うのよ!

だったら、都会から女たちを追い返そう!って、あ~あ、やっぱり産む機械にしか見れない男性官僚たちの底の浅さが見透かされてるぜ。

こうなったら、女たちよ、そっぽ向く前に、裏をかいて元とってやれよ。
婚活イベントに参加する旅費も出してくれるってことだから、あちらの婚活、こっちの婚活、巧みに渡り歩いて、自己負担最少の旅行を楽しんじゃえばいいよ。
時には、軽くデートもしてやって、ご当地の観光、グルメなんか満喫して、それじゃご縁があればまたねぇ、さようならって。

なんだぁ?一種の婚活詐欺だぁ?

なぁにいいのさ、身売り業者の下手な誘いなんて上手に逆手にとってやれば。

うむ?これなんか、コントになりそうだぜ。
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立ったまま靴下履けるようになった!って報告を

2024-08-28 09:06:22 | 老いる日々
春先、騒ぎまくってた、靴下履けない現象、気づいたら解決してたよ。

年取ると、体は固くなるし、片足立ちのバランスはすぐ崩れるし、立ったまんまで靴下履くのって容易じゃないのよ。これが一つの老化症状進行の基準になってる?くらいなのさ。



傷ついた股関節が凝り固まって、散々だったのが春先。辛かったねぇ、なんせあぐらもかけないし、腰も曲げられないんだから。
あぁ、このまんまあちこち凝り固まって、運動もできなくなり、ついには寝たきりに・・・なんて不安がよぎることしばしばだったんだぜ、マジで。

いかん、そりゃダメだ!まだ老いさらばえるにゃ早い。田んぼ作り続けにゃならんし、ハーフに格下げしたけどマラソンだって走らにゃならん。

傷つき固まったんなら、ゆっくりじっくりほぐすしかないだろ、って、簡単なストレッチを続けてきた。まっ、ちょくちょくサボりながらだけど。
これ、効いたなぁ、おかげで田んぼの除草機も無事押しきったし、東根ハーフも制限内にゴールできた。

でも、やっぱり固いなぁ、以前の滑らかさには遥かな隔たりだ。ストレッチって言っても適当だし、週2~3回走るってのも、逆に筋を収縮させてるのかも知れない。

まっ、歳だ、歳だ、仕方ねえさ!

ストレッチもさらに間遠になって、成り行きに任せになりつつあったんだが、だったらせめて筋トレでもしてみようか?だったらせめてって、どういう意味だよ、全然関連性ないだろ。
要するに思い付き、ジムで走ったあと、8種類ほどの筋トレマシーンに乗って見ることにしたんだ。
前屈したり、背筋伸ばしたり、股関節広げたり、肩の筋肉鍛えたり、腹筋20回ほどに鉄アレーなんかもちょちょっと上げて見たり、真似事だね、筋トレの。



重いぃぃぃ!4年前にやってたころ耐えられた負荷が、まったく歯が立たない。が、まっ、そんなもんだろ、老化の進行は。ぐっと軽くしたところから始めるようにした。

で、これがまぁ、なんと、効くんだよねぇ。

腰の曲がりもしゃんとなって来たし、股関節の痛みもいつの間にか消えた。ストレッチしてた頃より柔軟性も増した気がする。
靴ひもをほどく時も、膝を完全に曲げてしゃがめるようになった。
ってことは、靴下履きも立ったまんまで難なくできるようになってるじゃないか!
いやぁ、大したもんだぜ、筋トレ(真似事)、体柔軟にする効果があったんだ。衰えに目をつぶっていた上半身も筋肉戻ってきたようだし、歩く速度も速くなった。
いいなぁ、何もマッチョになるだけが筋トレじゃないってことなんだ。

勧めるぜ、若さを取り戻すための筋トレ!


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若手の公演見た!

2024-08-27 09:34:28 | 劇評
菜の花座所属の役者二人と高校演劇部時代の教え子が出る舞台、そりゃ見に行かなくっちゃ。こっちの台本書けてなくてもさ。

レッサーファーストペンギンって劇団名なんだけど、キャストもスタッフもいろんな劇団の寄せ集め?うーん、こういう合わせ技みたいなことできるのが、若さでもあり、山形市でもあるよなぁ。羨ましい。



ホールの扉を開くと、なんと客席は空っぽ!中央に舞台に向けてムーンロード?が一筋、おっ、案内役は全身電飾で浮かび上がった。

舞台上に客席設えるる趣向といい、こりゃ若さ全開の激しく難解な作品に違いない、って身構えた。明るくなった6畳ほどの演技空間にはベンチが一脚。うーん、なんか前衛的?

身構えたところで展開したのは、意外にも極めてオーソドックスなお芝居だった。安心した?まぁな。

なんたって分かり易い。

男二人の『オムライス』は男の料理教室に出かけて出会った男二人の会話劇。一人は妻に逃げられた男、もう一方は未婚のまま老母の介護に疲れ果てた男。現実世界ではみ出した男たちの饒舌の先にほのかな友情の兆しが現れるって話しだ。
やけに距離感無視した男の語り掛けの強引さと次々あちこちに飛ぶ話題のナンセンスは大いに楽しめた。上手く生き切れない男二人の心の闇が現れるあたり緊張感もあり、迫るものがあったな。

女3人芝居は、3姉妹の仲たがいと和解の物語。久しぶりに会う母の3回忌の法事、という設定はわりとよく見聞きするものじゃあるし、長女だけが父親の連れ子で母親違い、でも、亡き母は3人ともども大切にしていたことがわかって、改めて3人の絆を確かめ合うって設定も、まぁ、見て聞いて納得、安心ってところだな。
よくできてるし、役者三人の実力も確かだ。何より3人の役柄がぴたりのずばりだな。ほろりとさせるところはしっかり涙を誘えていたし、女3人の姉妹ってあんな感じなのか、へぇ、って思いつつ見せてもらった。

まっ、裏切らない1時間、ってことじゃあったんだけど、なんか、オーソドックスすぎねえか?ぴたりとお客さんのニーズ?に合わせ過ぎちゃいねえか?
小さくまとまっていて、うーん、今時の若者は保守的だって言うけど、本当だなぁ、もっと違和感撒き散らして観客と対峙するような舞台でもいいんじゃないのかな?って物足りなさは残ったなぁ。

社会性の希薄さってとこも、今の俺からするとなんとかしろよ、って感じがする。今時、こういうホームドラマ作ってていいの?ってことさ。いや、エンタメはいつだって必要かつ不可欠なんだけど。
もう少し時代の生臭さやヤバさを敏感に感じ取った舞台作ってもいいんじゃないかな。たとえ、観客はそっぽ向いたとしても。たとえ、未熟で失敗したとしても。

で、改めて思ったんだが、俺が書くものってその未熟でぶきっちょな作品ばかりだよなってこと。

戦時の逃亡兵とか、朝鮮人の皇国兵士とか、慰安婦とか、組合活動家とか、時代といざこざ抱え続けた者たちばかり書いている。
今の時代を書けって言われて書いた前作『悪人なおもて』は少し砕けて笑いを狙ったものだが、悪辣で図々しい政治家たちの悪業の数々だっりした。

時代認識の違いだってこともあるが、それ以前に俺の生い立ちが、こういう予定調和のホームドラマを拒絶してるってことは大きいって感じるのよ。

だって、俺も腹違いの兄弟だし置かれた環境はもっとうんざりのものだったから。まっ、今言う親ガチャに親近感感じる育ちをしたのさ。
なんてことは、作品の陰で貼りついちゃいても、作品の良し悪しとは全然関係ない。

あっ、それともっと羽目外しの面白さとか工夫とか、エンタメ性とか、つまりダンスや音楽とか、はちゃめちに楽しんで欲しいってのも、勝手な無いものねだりなのかもな。

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