ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

頑張れ!音楽座!!

2007-04-29 19:50:43 | 演劇

 今日は、音楽座の、ミュージカル体感ワークショップに参加した。と言っても、僕は見てただけ。えー、定期公演の装置と音楽考えなくちゃならないからねえ、オホン、オホン・・・。参加したの生徒達と顧問N。音楽座のミュージカル『アイ ラブ 坊ちゃん』が6月に公演されるに先立って、まあ、その入門編て言うか、客寄せって言うか、音楽座の役者3人が来て、指導してくれた。もちろん!川西町フレンドリープラザだ。

 5時間のワークショップの中心は、参加者で簡単な物語を作り上げ、それをみんなに見てもらうって内容。まあ、これ自体は、よくあるパターンだけど、そのストーリーが、音楽座の歌につながってエンディングを盛りあげること、っていう制約付きなんだ。なるほど、なるほど、これは上手いこと考えたもんだ。かなりテンションの高いエンディングテーマみたいな曲に、いかにスムーズに話しをつなげて行くか、これはなかなかレベルの高い応用問題だし、ミュージカルってものを知らず知らずに体感できるって趣向だ。

 シンデレラやら、水を求める動物たちの話しやら、参加者が、あれこれ知恵を出し合って、最後の歌唱につなげていた。まあ、演技や歌の質は、この短時間だから、望む方が無理。それよりも、一緒に創るって過程が、大切なんだよね。

 今回は、置農演劇部25名とフレンドリープラザ子ども演劇教室の児童10名ほど、それに一般の参加者、これまた10名くらい。引っ込み思案の置農生にとっては、この割合はかなり良かったみたい。なぜって、完全に多数派だから、大きな顔していられるしね。なんか、すっごくのびのびとやっていた。もちろん、自分たちが、ミュージカルやってるって自信もあるしね。

 だから、いつもはそっと控えてる生徒が、大人達相手に、演出したりしているの見て、ええーっ、いいのか?って、ほんと、驚いてしまった。う~ん、成長するもんだよ、人は。小さい子ども達が一緒にいたってことも良かった。はしゃぎ回る小学生を、芝居の中に引き戻そうと、一生懸命頑張ってる姿、ぐっときたよ、ちょこっとだけど。さらに、まだ、経験の乏しい一年生まで、かなりはしゃいでいて、心底、楽しんでいた。みんな、気持ちよく過ごしていたな。

 で、これがワークショップで一番大切なことなんじゃないだろうか。新しい経験、様々な人たちとの出会い。そんな中でも、心を開いて、みんなとつながっていける。たかだか5時間で、技量がアップするわけはない。ミュージカルの何たるかがわかるってわけでもない。初めて出会った人たちと、最初は、おずおずと、徐々に心を開いて、最後は、一つになって短い舞台を作り上げる。この、心が開かれる実感!他者とつながった直感!これだけ得られれば、ワークショップは、見事、成功だ。

 そして、今回、ワークショップをリードしてくれた音楽座の藤田将範さん、よかったねえ!常に高いテンションを保ち、ミュージカルへの夢を語り、出会いの素晴らしさを、ワークショップとして演じきってくれた。とりわけ、今日、出会ったことを感謝し合う全員のパフォーマンス、そして、一気にカーテンコールへとつなげていく動きは迫力があり、参加者全員が彼に乗せられて盛り上がっていくのがありありと見て取れた。さすが、プロ、素晴らしい。ワークショップ終了後、さっそく、地区演劇講習会の講師にと打診したほどだもの。

 終了後、延々と写真撮影にも応じるサービス精神。音楽座のミクシー会員への登録を勧めるそつのなさ。とごまでもどこまでもプロなんだよなあ。頑張れ!音楽座!!

 

 これが、ワークショップの

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演劇は、友達の輪!

2007-04-27 23:07:49 | 教育

 部活動を通して友達ができる!当たり前だろ、って?違うんだよ、部の中の話しじゃないんだ。他校の生徒と友達になるってことなんだよ。これって、珍しくないか?運動部じゃあ、他校生は敵だしね、文化部なら、う~ん、付き合いなんて、最初からない。ところが、演劇部は、ちょっと、様子が違うんだ。

 昨日、隣町の高畠高校の演劇部員11名が、合同練習にやってきた。正式には演劇愛好会なんだけど、とっても熱心だ。三年生が中心で、今年新入生を獲得できないと、廃部の危機!にあったんだけど、頑張ったよね、4人も新入部員がいた。去年に続き、二回目の合同練習だ。

 実は、昨日、PTAの総会、クラス懇談会で、とっても、他校生を迎えられる状況になかったんだけど、あえて、あえて、来てもらった。だってね、わざわざ来てくれるって有り難いことだし、二つの学校の演劇部員が稽古を通して交流できるって素晴らしいことだって感じたからなんだ。

 合同練習は、主に、置農の練習メニューをざっとおさらいしてもらうことしかできなかった。ストレッチ、ダンス、発声、歌唱。そして、最後に定期公演の本読みの様子を見てもらった。定期公演は横内謙介作『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』だ。シェークスピアばりの王様あり、リアルな演技ありと、高校演劇中心の高畠高校の部員には、きっと新鮮に映ったことだろう。2時間という時間が、あっという間に過ぎてしまった。

 そして、別れの時。玄関で、思いがけない光景が広がった。向かい会った二つの演劇部部員同士で、2週間後両部員が参加する、県高校演劇合同講習会での、分科会ごとのエール交換が始まったのだ。ジャズダンスに参加します、よろしく御願いします。演技応用の分科会で~す、照明です、殺陣です、衣装班です、・・・全員が、それぞれの分科会を紹介し、東根市での再会と講習会での協力を誓い合ったのだった。

 さて、高校演劇の効用だ。確かに、他校生は、競争相手なんだ。地区大会を勝ち上がるためには、勝たねばならない。あっちが行けば、こっちは涙だ。県大会に行く行かないは、運動部同様、すっごく大きな問題だ。県大会に行けない苦しさを、去年とことん感じたからね。それは、ほんと、よーく、わかる。

 でもね、でもだ。そればっかりじゃないんだよ、演劇部って!!究極は、演技だから。行き着く先は舞台だから。所詮、比べものになんかならないものなんだ。だいたい、演劇に勝ち負けつけるって、どういうこと?吹奏楽みたいに課題曲あるわけじゃないんだから。やってる芝居は千差万別。言ってみれば、演歌とジャズとロックで競い合うみたいなものなんだよ。これでどうやって勝敗つけるって言うの?ここんところが、部員同士、わかってるからね、仲がいいんだよ、演劇部は。お互い、定期公演なんか見に行き合うしね。

 それと、県内すべての演劇部の集まる機会が、結構あるってこともとってもいいことだ。講習会、リーダー研修会、それに県大会。こういった貴重な時間を共有しあって、お互い親交を深めていくんだ。職業高校と進学校。海辺の学校と山ん中の学校。いろんな学校のいろんな生徒達が、演劇を共通の言葉として、語り合い、理解し合い、友達になっていく。もし、演劇部に入らなかったら、あり得なかった、この新しい交流が、次々に友達の輪を広げていくのだ。

 まさしく、演劇は、友達の輪!!なんだよなぁ。東根の講習会、ほんと、楽しみだ!

 

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歳とるって、悪くない!

2007-04-25 00:22:46 | アート・文化

 来ましたよ、来ました。アルトサックスですよ。ライブハウスJのオーナーK氏じきじきの手配、そして、調整。御願いしたのが、4月1日だから、ながーいながーい3週間だった。ようやくにして届いたアルトサックス、まずは、K氏から懇切丁寧な説明。最近の楽器より昔の楽器の方が質が上なんだそうだ、ふむふむ。プロは、新品でもすべてオーパホールしてから使うだって、へえーだね。さらに、サックスはマウスピースが決め手なんだって、いやはや驚きだ。マウスピースによる音色の違いを、K氏直々のデモ演奏で、再現してみせてくれた。

 K氏のマウスピースはジャズ用の高級品。う~んたしかにたしかに、音がまろやか、って言うより、妖しい響きだ。妖艶な女性がしなだれかかってくるような感じ。一方、僕が買ったものは、クラッシック向きのオーソドックスなものなんだそうで、たしかに、固い。しまってる。身持ち堅固。浮気はしない!うん?なんのこっちゃ?ちょっと面白みに欠けるかな?ジャズ用のカラオケ、こんなんがあるんだあ!!をバックにいろんな吹き方を実演してくれた。

 そして、ついに、僕の手に!どこを持ったらいいの?ここ触って大丈夫?恐る恐る手に持ってみる。中古とは思えぬ金色の輝き。ずしりとした材質感。いいぞ、いいぞ、ぞくっとする。K氏に促されて、マウスピースを口にあてる。45年前のクラリネットの経験を頼りに、息を吐き出す。・・・・・・出ない!音が出ない!・・・・力抜いて、のアドバイスだが、力を入れてる気持ちは、毛頭ない。上の歯を軽く添えるように、・・・こうかな?・・・おおーっ、出たぞ!出たぞ!アルトサックスの音だ。って、当たり前だろ。

 一度、音が出てみると、だんだんと昔の口の感覚が蘇ってきて、ドレミファ、なんてぎこちなく吹いてみた。おおっ、いけるじゃないか。K氏にリードされて、何曲か童謡を吹いてみる。うん、つっかかるが、まあ、なんとか。今度は、K氏とハーモニー。ほら、いいでしょ、ハモってる、って言われてみても、こっちは、自分のメロディ吹くのが精一杯なんだよ。そして、レッスンの締めくくりは、K氏のドラムに合わせて、『ちょうちょ、ちょうちょ』のスィング風演奏までさせてもらった。いやいや、あくまで、風だから。

 さて、何が吹いてみたいんですか?ってきかれてもねぇ。そりゃ、『レフト アローン』とか『マイ フェイバリット ソング』とか『マザーレス チャイルド』とか、ありますよ、でも、自分が、そこまで行くなんて、てんで信じてないからね。まずは、チンドン屋でしょう。5月4日、米坂線羽前小松駅前で、菜の花座チンドンパレードなんだ。間に合うかあ?無理かなぁ!?無理だよなぁ!!

 それにしても、歳とるって悪くない。こんなことがへっちゃらでできるんだから。恥とか、外聞とかって、もう関係ないからね。やりたいようにやる。下手でもやる。馬鹿にされてもやる。顰蹙買おうと、軽蔑されようと、どうでもいいの。今やらなくて、いつやるんだ、って、もう完全に開き直ってるからね。上手い下手なんて、超越してるんだ。

 こういうの年寄りの冷や水って言うのかも知れない。でも、冷や水かぶれる思い切りって、有る意味、若さなんじゃないかな。じゃんじゃかがぶっちまえばいいんだよ、冷や水くらい。えっ、それで、心臓麻痺?!あっ、それ、やっぱり怖い!!

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言葉を届ける:50(歳)を過ぎれば板(舞台)地獄⑥

2007-04-22 22:05:07 | 演劇

 川西町フレンドリープラザ演劇学校で教わった、一番大切なこと、それは、 「言葉を届ける」ってことだ。言葉なんて、いつだって、誰だって使ってるし、使ってる以上、相手に届いてるんだろ?そう思うよね、だれだった。でも、周りをぐるっと見回してみると、うっ、こいつ聞いてない!とか、それ誤解だって、なんてことが結構ある。商売柄、生徒と話すこと多いけど、ああ、ダメだ!こいつら聞いてないゾ、なんて経験はしばしばだし、僕の方だって、同僚の話に適当に相づち打ってることもなくはない。うそ、それのが多いだろって、まあまあ、世の中渡るに方便も必要だって。

 「言葉を届ける」最初の稽古、これには面食らった。舞台の上手下手にわかれて、一対一で言葉の投げっこをするんだ。例えば、こんにちわ、とか、青空、とか、夕日がきれいです、とか。遠いったって、たかだか10メートルってところだから、どんなに小さな声だって聞こえる。でも、佐藤先生は、聞こえたかどうかでなく、届いたかどうかを聞くんだ。ええーっ、聞こえたら届いてるってことじゃないの?いいえ、届いてません!横で一緒に聞いていた佐藤先生の非情なダメだし。これが何度も続く。そう言われれば、なんか、こっちの心にも入ってきていないような?・・・お互いに相手の言葉に耳を研ぎすまし、懸命に聞く。そして、必死で声を張り上げる。声の調子を変えてみる。相手の目を見て言葉を投げてみる。もうともかくめったやたらと言葉の応酬だ。届いた?うーん、ちょっと?じゃあ、これなら?あっ、いいかも?・・・・そのうち、なんとなく感じが掴めてきた。手前で声が落ちた。あっ、頭の上を通過した、良し、今の声、届いた!ほんと、微妙だけど、たしかに、届く言葉と届かない言葉がある。そのことをとことん、たたき込まれた。

 自分の言葉をしっかり相手に届ける。相手の言葉が届いているかどうか聞き分ける。微妙な訓練だけど、実は、これが舞台での対話の基本だってことを教えてもらえた。今、演劇部でもこの稽古は使わせてもらっている。部員達には厳しい稽古だ。以前の僕と同様、よくわからない。首を傾げながら、夢中で声を投げ合っている。果たして、届いた実感を得たのかどうか、僕にもよくわからない。でも、少なくとも、相手の声や言葉に全神経を集中するって経験は、絶対貴重だね。あと、届く言葉と届かない言葉がある、らしい?ってことを知っておくこともね。芝居の稽古に入ってからだって、相手のセリフを聞かないで芝居やってることが多いから、そんなときには、この稽古のことを思い出させるんだ。

 芝居以上に、実生活でこの訓練は重要だと思う。特に、教師にとっては必須だね。教師には、生徒達が言うことを聞く先生と、相手にしない先生とがいる。理由は様々だけど、その一つに、言葉の力があるってことに気付いたんだ。声の大きい小さいではない。男か女かってことでもない。人柄でもない。話しの中身ですらない。いやいや、中身も大事だけどね。言葉の力なんだよなぁ。

 どんなに生徒思いの先生でも、生徒に理解されない人がいる。大切なことを話しても生徒が聞いてくれない人がいる。そんな時、その人の話す言葉は、生徒の心に届いていないんだ。生徒の心に刺さっていかないんだ。こんな先生のクラスはおうおうにして、荒れる。一方、中身はたわいない話でも、生徒はひどく感心して聞き入っていたりする。これは、逆に言葉に力のある教師だ。こんな先生はクラス経営が上手だ。

 学年が進み、人間理解も深まった生徒なら、言葉の力を越えて、先生の人間性を評価するようにもなるのだけれど、そこは、やはり高校生だ。大多数の生徒は、言葉の力の前に姿勢を正す。だから、教師にとって、届く言葉が話せるってことは、絶対必要なことだと思う。特に、教科指導と同等以上に生き方指導が求められる学校にあってはそうだなんだな。

 そんなことが、演劇学校の稽古を通して理解することができた。で、今では、若い先生達にこのことを繰り返し繰り返ししつこく!語り続けている。教師は絶対、自分の言葉を鍛えなくちゃだめだ。語るべき中身の蓄積と並行して、それを生徒の心に届ける技術を磨かなくちゃいけないよ。それには、演劇が一番だ!

 で、どう?菜の花座入らない?これで、顰蹙を買う毎日なんだよね。

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ばれたか、サックス入門!

2007-04-20 22:40:36 | アート・文化

 そっと、秘密で始めようと思っていたんだ。恥ずかしいじゃないの。この歳で、楽器始めるなんて。それも、アルトサックスだからね。続くかどうかも自信ないし。内緒で稽古して、吹けるようになったら、名のりを上げようって心づもりだったんだ。

 ところが、今日、思いがけない人から、サックス買ったんですって、と来た。ええーっ、知ってるの?ありゃりゃ!やばいよ、これは。でも、考えてみれば、楽器の購入を御願いしたところが悪かった。ライブスペースJのK氏だから。サックス買うなら、断然中古!でも、それなりの人に選んでもらわないとね、という友人の言葉を頼りに、K氏に仲介を御願いした。

 彼は、この町では、抜群の知名度を誇るアマチュアミュージシャン兼バンドマスター兼ライブハウス店主兼会社社長なのだ。彼がいるから、この川西に素晴らしいプロたちが集まってくる。まったく、信じられないようなラインアップのライブが、次から次と行われている。3年前から続いてるスィングガールズゆかりの『東北学生音楽祭』、これだって、彼とその仲間達の力があればこそなのだ。

 そんなK氏にサックスの仲介を御願いした。いやあ、彼、とっても喜んで探してくれたんだ。仲間が増えるってことがよほど嬉しかったんだと思う。それも、この町の演劇畑生え抜きの僕がだからね。まっ、演劇、音楽の軍門に下るってところかな。おい、大袈裟だよ。

 さらに、今回は、思いがけず素晴らしい楽器が手に入ったみたいで、このこともきっと嬉しかっただよね。ライブハウスに出入りする人ごとに吹聴してくれてるみたいなんだな。で、思ってもみない方面から、楽器始めるんだって、サックス買ったんだって、って話しがひっきりなし、ってことになっちまった。いや~、弱ったね。

 こうなりゃ、もう、やるしかないね。いつもの通り、有言実行。宣言して自らの退路を断つってやつだ。まずは、5月4日の町内チンドンパレードが目標だ。チンドン御用菜の花商会の一員として、町を練り歩けるようになるぞ。さらに、冬までには、ムーンライトセレナーデを物にして、『東北学生音楽祭』の舞台に立ってやる。

 やれやれ、老後の趣味にのんびり続けようって始めたアルトサックスだって言うのに、ぎりぎりせっぱ詰まってきちまった。あーあ、やっぱり、僕は、せっかち星の住人なんだよな。

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