今年は認知症コント、お呼びがかかった。町内の小中学校の児童・生徒に見てもらう。2年ぶりだし、新作でね、って、まぁ、お願いする方は気楽なもんだぜ。たしか4作目?ネタが限られてるしなぁ、観客も子供たち、いろいろ縛りが多いんだ。
認知症をバカにするような言葉や表現、設定はもちろんNG。でも、笑いは絶対必要。だってコントだからな。認知症の人たちに親切にしよう!みたいな合言葉叫ぶだけなら、講師が教えればいい。そこにつなげる道を面白く準備するのが、与えられた役割だ。
ただ、どうしたって笑いは、認知症のトンチンカンな行動に頼らざるを得ない。それをどう揶揄や蔑みでなく暖かく描くか、微笑ましいと穏やかに頬を緩ませることができるか、そこらが、意外と難しい。
もう、ネタ切れ状態だからね、今年は数で勝負!ジイサンもバアサンも同時に認知症にしちまったぜ。ジイサンは食事したことを忘れる健忘症、バアサンは饅頭を盗まれたと疑心暗鬼する被害妄想、これが互いにかみ合わない会話を繰り返す。その間に立って優しく苛立つ?娘。そんな設定だ。
それだけじゃありきたりだよなぁ、よしっ、それじゃ新趣向。二人にスマホを持たせてやれ。もっぱら娘との連絡用の想定だったが、徘徊して居場所がわからなくなった時の警察へのお助け通報を盛り込んで、駐在さんにもご登場願うことにした。
小学校への出前は、11月4日から始まるが、その前に、町の芸文祭でも上演することになった。こちらもコロナに邪魔だてされて2年ぶり、よくぞ開催を決意してくれたもんだぜ。たくさんの人たちに見てもらいたいものの、密は避けたい、このジレンマで従来1日で集中開催していた舞台部門は2日に分けて実施するってことだ。菜の花座も半分活動休止に近い状態だもの、芸文祭に向けての出し物なんて準備できない。できるものは何か?認知症コントなら仕上がってる、よしっ、それだ。
本番4日前の舞台リハーサル、いやぁ、寂しいねぇ。待っててくれたのはホールの舞台スタッフ二人と遅れて芸文会長さんだけ。きっと参加団体も少ないんだろう。今回、どうしても開催って頑張った理由、会員の高齢化で、各団体の存続が危うくなってるからだってこと。それでなくとも、元気なくしつつある地域社会、コロナでさらに手ひどく痛めつけられたな。
ならば、地域劇団・菜の花座任せていただきやしょうか!と、胸を張りたいところだが、今年も二人芝居のオムニバスでお茶を濁す。まずは、認知症コント、明るく楽しくドタバタと賑やかな笑いを提供しようじゃないか。
川西町芸文祭、菜の花座の出番は、2日午後2時頃からだぜ。