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行田市・池守遺跡 最古(6~7世紀)の機織り部品出土

2008年06月07日 | Weblog
 行田市教育委員会文化財保護課は6日、同市中里の池守遺跡の地下約1m、広さ470㎡の沼地からから古墳時代後期(6~7世紀)の大量に出土した木製品の中から、最古の機織り機の部品が見つかり、機織り機の変遷を知る貴重な発見であることを発表した。
発掘した大半が沼地にあたり酸素に触れていなかったため木製品が腐らずに当時に近い状態で残った。
 出土したのは土製品(土師器や須恵器)や木製品、石製品等で、壊れて使用できなくなり投棄された遺物群とみられる。
 木製品は農具や紡織具、工具など約370点にのぼる。
このうち機織り機の地機(じばた)の部品が多数見つかり、「中筒受け」(長さ66cm、幅8cm、厚さ2.6cm)と呼ばれる縦糸を上下に分けて横糸を通しやすくする部品は全国2例目の発見。
同部品は山梨県平田宮第二遺跡で平安時代の遺跡から出土しており、今回の発見で地機の構造が古墳時代までさかのぼることができるという。
また馬にひかせて開墾した馬鍬(まぐわ=幅135cm、厚さ10cm、刃の長さ47cm))も出土し、刃の部分が刀状に加工された全国的に珍しい形態という。福岡県のカキ遺跡に次いで全国で二例目。
市教委は「現在の織り機とほぼ同様のものが出た。ほかにも機織りに関連した遺物がまとまって出ており、専門集団が集落を形成していた可能性もある」と話した。
発掘品は現在、東都文化財研究所(川口市)で保存処理をし、来年度には展示を予定。
調査概要は7月27日に県立さきたま史跡の博物館で開く遺跡発掘調査報告会で報告する。併せて、埼玉古墳群にある奥の山古墳の整備状況なども報告される。
<参考情報>
毎日新聞 埼玉新聞
コメント (1)
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