市教育委員会は28日、同市中泉の「御殿・二之宮遺跡」から、鎌倉時代の鉄製の建築工具5点が出土したことを発表した。中世以前の建築工具が一度にまとまって出土したのは大分県宇佐市の一木ノ上遺跡の11―12世紀の墓から出土したのこぎりなどに次いで全国で2例目という。
建築工具は、袋式ノミ、突きノミ、カンナ、刀子(小刀)、キリの各1点。04年に、徳川家康が建てた中泉御殿跡の土塁の下の竪穴で、12世紀末から13世紀初頭の土坑墓の遺構から、砥石や釘、小皿などとともに見つかった。建材の接合部などの荒加工用に使われた袋式ノミがあることから、建築集団の棟梁のような人物の愛用の道具を副葬品とした可能性が高いことが、今年1月の鑑定で確認された。
平安時代の荘園制の発達に伴い、地方にも荘園領主などの保護のもとで職業集団が生まれたとされ、市教委文化財課は「市内にも寺社や地方貴族に保護された建築工人(職人)の集団がいた可能性を示す貴重な資料」としている。
市教委は、31日から2月15日まで同市上新屋の市立豊田図書館で開催する企画展「いわたのものづくり~木のあるくらし~」で公開する。問合せは文化財課。
御殿・二之宮遺跡 弥生時代から近世(江戸時代)までの大遺跡で、奈良時代には遠江国府があったと推定され、木簡や墨書土器、祭祀遺物などが出土している。近世には徳川家康の別荘・中泉御殿や中泉陣屋も設けられた。
[参考:中日新聞、静岡新聞]
建築工具は、袋式ノミ、突きノミ、カンナ、刀子(小刀)、キリの各1点。04年に、徳川家康が建てた中泉御殿跡の土塁の下の竪穴で、12世紀末から13世紀初頭の土坑墓の遺構から、砥石や釘、小皿などとともに見つかった。建材の接合部などの荒加工用に使われた袋式ノミがあることから、建築集団の棟梁のような人物の愛用の道具を副葬品とした可能性が高いことが、今年1月の鑑定で確認された。
平安時代の荘園制の発達に伴い、地方にも荘園領主などの保護のもとで職業集団が生まれたとされ、市教委文化財課は「市内にも寺社や地方貴族に保護された建築工人(職人)の集団がいた可能性を示す貴重な資料」としている。
市教委は、31日から2月15日まで同市上新屋の市立豊田図書館で開催する企画展「いわたのものづくり~木のあるくらし~」で公開する。問合せは文化財課。
御殿・二之宮遺跡 弥生時代から近世(江戸時代)までの大遺跡で、奈良時代には遠江国府があったと推定され、木簡や墨書土器、祭祀遺物などが出土している。近世には徳川家康の別荘・中泉御殿や中泉陣屋も設けられた。
[参考:中日新聞、静岡新聞]