歴歩

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加須市・長竹遺跡 3500年前の土製耳飾が出土

2011年03月08日 | Weblog
 読売新聞のニュースで、埼玉県加須市大越の長竹遺跡から縄文後期~晩期(約3500年前)とみられる耳飾りが出土したと報じられた。
 2月5日に遺跡見学会が行われたばかりであるが、その時にも耳飾が出土しており、それと同じなのかあるいは新たになのかは不明である。 いわゆる土製耳飾(どせいみみかざり)で、直径8cm、厚さ1~2mm。祭事に使われたとみられる。 精巧な作りの渦巻き文様と透かし彫りがあり、色合いは白っぽい。他の地域で作られ、持ち込まれた可能性もあるとしている。
 県内ではさいたま市岩槻区の真福寺貝塚で土製耳飾の破片が多数出土しているが、大きさは最大でも径4.5cmほどである。また、同貝塚で出土したみみずく土偶(重文)は、大きな耳飾をしている。
 ほぼ同時代の土製耳飾が、3ヶ所で国の重要文化財に指定されている。
■東京都調布市・下布田遺跡(しもふだいせき) 1点 (直径9.8mm肉彫状の花弁様文)
■群馬県桐生市・上野千網谷戸遺跡(ちあみがいといせき) 170点以上、一例 半肉彫状の重花弁文
■群馬県榛東村・茅野遺跡(かやのいせき) 577点以上、一例 直径7.7cm、透かし彫り 
 このうち、茅野遺跡出品には白っぽい色合いのものがある。

 遺跡からは、他に、同じ時期と見られる体長約7cmの犬形土製品や、体長10cmくらいの人形土偶、ひもを通す穴の開いた1~2cmの石製装飾具なども出土している。
 規模、遺物の量ともに県下最大級の遺跡といい、当初、3月までの予定だった調査は来年度も継続することが決まったという。
[参考:読売新聞、埼玉県埋蔵文化財調査事業団HP、2011.2.12埼玉新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2011.2.4 加須市・長竹遺跡 2月5日遺跡見学会
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京都市上京区・相国寺旧境内 戦国時代の二重の堀跡が出土

2011年03月08日 | Weblog
 同志社大学が発掘調査を進める、同大今出川キャンパス(京都市上京区)内にある相国寺旧境内の遺跡から、新たに戦国時代(16世紀)とみられる二重の堀跡が見つかった。
 堀跡は相国寺旧境内の西端にあり、南北方向に幅約5m、深さ1.7mで、約100mにわたって伸びていた。断面は逆台形であった。堀の下層から戦国時代16世紀の土器が出土した。15mほど東から平行して同じような堀が出土した。
 相国寺周辺は応仁の乱(1467~77)の発端となり、室町幕府管領家の細川勝元らの東軍が陣を敷いたことから戦闘が相次いだ。相国寺東端には堀があった記録があり、外敵の侵入を防ぐために、全体を強固な堀で防衛したことが考えられるとしている。
 発掘調査現地説明会は12日(土)午前11時から開かれる。
[参考:読売新聞、同志社大学歴史資料館・相国寺旧境内と薩摩藩邸跡の発掘調査速報ブログ]

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 相国寺旧境内
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