10月7日のエントリ(KATAKANA)の続きです。
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僕は安倍晋三氏の支持者でも、シンパでもない。ただ、新聞の書くように、演説にカタカナ語が多いか少ないか「だけで」あ~だ、こ~だ言うのもどうかと思う。演説からカタカナ語(含むアルファベット文字列、略号)の抜き書きが終わったので、以下にまとめる。
①「 」で括られた中で使われているカタカナ語
②前後を無視して文脈から切り離せるカタカナ語
③これは違うだろうと思うもの
注
①と②には結果として同じカタカナ語が使われているものもある。カッコで括られている場合は、社会的に見てまだ認知が十分でない(これからわかってもらおう)と、演説をしている安倍晋三氏が感じているものだと判断した。また、特定の文脈で使われているものもあるので、前後を切り離すことはしなかった。
②を◎△×に分類した。
③は、どう考えてもおかしいもの。
あくまで、僕の分析である。字句の区切りも、新聞社とは意見が違うかもしれない。
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今回は①についてリストアップする。便宜的に番号を振る。演説の中で出てきた順ではなく、50音順になっている。(13語、13回)
1. 「アジア・ゲートウェイ構想」
2. 「イノベーション25」
3. 「カントリー・アイデンティティ」
4. 「プライマリー・バランス」
5. 「メイド・イン・ジャパン」
6. 「ライブ・トーク官邸」
7. 「頑張る地方応援プログラム」
8. 「再チャレンジ支援策」
9. 「子育てフレンドリーな社会」
10. 「新健康フロンティア戦略」
11. 「人生のリスクに対するセーフティネット」
12. 「世界とアジアのための日米同盟」
13. 「道州制ビジョン」
1.は、『日本がアジアと世界の架け橋となる』ことを表すようだ。
2.は、僕はまだ使えないと思う。
3.は、その後に、すなわち、我が国の理念、目指すべき方向、日本らしさ、と言い換えていることを見ても、「国のありよう」でいいんじゃなかろうか。戦前なら「国体」である。
4.は、『国と地方の基礎的な財政収支』でなんでダメなんだ。
5.は、カッコは不要だろう。
6.は、官邸からの情報発信で十分。
7.は、まあ大丈夫。でも、プログラムを政策でもいいんじゃないか。
8.は、安倍内閣の一押し施策。(再)チャレンジは演説でも一番多かった。
9.は、「フレンドリー」は次の意味らしい。
「出産前後や乳幼児期における経済的負担の軽減を含め、子育て家庭に対する総合的な支援を行うとともに、働き方についても、子育てを応援する観点から改革を進めていきます。子育ての素晴らしさ、家族の価値を社会全体で共有できるよう、意識改革に取り組みます。」
実は何を言いたいか、言っている本人も怪しいのではないか。
10.は、「健康寿命を伸ばす」が枕詞についている。これなら、「健康寿命を延ばす戦略」でいいと思う。
11.セーフティーネット...命綱ではないけど、これも「自立の精神を大切にし、分かりやすく、親切で信頼できる、持続可能な「日本型の社会保障制度」」とその後に言っているので、この言葉自体はいらないんじゃないか。
12.は、使ってもいいかな。
13.は、ビジョンを「将来像」などに置き換えられないだろうか。
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全般的に見ると、実行したい政策・施策を伝えるために、あえてカタカナ語を使っていることがわかる。ただ、あえてカタカナ語にしなくてもいいものもあると思う。この点安倍晋三氏(と、そのブレーン・官僚)の努力が足りないと思う。まあ、カタカナ語にしても外来語にしても、使う本人がどのような意味を込めて使うかに左右されるわけで、使う方には都合がよく、国民にとってはよろしくないことだと思う。だから、あえてしないのならば、その意味では努力をしているのだろうけども。。。
次回は、③を取り上げる。(いつになるかわかりません)