<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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「クラウド」という言葉に匹敵するぐらい、分かっているようで分かっていない言葉が「スマートグリッド」。
テレビのコマーシャルで度々見かけるとっても気になる言葉なのだ。

最近ソフトウェアがらみの仕事を結構していて「クラウド」の方は理解できているつもりでいるのだが、「スマートグリッド」がよくわからない。
もし、
「スマートグリットって何?」
と訊かれたら、
「スマートなグリッドだよ」
程度にしか答えることのできない知識しか持ちあわせておらず、
「結局よくわかってないんだ」
と言われるのがオチのような理解力なのだ。

その、ヒジョ~に乏しい知識を十分に補って余りある解説をしてくれるのが横山明彦著「エネルギー新書スマートグリッド」(電気新聞ブックス発行)だ。

スマートグリッドは最近一般にも使われ始めた、もともとかなり専門性の高い言葉のようだ。
だから、
「スマートグリッドってスマートなグリッドだよ」
ぐらいにしか私たちには説明できないのも尤もといえなくもない。

そもそも言葉からエリアを区切ってエネルギーを節約するような技術、というような印象だとか、太陽光発電なんかと関連あるような技術だとか、漠然なことはイメージできる。
でも実際に本書を読んでみると、スマートグリッドは一種のアルゴリズムに基づいたエネルギー調達技術であることが理解できる。

で、それは何かと言われると、またまた悩むわけだけれども、情報技術をもってして需要と供給のバランスを瞬時に処理して様々な発電方法をそれぞれに相応しい方法でもって運用する、えらくややこしいが、今後のエネルギーインフラの主流になっていくシステムのようだ。

本書を読んで初めて気がついたのだが、発電方法には一定の能力で電力を産み出していく技術と、自然の諸条件に影響されながら常に変動する電力を生み出す技術があり、これを制御し、無駄をなくすのが極めて難しいということ。
確かに、効率がよいという原子力は微調整が効きにくいだろうし、太陽光や風力は天気に影響される。
これらの発電技術を組み合わせると、必要量に足りないこともあるかもしれないし(停電)、多いことがあるかもしれない。(エネルギーの無駄)

とりわけ余ったエネルギーを貯める技術が難しく、それを解決するためのひとつの方法がプラグインハイブリッド車や電気自動車の充電だと知り、どうりで、最近プラグイン何々という言葉がよく聞かれるわけだと、と納得したわけだ。

ということで、こういう事を書いていてもなかなか分かりにくいスマートグリッド。
でも、それに関連するビジネスチャンスはたくさんあるようで。
まずは家庭のエネルギー有効活用から。


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