先日、久しぶりに梅田のショットバーにでかけた。
最近は家の近所の居酒屋か出張先の東京の飲み屋が多かったので大阪キタは久しぶりだった。
何を飲もうか考えて、結局いつものワイルドターキーをロックで注文。
かんぱーい!と一口飲んでビビビと来た。
何がビビビと来たのかというと、右奥歯にジーンとした痛みが走り、しばし愕然としてしまったのであった。
「こ、これは......歯医者に行かなければ.....」
誰でもそうかもしれないが、私は大の歯科医嫌い。
歯科医の先生が嫌いだということではなく、治療するときのあの「痛いかもしれない」という独特の緊張感が恐ろしいのだ。
これは幼稚園の頃に母に連れて行かれた歯科医の先生がメチャ下手くそで神経を抜くのに随分無理をしたらしく、恐ろしく痛かったことに起因する恐怖なのだ。
で、バーボンの液体が歯に滲みたので、「歯医者は怖いから行かない」という子どもほどひどくはなく、さらに悪化するであろう前にかかりつけの歯科医の先生に診てもらうことにした。
そしてレントゲン写真を見た先生は言った。
「お~~~~~~、虫歯になってますよ~~~。これは。結構、デカイ!」
高校生の頃に金属かぶせた奥歯の見えにくいところが虫歯になっていて、かなり大掛かりな治療をしなければならないとのこと。
もちろん、神経は抜くと言うので、
「これはきっと痛い治療に違いない」
と勝手に想像してビビっていると、
「麻酔しますからね、痛くないですよ」
と先生は慰めてくれたのであった。
で、次の治療日。
心配で心臓がドキドキし、血圧を上げながら、歯の治療前に脳溢血で死んでしまうのではないかというぐらいビビりながら診察椅子に腰掛けると、さっそく麻酔がほどこされ治療開始。
「痛くないですよ~」
と言っておきながら、キュイーンというドリルが歯を削り始めると炎症が予想よりも悪かったのか、ところどこで麻酔が効いておらず、ジクッ、ズキン、と痛いではないか。
「いたいれ~す」
と私が主張すると、
「痛いみたいやね」
と先生。
その都度、麻酔を増量して投与され、うがいすると感覚のなくなった唇の隅から水がピューと飛び出すしまつ。
それでも麻酔は部分的にはなかなか効かず、
「おっかしいな~。もう効いてもええはずやけど」
と先生は私の歯と格闘した。
で、結局30分ほど格闘したあと、どうしても炎症が引いていないところは薬で時間をかけて治療しつつ削ることになったのであった。
でも、他の部分は麻酔がちゃんと効いていたので大部分は削り取られ、神経も抜かれたわけだが、「痛い!」とおもった時に想像したのは、
「あ~。多分、カンボジアのクメール・ルージュや中国共産党は多くの知識人を麻酔なしで健康な歯に孔を開けるような拷問をして、多くの知識人を苦しめ殺したんだろうな」
ということだった。
歯の治療から大量殺戮を思い出すほど、私は歯の治療にビビっていたわけなのだ。
新聞や週刊誌の報道によると、ここ数ヶ月、中国で知識人の拘束が相次いでいるのだという。
それはなにも親日家、知日家という区別はなく、例えば親米家の人でも、当局の方針に文句を言ったことのある人は自動的に拘束され、どこかへ連れ去られているらしい。
これって文化大革命や大躍進と非常に酷似しており、中国指導部の統率力が不足しているなによりの証拠ではないかと言われている。
もしかすると拘束されえいる人たちは中国共産党の習近平国家主席の気分次第では思わぬ拷問にかけられ、思ってもいないことを白状させられているのではないかと思われてならない。
それが中国の歴史であり、政治であるからだ。
そこで思い出すのが歯科医での虫歯治療。
麻酔なしで細いドリルを使ってビューンろ掘られると、その苦痛は想像してもしきれない恐ろしさがある。
なお、私の虫歯は順調に治療に向けて掘削中なのである。
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