時の流れというのは恐ろしいもので、スーパーマンの新作"マン・オブ・スチール”は色んな意味で驚きの大行進なのであった。
まず、生みの父親がラッセル・クロウで育ての親がケビン・コスナー。
これだけでも驚きであった。
クリストファー・リーブのスーパーマンで生みの親をマーロン・ブランドが演じていたが、こちらは驚きの二連発だ。
ラッセル・クロウなんかはグラディエイターの扮装そのままだし、ケビン・コスナーなんかはちょこちょことしか出てこないのに、スーパーマンの育った実家が牧場のためか、フィールド・オブ・ドリームズと言う感じで十分以上の存在感が漂っていた。
で、育ての父親がケビン・コスナーならば育ての母はダイアン・レインで、こちらも存在感たっぷり。
ダイアン・レインといえば私の感覚ではまだ「リトルロマンス」に登場した可愛い女の子イメージが生きているのだが、今回の作品ではまるでお婆さん。
リトル・ロマンスでローレンス・オリビエと共演したあの頃の面影は、まったくなく、どっちらかというとあの時のローレンス・オリビエん立場んなっているのではいかという姿に変わっていたのだった。
しかもいい青年のお母さん役というところで、私はコッポラの「ジャック」を思い出さずにはいられなかったのだ。
さらに驚きはそれだけにとどまらない。
スーパーマンの恋人とも言えるロイス・レーン役はエイミー・アダムズであった。
エイミー・アダムズといえばディズニー製作のお馬鹿ミュージカル「魔法をかけられて」のヒロイン役で歌と踊りを披露し、なかなかんコメディアンヌだと思っていたら、クリント・イーストウッドの「人生の特等席」ではシリアスなイーストウッドの娘役を演じていて、なんじゃこりゃと思った女優さんだ。
贔屓目に見ても美人ではないと思うのだが、スーパーマンではその恋人のロイス・レーンということで、これも古いがマーゴット・ギターのレーンに慣れている私としては違和感たっぷりなのであった。
もっと違和感、そして驚きがたっぷりだったのは、もちろんストーリーだ。
その暗いこと、暗いこと。
陽気なはずのスーパーマンがダークになると、それはまさしくバットマン的陰気さなのであった。
色んな意味で奇をてらったスーパーマンなのであったが、私としては往年のTVシリーズのジョージ・リーブス演じる少々メタボなスーパーマンが懐かしくなる作品なのであった。
ま、面白かったですけど。
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