秋祭りのシーズンだ。
大阪の秋祭りというと岸和田市のだんじり祭が全国的に有名だが、今、市長選挙で全国の注目を浴びている私の実家のある堺市は布団太鼓が秋祭りの主役である。
布団太鼓といっても布団に載っている太鼓ではなく、この地の大型のお神輿なのだが、私は子供の頃からその布団太鼓お神輿を見慣れていて、有名な方のだんじりは馴染みが薄いためか、いささか違和感があった。
堺市も郊外へ行くと布団太鼓ではなく岸和田と同じだんじりが主流になるのだが、子供の頃にそのだんじりを見て恐怖感を抱いたことがある。
だんじり地区の皆さん、他意はありませんので、誤解しないでくださいね。
お神輿様のものに車輪が付いていて、大勢の人がすれを引っ張っているのを奇異なものに感じてしまったのだ。
ところが、お神輿はお神輿で、物心が着いたばかりのころ、両親に連れられて出かけた百舌鳥八幡宮のお祭りで太鼓の音にビビってしまい、早々に退散したことをわずかながらも今も記憶に残っているのだ、
もともと団地生まれの団地育ちのため祭礼に類するものには縁がない。
私の住んでいた公団住宅内では、伝統的な祭のコミュニティもなければ、地蔵盆のようなシンプルな子供向けイベントも無く、従って祭はすべてアウェーな環境で接していたのだ。
このため、太鼓や鐘の音ひとつとっても慣れていないので、ビビってしまうという、まあ、どうにもならない子供時代を過ごしていたというわけだ。
月日は40年以上が経過して、だんじりも布団太鼓も両方共冷静に見る立場になってみると、双方の面白さをやっと感じることの出来る年齢になったものだとつくづく思う。
だんじりはスピード感があり、勇壮でダイナミック。
お囃子はアップテンポで、「わ~~~!」という感じがある。
これに対して布団太鼓神輿は重厚で原色系できらびやか。
お囃子もドン、ドン、ドン、と「ウントショッ!」という感じである。
この対照的な二種類の祭を堪能できるのが大阪の秋祭り。
道路の通行止めが、唯一の迷惑な既設でもある。
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