なんとも無粋な家具屋なこと。
どこのことかというと、家具量販のニトリ。
台湾企業に買収されたシャープには大阪人の私としては情けないやら恥ずかしいやら。
大いに失望していたのだったが、乗り込んで来た台湾人社長の戴正呉社長は粋な人なのであった。
経営不振で売っぱらった阿倍野区西田辺にあった旧本社を買い戻すと宣言。
売り先に交渉をして、このほど結論が出た。
半分は買い戻しに成功して、半分はダメなのであった。
西田辺の本社には私も一度だけお邪魔したことがある。
玄関を入ると、そこにはショーケースに収められたシャープペンシルが展示されていた。
シャープペンシルは三菱鉛筆やぺんてるが開発したした商品ではない。
シャープの創業者早川徳次が開発した商品だ。
シャープペンシルの名前は早川徳次ではなく、当時付き合いのあったライオン事務器の福井庄次郎社長のアドバイスで名付けられた。
そのシャープペンシルの成功が今日の液晶のシャープをスタート地点だとよく分かる展示なのであった。
戴正呉社長が旧本社の買い戻しを決めたのは「大阪創業の地を取り戻すことで精神もとりもどす」ということらしい。
これは数年前にJALの会長に就任した京セラの稲盛和夫が、トレードマークを日の丸の半かけしたシンボルから鶴丸に戻したこととよく似ている。
企業の伝統的なシンボルを大切にすることで創業の精神を取り戻す、という粋な作戦だ。
で、結果南港通りを挟んで南北にある2つの建物のNTT都市開発に売却した建物は買い戻しに合意。
もう一方のニトリに売却した建物はニトリが納得せず買い戻しできなかった。
ニトリはここでの店舗開店に熱意を燃やしてすでに建設に着手しているという。
ちなみに私は何度が近所のニトリに行ったことがあるが、没個性で良いものがあまりないので買い物をしたことがない。
ここで思うに、商売というのは文化が重要だなと感じることだ。
NTTはシャープの新社長の心意気を理解してかどうかわからないが同意して、ニトリは自分の商売優先で結論した。
ちなみににニトリはここからそんなに遠くないところに店舗をすでに持っている。
大阪人に限らず、顧客はどちらを贔屓にするのか。
考えなくてもわかると思うのだが。
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