もう7年前になってしまうだろうか。
大阪の近畿大学で開催されたとある化学系の学会でのこと。
私の所属していた研究会もセミナーを開催するというので出席したところ、そのセミナーの来賓は文部科学省の課長なのであった。
「それでは○○課長、ご挨拶お願い致します。」
と研究会の会長を務める東京文京区にあるT大学の教授が紹介した。
演壇に上がった文科省の課長は研究会の意義とその活動を褒め称え、研究内容に対する持論と自分自身がいかに研究会を大切にしているかを滔々と述べたのであった。
ところが内容に「?」というところがいくつかあったものの、相手は大学を統括するお役所のお役人。
楯突いてはよろしくないと、だれもがその矛盾を黙っていた。
少なくともその時点では。
「質疑はありますか?」
とT大学の教授が会場にマイクを降ったとき、一人の壮年の研究者が挙手した。
「いいですか?」
「はいどうぞ」
てな具合に。
彼はゆっくりと質問というか、彼の意見を述べ始めた。
自分の意見は意見として、今文科省の課長が話した内容の矛盾点を非難しないように気を使いながら訂正した。
聴衆はみんな彼の言い方に心のなかで賛同。
かつ、事を荒立てない話術に拍手を送った。
「で、○○課長。今の意見についていかがでしょうか?」
とT大の教授が文科省の課長に振ると、
「その通りですね。まさに私が言いたかったのは。」
件の課長。
吉本新喜劇ならここで全員ひっくり返るところだ。
自分の言ったことがトンチンカンだったことに気がついたのか、課長は意見を180度変更してさも自分が言いたかったのはそのことだとばかりに変節する。
みんな意見が逆に変わったのに気がついていたが、さすがのT大学のセンセイもそれを指摘したらどんな災がふりかかってくるのか分からないので黙っていた。
私はこの時目撃したこの役人の負の本質を今も忘れることがでないでいる。
で、文科省の役人がなにやらおかしな行動をしている。
どう見てもへんてこりんだ。
加計学園の一連のスキャンダルにもならない事件は、どうみても「国立大学への天下りを指摘されて窮地に陥った役人たちの仕返し」にしか見えない。
つい昨年までは得意気になって国立大学の主要職を自分たちの思い通りに操作していたら、
「法律違反じゃないか」
と指摘され甘い蜜を吸えなくなったその腹いせだ。
それをマスコミが騒ぎ立てる様子は、慰安婦問題で現在の新聞の多くが以下にインチキであるのかを露見させられた恨みが作用しているとしか思えない。
インチキマスコミと盗人役人のコラボレート。
そんな馬鹿げた光景を、国民の多くがシラケた表情で眺めているというのが、真実だろう。
学会の講演でいとも簡単に自分の意見を翻したあのお役人。
教育を司る文科省のお役人。
実は彼らこそ、その教育を計画するに最も相応しくないというのをあの時目撃したわけだ。
今の報道を見る限り、政権与党の古臭い政治手法もいまいちだが、それ以上に腐臭のする役人と使命の終わったマスコミは一蓮托生。
秘密の内部メモが出るちう話を聞くたびに、
「なんなのそれ」
という気分になるのは私だけではないだろうな。
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