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映画「ボヘミアン・ラブソティ」を観てきた。
二回も観てきたのだ。

前評判がよろしく公開後一挙にブームになり「君の名は。」の時のように社会現象化してきた映画「ボヘミアン・ラブソティ」。
あまり期待をせずに観に行ったのだが、もういちど観たくなり再び劇場に足を運んだ。
二回目を観終わって数日経った今、もう一度観たくなっているのはいったいなんなのか。

これまで劇場での鑑賞数が最も多いのは「スターウォーズ」。
公開された1978年の先行ロードショーで観たのを皮切りに、その年のくれまでに11回劇場に足を運んだのであった。
当時は高校生ということもあり、ついでにビデオもなかったのであの独特のスピード感を味わえるのは劇場だけなのであった。
何度観たかわからないがスターウォーズほどではなく少なくもと3〜4回は映画館で観た映画が「スティング」と「明日に向って撃て!」と「天国から来たチャンプ員」。
前者2本はポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演でジョージ・ロイ・ヒル監督の作品で今も時々テレビで放送される傑作である。
これら2本は大阪にあった大毎地下劇場という名画座で再三にわたり上映されていて、私は上映の機会があると観たくなるので劇場に足を運んだのであった。
「天国から..」はウォーレン・ビューティの監督主演作品でこれはロードショー公開と原作を読んでから、そのセンスの良さに惹きつけられて再上映の機会ごとに同じく大毎地下劇場に足を運んだのであった。

社会人になり、ビデオも普及すると映画を繰り返し見るために何度も劇場に足を運ぶことはなくなった。
だから「ボヘミアン・ラブソティ」はおそらく劇場でしか堪能できないなにか大きな要素を含んでいた。
そのために何度も足を向けたくなるのだろう。

それは何かと言うと物語もさるものながら、間違いなく「サウンド」である。

「クイーン」が新曲ヒットを飛ばしていた頃。
日本ではフォークからニューミュージックに最盛期で中高生であった私もどちらかというと洋楽よりも邦楽(尺八や事三味線ではない)のほうが興味があった。
かといってクイーンを知らないわけではなく当時は今以上に洋楽に人気があり、たった2局しかなかった大阪のFM局でもクイーンの楽曲をはじめ、ピンク・フロイドや10cc、Yes、エルトン・ジョン、ビリー・ジョエルなんかがよくかかっていたものであった。
でも何度も来日していた彼らのライブに行くことはなかった。
これが映画を見たあと大きな後悔になるとは思わなかった。

クイーンはとりわけ個性が強く印象的な曲が多かったので記憶に強く残っていたのだが、あれから40年近くが経過して映画で改めて聴いてみると、その強烈なメッセージ性と個性押出力は今でも新鮮さが失われず現在ヒットしているあらゆる曲を圧倒している感がある。
その最大の魅力は映画でも描かれているが観客との一体感だ。
それを今、体験することはできない。
そのやるせなさを満たせる場が、映画館のシステムから響き渡る優れたサウンドなのだ。

ボヘミアン・ラプソディは何度も見る映画ではなく、何度も一体感を味わうライブなのかもしれないととも思った。

それにしてもまさか映画を一緒に見た大学生の娘がクイーンの音楽にハマってしまうとまでは予想できなかった。
今の若い人々にとっても彼らの音楽は強烈なのだろう。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」によるクイーンの再来。
リードボーカル・フレディの死後も解散せずに2人で活動しているクイーンが若い新しいファンも私達のようなシニアなファンも納得する誰かと組んで来日公演をする日も近いんじゃないだろうか。

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