もう30年近く以前になるがロサンゼルスの親戚の家に行ったときにカリフォルニアライスを炊いたご飯をごちそうになった。
ほこほこしたそのご飯は日本のお米を炊いたご飯と寸分違いはなく、
「美味しい!」
と思わず口走ってしまったのを昨日のように記憶している。
それもそのはず。
カリフォルニアのお米は「コシヒカリ」。
日本食のそれと寸分変わらぬものであるもの当然なのであった。
尤も、のちにシカゴの中華屋で食ったご飯はカリフォルニア米とは比べ物にならない低質なもので、
「なんじゃい、このご飯は」
と粟や稗を食っている感覚になったくらい、衝撃的な不味さでもあった。
その米国米のうち、質の高い米が国が定めた輸入枠を越えて市場に並び始めた。
国内の米菓は追加関税を支払っても米国米のほうが安い事態に至っており、牛丼の吉野家はすでに半分が米国産に切り替わっているのだという。
米国米はすでに一部のスーパーマーケットでも出回っているようで、もしも今回の米価格の急騰の結果、米国の米が安くて美味いとなると家計のために背に腹を変えられない消費者は国産米=高価格米、米国産=一般向けという棲み分けと意識付けされると国産米の本当の危機が訪れるわけで、そのあたり農水省あたりはどう考えているのだろうか。
農薬だなんだかなんだと米国産にいちゃもんを付けても国産米も農薬まみれであることは公然のヒ・ミ・ツでもある。
米国産が一般化するのかどうか。
それより、私なんかなんて高い主食を食わされているんだという怒りのほうが大きい。