讃岐こんぴらさん・とら丸旅館に宿泊しました。
海の神様・金刀比羅宮に一番近い、表参道沿いにある日本旅館。
門前宿です。
こんぴら奥院まで、石段が1368段あるのですが、このとら丸旅館は、94段目に立地しています。
大正元年に開業したこの旅館、100年以上の歴史。
すごいものです。
造船会社の経営者だった義理の父が、毎年のこんぴら詣の際、宿泊していた旅館。
はじめて訪れました。
出迎えてくれたのが、女将さん。
ご高齢ながらも、品の良い、きれいな女性。
義理の父もファンだったんだろうなあ(笑)。
この女将さんからは、義理の父の話も出てきて、ビックリ。
四年前に亡くなったことを伝えると、お悔やみの言葉をかけていただきました。
半世紀にわたり、造船業にたずさわってきた義理の父。
幾度もの造船不況を乗り切り、腕一本で造船会社を経営してきた昭和の男でした。
無借金経営が自慢の彼の生活は質素そのもの・・・従業員を手厚く支え、現場をこよなく愛していました。
その彼の楽しみが、新造船の進水式と、年に一度、海の神様にお参りする際に宿泊する、このとら丸旅館でした。
合掌。
とら丸旅館は、今風のモダンな日本風ホテルではなく、本当のトラディショナルな日本旅館。
設備も古いし、飾り気も演出もありません。
女将さんを初めとする従業員の皆さんが、本当に宿泊者を喜ばせようとするフレンドリーな姿勢だけが唯一のサービス。
これを、おもてなしとかホスピタリティなどという言葉でまとめることは少し違和感があります。
一階にある温泉で、ひとっ風呂。
今日は、こんぴら参り、奥院までの1368段を制覇・・・疲れたなあ(笑)。
夕食には、地酒芳水をいただきました。
浴衣を着て、ゆっくり、まったり・・・日本に生まれて良かったなあと感じる瞬間です。
朝起きて、ひとっ風呂。
ザ・ジャパニーズ・・・美味しい朝食をいただきました。
味噌汁が最高のお味で、お代わり。
担当の女性が持ってきてくれました・・・「大サービスよ!」
とら丸旅館の裏手には、歴史的建造物の公会堂や歌舞伎小屋があるとのことで、朝の散歩・・・。
琴平町公会堂・・・昭和7年建築。
旧金毘羅大芝居「金丸座」。
日本最古の芝居小屋で、国の重要文化財とのこと。
天保6年の建築。
毎年春には、江戸から歌舞伎役者が遠征、公演をするとのことです。
ゆったり、まったりとくつろげた、こんぴら・とら丸旅館でした。