東京渋谷の百軒棚を上がったところに古びた洋館風の建物があります。
名曲喫茶ライオン
1926年創業のクラシック音楽専門の喫茶店です。
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思えば、学生時代から訪れています。
新刊を買ったり、草稿を書いたり、ちょっと深く考えたり、都会の喧騒から抜け出すために、名曲喫茶ライオンを訪れます。
開店して、約100年・・・
移り変わりの激しい渋谷で、このお店が残っているというのは、まさに奇跡だと思います。
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「名曲喫茶」という言葉時代が死語になっている昨今。
カフェや喫茶店チェーンや黒船のコーヒー店が出店競争をしている中、ライオンでは、静かにゆったりと時が流れています。
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札幌の狸小路のはずれにある「ウィーン」、広島のマツダスタジアムのそばにある「ムシカ」とともに、日本三大「名曲喫茶」と言うことが出来ると思います。
(札幌には、以前「クレモナ」という素敵な名曲喫茶がありました。ストラスヴァリ・・・いいネーミングでした)
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ここで、リベラルアーツの書籍を紐解くと、より深く本の世界に浸ることができます。
ここで、PCやタブレットを開いたり、スマホをつつく人は、わずか。
本を読んだり、考え事をしたり・・・。
文学、歴史、哲学・・・知識人の土台を形成するリベラルアーツ・・・。
今日からセンター試験ですが、最近思うのが、リベラルアーツの大切さ・・・。
経営やマネジメント、医学や法律などの実学の前提として、そして、人間として、とても大切なもの。
実学は、集中的なインプットと現場での経験・体験で、何とか身に付きます。
しかしながら、リベラルアーツ、教養、コモンセンスは一朝一夕では、ものにすることが出来ません。
アメリカ合衆国の独立戦争の思想的なバックボーンとなったトマス・ペインの「コモンセンス」。
日本の翻訳家は、「コモンセンス」を「良識」と訳しました。
けだし名訳です。
良識のレベルを高めていくためには、リベラルアーツを学び、私淑する師を持ち、死ぬまで勉強というスタンスを持つしかないように思います。
戦前は、旧制高校や予科で、デカンショ(デカルト、カント、ショーペンハウエル)や東洋史、西洋史、哲学に思想、英語にドイツ語は、学生として当たり前に学ぶべきジャンルだったとのこと・・・。
今の日本人に、そういったインテリジェンスを持った人が、本当に少なくなったように思います。
故安岡正篤先生は、「インスタントの時代」と冷笑されています。
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ライオンで、大好きなブラームスやマーラーを聴くたびに、ほんの少しだけリベラルアーツの世界に浸れることが出来ます。
ワンコインで、おいしい珈琲とクラシカルミュージックの世界を堪能できる・・・
本当に、至福のひと時です。