君、願いを

神無月二十六日、銀杏― immortality
黄金が抱く青の涯、いつか。
「ぱぱー、こっちもいっぱい!」
かわいい声、ほら?君と似ている。
「はーい、」
返事して振りむいて、ちいさな笑顔きらきら光る。
黒い瞳きらきら笑って、ちいさな手招き、ほら?
「ぱぱーはやく、はやく!」
ほら、あの手招きは君と同じ仕草。
なつかしくて惹かれて歩みよって、見あげてくれる瞳に微笑んだ。
「すごいね、いっぱい見つけたね?」
「でしょ?ぱぱもひろって、」
ちいさな笑顔ころころ見あげてくれる、その足元やわらかに黄金きらめく。
もう落葉の季節なんだ?めぐる時間にしゃがみこんで、あわい香かすかに甘い。
「ん…秋だ、」
あわい落葉やわらかな甘さ、すこし水気ふくんだ優しい匂い。
なつかしい香にしゃがむ公園の道、黄金ふる香にソプラノはずんだ。
「ね、ぱぱ?葉っぱね、かわいいね?」
ちいさな指ひらり黄金かざす、扇形きれいな葉が透ける。
黄金しずかな光が葉脈えがいて、なつかしい声に微笑んだ。
「かわいいね?この葉っぱのこと、ママは妖精の扇って呼んでたよ?」
「ようせいの?」
朝陽きらきら髪を透かす、やわらかな風にも翻る。
まだ髪から幼い時間ふれて、願い黄金の葉を拾った。
「この葉っぱを妖精が扇にしてね、春のお布団になる雪を呼ぶのかもしれないって…冬は春が蘇るための眠りだからって、」
君の物語を声にする。
この物語してくれた君、あの日と同じ瞳が見あげてくれる。
こんなふう今も君はいるのだろう?想い積もる黄金の陽ざし、君の扇が光舞う。

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10月26日誕生花イチョウ

神無月二十六日、銀杏― immortality
黄金が抱く青の涯、いつか。
「ぱぱー、こっちもいっぱい!」
かわいい声、ほら?君と似ている。
「はーい、」
返事して振りむいて、ちいさな笑顔きらきら光る。
黒い瞳きらきら笑って、ちいさな手招き、ほら?
「ぱぱーはやく、はやく!」
ほら、あの手招きは君と同じ仕草。
なつかしくて惹かれて歩みよって、見あげてくれる瞳に微笑んだ。
「すごいね、いっぱい見つけたね?」
「でしょ?ぱぱもひろって、」
ちいさな笑顔ころころ見あげてくれる、その足元やわらかに黄金きらめく。
もう落葉の季節なんだ?めぐる時間にしゃがみこんで、あわい香かすかに甘い。
「ん…秋だ、」
あわい落葉やわらかな甘さ、すこし水気ふくんだ優しい匂い。
なつかしい香にしゃがむ公園の道、黄金ふる香にソプラノはずんだ。
「ね、ぱぱ?葉っぱね、かわいいね?」
ちいさな指ひらり黄金かざす、扇形きれいな葉が透ける。
黄金しずかな光が葉脈えがいて、なつかしい声に微笑んだ。
「かわいいね?この葉っぱのこと、ママは妖精の扇って呼んでたよ?」
「ようせいの?」
朝陽きらきら髪を透かす、やわらかな風にも翻る。
まだ髪から幼い時間ふれて、願い黄金の葉を拾った。
「この葉っぱを妖精が扇にしてね、春のお布団になる雪を呼ぶのかもしれないって…冬は春が蘇るための眠りだからって、」
君の物語を声にする。
この物語してくれた君、あの日と同じ瞳が見あげてくれる。
こんなふう今も君はいるのだろう?想い積もる黄金の陽ざし、君の扇が光舞う。

銀杏:イチョウ、花言葉「荘厳、鎮魂、長寿、淑やか」


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