萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション&ノンフィクション@御曹司譚298

2014-12-17 00:20:06 | 雑談寓話
「思ってることと言葉と行動が一致してるヒトは信頼できるでしょ?そういう当たり前が優しいって嬉しいよ、嘘がないって安心ができる、」
「花サンも話したらいいじゃん、思ってること御曹司クンに話しなよ?もし信じてほしいなら自分からだろ?笑」
「そうだけど、ね―…」

なんて会話を花サンとしていた7月日曜@自宅飲み、
携帯電話が鳴って、着信番号は御曹司クンだった、

「電話?遠慮なく出て良いよ?」

と、花サンは言ってくれたけれど出て良いもんだか?
って思ったから正直に言ってみた、

「御曹司クンなんだけど、出て良いって想う?笑」

今、出たらどうなるんだろ?
そんな好奇心半分に花サンは困ったよう笑った、

「ダメっていう理由も権利もないよね?ホント遠慮なくでて、」
「じゃ、とりあえず出るね?笑」

ソウイウ意味で「出て良い」じゃないんだけどな?
って思いながらも通話を繋いでその場そのまま出た、

「なに?笑」

訊いて、一拍おいて返ってきた、

「…なにって、さー…マジでラストみたいな言い方されたから、怖いじゃん?俺…、」

昨夜の電話のこと言ってるんだ?
そう解かるけど何もしてあげられない、っていうかしないことが出来る最後だろう?
そんな判断しながらもホントは痛いなって想ってた、だってホント言うと楽しかったから。

初対面から2年半、職場で外でいろんなこと話していた、
そういう全てが愉しかったわけじゃない、メンドクサカッタ事の方が多いかもしれない?
それでも嬉しいって想ったことがあったのも事実だった、そういうアレコレ考えてる電話ごし泣かれた、

「なー…黙ってないでナンカ言えよ?俺だけ喋ってるみたいの辛いじゃん、そんなに俺のこと無視すんなよ?辞めるのだって他の奴から聞いたのって俺…」

言いながら泣いている、そう解かるから哀しかった。
こんなふう泣かせたかったんじゃない、なのに結局いつも泣かせてばっかりいる、
だから改めて思った、

こんなことずっと続けるわけにいかないな?

だったらこのまま終わろうか?

なんて考えて口開きかけた時、隣から花サンが言った、

「ねえ、明日ちょっと会って話したら?電話じゃどうしようもないってカンジじゃない、そんな黙りこくってるってトモさんらしくないし?」

結局やっぱり気を遣わせたな?
それも申し訳なくて送話口を抑えこんで笑いかけた、

「花サンは明日、会って話す方が良いって想う?笑」
「電話3時間より会って30分のほうが早いでしょ?っていうか今も私ひとりツマンナイじゃない、早くケリつけて?」

って言って笑ってくれる、
こんなふう彼女こそ結局は優しい、その言葉すなおに笑って送話口の手をどけた、

「明日、15時に横浜でいい?笑」

言って、電話むこう涙すすった気配が頷いた。

「ん…田中さんにありがとって言っといて、じぶんでもめーるするけど、」
「伝言代きっちり高いよ?笑」

そんな会話で電話を切って、そしたら花サンがワイン注いで笑った、

「明日はデートだね?がんばれー、」
「ソレどんな冗談?笑」

笑って返しながらコップワイン手にとって、それからは映画DVD×飲みは楽しかった、



にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へにほんブログ村

blogramランキング参加中! 人気ブログランキングへ

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第81話 凍結 act.1-side st... | トップ | 雑談寓話:或るフィクション... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

雑談寓話」カテゴリの最新記事